こんにちは！
国民的名作サザエさんを、発達マニア目線でチェックする暴挙シリーズ第3回、マスオさん編。前回はこちら！
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フグ田マスオさんは、アニメ版では早稲田商学部卒で野球部所属。
卒業後、東証一部上場の総合商社・海山商事で、無難に働いている32歳？、1児の父(原作は28程度)。
発達凸凹は惹かれ合う！
フグ田マスオさん。どんなイメージですか？
芸術を愛し、とっちらかってるサザエさんを愛し赦して、全方位に気を遣う、思いやりにあふれたホトケのような性格…って思っていませんか？？
実は彼は元来
【悪気はない失言、問題行動】
しまくりのやらかし人間なのです。原作ひどいよ。空気読めないどころじゃない。我らがアスペ×とっちらかり。
ASD(アスペルガー)とADHD併発しながら、当所の主な育成目標
【半径5mを幸せにする凸凹キャラ】
を体現してる逸材です。
根っからの定型常識人だと思ってました？ちゃうちゃう！！バッチリやらかしてきて、それでいて、愛されてるんです。
マスオ→不注意+ 衝動性+ 苦労の末仙人化
特性丸出し発言歴＆適応を遂げた理由、雑に考察してみますね！
やらかしキッズの親御さん、要チェックや！
マスオのやらかし歴
・見ず知らずの女性が転倒するのを目撃。転倒するのにかかった時間を計った(^^)
え…いきなりヤバない？
・83歳だと言う女性に向かって
「今日の不快指数と同じ(^^)」
と答えた
えっ、えーっ…。
・サザエに絵のモデルを頼んだ時、喜んでるサザエに向かって
「野菜を描こうと思ったけど、野菜だと高くつくから(^^)」と言った
おいおいおいおい！
・波平が考えた句を「どう考えても入選するような句じゃない(^^)」と言った
Oh...(白目)
どう考えても頭おかCよ、マスオ！堀川くん級じゃん…。
引用元→*1
悪気がなければいいのか？
安全な環境で育ってしまったアスペルガーやADHDは、
「悪気はなかったんだよね、いいよいいよ」
とお目溢しされた子供時代の記憶を、デフォルトで持ち越しがちです。
そのまま
「悪気がないからいいよねっ(^^)」
で反省・改善の必要性を感じず、年だけ取ります。
ある程度メタ認知できるようになってから、記憶データ振り返って、やらかし黒歴史にさいなまれることも。
そういう特性あるんじゃないかなーマスオさん。
悪気がなければ水に流す世界線
アスペルガーは
「悪気がない→許すべき」
と叩き込まれた生育歴があると、自己改善の必要性を感じにくくなりがち(※その後、反動が出ることはある)。
同時に、悪気のない人に対してナチュラルに寛大になることもありますー(※反動あり得る)。
これ、サザエさんの暴挙を許し続けてることと無関係ではないと思います。
リアルでは、
「悪気がない=悪いという認識さえない、改善見込みなし」
と見なされ、厳しくいたぶられる可能性も高いですよね。
「悪気がなけりゃOK」
という概念は、長期記憶力の強い子を優しく寛大にもするから、いい面もあるんです。一方で、寛大になりすぎてつけこまれる事件も招くわけですが。
問題は、悪気がないという免罪符は、一般的には使用期限が短く、中学年以降の人との関わりの機会損失がバカでかくなるということです。
要注意よ。マスオさんは、大阪・住吉出身という地の利や、身体能力に恵まれて、野球部というコミュニティも確保できたからよかったけど…。
同居の理由
そもそも磯野家とフグ田家が同居してるのは、新居を追われてしまったから。
なぜ追い出されたかってぇと。マスオさんが、薪ほしさに、借家である新居の垣根かなんかをノコギリで切ってるとこを、大家さんに見られたのがきっかけ…ちなみに、決定打は、サザエが大家にキレて流血させたことである。
アグレッシブなADHDサザエがヤヴァイのはもちろんだけど、マスオもマスオだよ…借家を破壊するなよ…。完全にやべぇ奴じゃんね…。好きだけど（笑）。
原作には、神経症で薬を常用していた描写もあって、ますます
「あっ、やっぱりかな」
って思うわけ。
マスオの生育歴から学ぼう
勝手な想像だけど、マスオはたぶん不注意系ASDとして生まれてる。
大人なのに借家の柵をノコギリで白昼堂々ぶった切り、失言ぶっ放すマスオ…子供時代は、かなり育てにくい子であったはず。なのに、今やミッキーミニー並みとまでは行かないが、国民的愛されカップルという地位を確立してます。
その生育歴に、愛されキャラ確立要素があったと仮定して、紐解いてみましょう。
1小さい頃(3歳だっけ)に父親を失ったことで命の危機を感じた。
命の危機実感、これはほんと大事だよ。ととのっていく人は、順境育ちではないの。ネガティブな経験を「うまく」利用した人なの。
発達障害の中でも、ASDは、本能のバグとも言えるのよ。死は、本能を呼び起こすのよ。*2
2母親フグ田入江や出身地(大阪市住吉区)の持つユーモアと猥雑さを浴びた。
これもいい。
指摘や叱責に、ギャグ要素が盛り込まれているので、聞く耳を持ちやすい。猥雑な環境ゆえ、言葉やただしさに対するこだわりが強くなりすぎずに済む。
母親の性的魅力が低いことも、とても重要なポイント。
母親の承認価値が暴騰しすぎないことにより、思春期の失望感がマイルドになるので、思春期クリアの難度が下がる。
*3
3兄サケオの療育的指導、野球部経験。
発達特性の似てるサケオが一歩先を歩いて、適応を促す関与をした。曜日がどうしても覚えられなくて、兄サケオの工夫によって覚えたというエピソードもある。
それからね、チームスポーツ。マスオさん、早稲田で野球やってたという描写もあります。すげーじゃん。
野球は、敵とのボディコンタクトがない、サッカーバスケに比べて反則チート効きにくい、チームプレイのわりに捕球とベース上以外では他者とのテリトリー争いがほぼない(順番がわかりやすい、強制的に待つ練習をさせられる)ので混乱しにくい、ビジョントレーニング*4が自然にできる、という点でアスペルガーでも楽しみやすいスポーツです。
野球やれば適応するという意味ではないですが、運動好きのとっちらかりをととのえてくれる要素の多い種目です。
4波平という、わかりやすい圧力。やりたいようにはさすがにできないという環境にいる
これ大事よ〜圧力っていうか、重力っていうか。
体力的不安はない状態でアラサーになり、家を追われ、義父母宅に居候。
・やりたいこと全部やったら家を追われる
・思い浮かんだこと全部口にするとブチギレられる
というような、ある種のトラウマ的経験って、潜在意識的な自己コントロール力の一助になるんだよね。
妻サザエは、いつでもフネさんタイ子さんのような、気のいいおばちゃん仲間に愚痴れる。
愚痴聞き係のフネさんたちは、サザエの鬱憤に共感して助長するのではなく、夫婦仲改善の意図を持って関わってくれてる。
よかったね〜マスオさんもサザエさんもタラちゃんも。
5自分よりヤヴァイ人(母入江、サザエさん、カツオ、波平)がやらかしたり叱られたり嫌われたりするのを見て
「あいつらの衝動性マジでやべぇな…自分も気をつけよう…」
と学んだ
自己客観視の難しいASDみのある方は、人の振り見て我が振り直せ方式・他山の石方式のほうが、自前のブレーキが効きやすくなるんですよね。
反面教師がわんさかいてよかったね！
ただしこの場合の自前のブレーキは、思考に基づいた、理性領域でのこと。危機的状況においては、思考に基づく規範・ブレーキは、スポーンと抜けるものです。
危機的状況でもスポーンと抜けない規範を刷り込むには、依存か、本能的な恐怖を利用する他ありません。
「家を追い出される恐怖」
という潜在意識の領域に刷り込んでおくことや、家庭に依存させることは、衝動性コントロールのための善後策なんですなぁ。
ちょっと、わかりにくいかな？この先も少しわかりやすくなるからがんば！
6本能的な劣等感にさいなまれることがない
進化心理学の範疇になるけど、オスの自信・幸福度は、体格、性機能、子の優劣にかなり依存します。
ヒトの場合、無自覚であれば、まわりの人との優劣比較により、幸福度が上下します。
マスオは、サザエさん一家で一番体格がよく、性機能も高く、タラオの発育も一見順調。
また、子無しの親友アナゴさんちより家庭円満でもあります。
本能的・社会的な劣等感から遠い。幸福と感じやすい条件が揃っていますね。
7立場は強くなくてもヒエラルキー下位にならないで済んでいて、心の余裕がある。
サザエさん一家のヒエラルキー最上位・タラオの、実父ですからね。言わば天皇の父。誰かとポジション争いする必要もない。穏やかでいられる理由の一つはこれでしょう。
もしマスオが磯野家と同居せず、連載当初のようなやりたい放題をし、サザエに適切な相談相手がいなかったら…サザエは重い重い鬱になってたかもね。
問題行動問題発言てんこ盛りなアスペルガーながらも、愛されキャラを確立した背景、考察してみました。
現在放映中のアニメ版では、やや過剰適応気味で、マスオさんかわいそう、胃に穴があくのでは、とか言われるけれど、なんていうか、それぐらいでちょうどいいんじゃないか？と思う。
自前のブレーキが効きにくいマスオにとって、自由は魔物だ。
ラスボス・タラオ
マスオさんは、大正生まれという背景もあって、どやしつけられながらなんだかんだととのってきた発達障害グレーゾーンエリート。
問題は両親の遺伝子たっぷり盛り込んだタラオよ。
ただしさにこだわり、そのこだわりを全肯定されている、リトルタイクーンタラオ。
サザエさんちの闇、ラスボスはタラオ説、ぶちかまします！
このネタ、今のカテゴリだとものすごく人気ないからランキング落ちると思います、早めの読者登録でおばちゃん幕府の譜代大名になろう！
続きます！これ子育てなさる方マジで読んで！！！
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読んでくださりありがとうございました！
もしかして発達グレー研究所でした！
サザエさんをカウンセラー目線で斬るシリーズはこちら！
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【地方公立卒エリートと中学受験】
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切ない親心とダークサイド！完結済。パパ編(30より前)おすすめ…読んで…「もしおパパから中受親の心構え学びました！」「本気で泣きました！」「夫に読ませました、いつもぶつかってましたがやっとわかり合えました、ありがとうございます」とおたより頂いてます。
スタンダードな手口が効かない、そんな親子に幸せになってほしくて書いてます。
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*5:なおIQ高いASDは、知能に脳の領域を侵害され、脳幹など本能の領域が元々弱いので、アレルギーや自律神経の不調を抱える方も多いですよね。ちなみに生存本能が弱いまま放置されると、ゲイになったり自殺したりします
