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もしかして発達グレー研究所~凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

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脳デカ族の自律神経ハック! 脳の「空冷ラジエーター」を回して気圧、気候変化を乗り切る呼吸術

脳デカ族のみなさん、自律神経お元気でしょうか?

なんだか頭が重い。考えすぎて眠れない。梅雨になるとだるい。夏になるとイライラする。そんな「脳のオーバーワーク感」を抱えていませんか。

私はただのおばちゃんです。自律神経の仕組みを完璧に説明することなんてできません。でも、脳デカ族を長年観察してきて思うことがあります。
それは、「平均的な人向けの説明だけでは収まらない脳」が存在するということです。

統計の世界からこぼれ落ちる脳たち

現代医学は統計学の上に成り立っています。
大勢の人を調べて、最も効果の高い方法を見つける…これは本当に素晴らしい仕組みです。私たちが安全な医療を受けられるのも、先人たちが積み上げてきた膨大なデータのおかげです。

その一方で、平均から外れてしまう特殊な脳みそがあります。

器質的な異常は見つからない。せいぜい左右差あるな、脳脊髄液少なめかな、ぐらい。
検査もほぼ正常。
循環器呼吸器も一般人レベルなのに、脳がやたらと四六時中フル回転。

疲れていても考えることをやめられない。
薬が効きすぎる人もいるし、なぜか効かなさすぎる人もいる。
見えすぎる人、見えなさすぎる人…
聞こえすぎる人、聞こえなさすぎる人…
色、味、匂い、テクスチャーなどを感じすぎる人、感じなさすぎる人…

そんな人たちを、当所は勝手に脳デカ族と呼んでいます。

脳デカ族を見ていると、時に薬の効果さえも自分の理性や思考か何かで押さえ込んでしまうような、マインドオーバーボディ的傾向を感じることすらあります。

薬は一通り試した、けど効かない…そんなお声、よく聞きます。
そこで医療、薬以外の調整手段を補助的に用いるというアイデアがあります。
(うちは、反医療ではありませんよ。所長がバリバリの医師ですし)

その1つ、呼吸についてお話します。
 

呼吸

本能が呼吸を調節しています。一方で、呼吸を工夫することによって本能のバランスを少しととのえることができるようです。

呼吸の基本

「吸う」より「吐く」が先…呼吸という熟語は、本質を突いているなと思います。

脳などが活動すると、酸素を消費し、さまざまな代謝産物が生まれます。
代謝産物には二酸化炭素やたんぱく質のほかに
高温多湿の日本で脳デカ族が元気に暮らすには、
・高温時期には熱
・高湿度では余分な水分
をいかに処理するかが重要になります。

一般的な脳みそは、暑いと思考をやめます。
*1 
定型脳は、気温、気圧、湿度、に合った排熱量、排気量などで済むように、大脳新皮質の活動自体に元々リミットがかけてあったり、自動省エネモードへの切り替えなどで適応します。
ところが脳デカ族には、このような自然な防衛機序になかなか切り替わらない個体がかなりいます。
この排熱・排出がうまくいかなくなると、一気に不調へ傾く印象があります。

このとき、まず必要なのは、新しい空気を取り込むことより、古い空気を出すこと。
呼吸の第一歩は「ゴミ出し」です。

悪者扱い?口呼吸の重要な仕事

口呼吸は評判がよくありません。
フィルター機能が弱い。
口が乾く。
虫歯や口臭の原因になる。
舌の位置が崩れる。
食事中クチャクチャ音がする。
…どれもその通りです。

しかし、だからといって口呼吸を封じるのは悪手です。口呼吸には圧倒的な排出能力、ゴミ出し能力があるからです。

全力疾走した後を思い出してください。
人間は自然と「ゼイゼイ、ハアハア」と口で呼吸しますよね。
エネルギーを取り出すときに発生した熱、二酸化炭素、水分を急速に体外へ出し、元の状態に戻ろうとしている…これは本能です。

運動時には、このように自然に、速い口呼吸による高速ゴミ出しが補われます。頭脳を使い込んだときは、どうでしょうか。

デカ脳は活動時、たくさんのエネルギーを消費します。過活動ならなおさらです。当然代謝物もものすごく多いです。しかし、呼吸中枢はほとんど反応してくれませんよね。

ご存知の通り、私たちの体には、もともと口呼吸を利用した緊急システムがあります。
ため息とあくびです。

聞き手側があてつけ、軽蔑といったニュアンスを受け取りがちなため息ですが、元来はたんなるゴミ出しで、あてつけではありません。
馬でさえ、よくため息をつきます。(『動物のお医者さん』のリュウセイ号は繊細で、二階堂に抱きつかれたときに、ため息ついてました)。

本来、ため息は、リラックスや緊張緩和の効果があるのです。過剰になった緊張や興奮など本能的な心の高ぶりをリセットしようとする、本能的なバランス反応とも言えます。

ネガティブな想起や葛藤など、感情の脳が過活動なときにも発動します。*2

あくびはどうでしょうか。
あくびも、ため息同様、脳のニーズによるものと考えて良いでしょう。
酸素取り込みのみならず、吸気メインで横隔膜を強く動かし、それによる圧力変化で、脳のゴミを頭蓋内から吸い出して、自律神経をととのえようとする反応だと考えられています。
(おばちゃんは、あくびのときの横隔膜の動きを意思の力で起こせるようになってから、とても体調が良いです!)

このように、口呼吸は、脳がオーバーヒートしそうなときの緊急排気ダクトとしても、緊急取り込み口としても、不可欠なものなのです。


では、鼻呼吸はどうでしょうか。

鼻呼吸の真髄

もちろん、基本は鼻呼吸です。
鼻にはフィルターがあります。
吸い込む空気の温度や湿度を調整する機能もあります。

しかし我々脳デカ族が刮目すべきは、そこだけじゃありません。おばちゃんが注目しているのは、脳を冷やす効果、脳にとってのラジエーターとしての効果です。

鼻の奥にある鼻腔や副鼻腔は、脳の底部に非常に近い位置にあります。

そこに新鮮な外気が通るということは、脳の近くで熱交換が行われるということです。

動物学や生理学の世界では、選択的脳冷却(Selective Brain Cooling)という概念が議論されることがあるそうで。

人間でどの程度機能しているかについては議論がありますが、少なくとも鼻周囲の構造が呼吸と熱交換に関わっていることは間違いありません。

私は勝手に、
「鼻は脳の空冷ラジエーター」
と呼んでいます。

ただし、脳デカ族は脳が過活動になりやすく、また、炎症に近い状態も起きやすいです。
本能的に備わったレベルの呼吸だけではしっかり脳を冷やし動かし続けることができません。


脳デカ族は、いかにして脳を冷ますか。ここが課題になることがかなりあります。

パソコンだってスパコンだって、高性能になるほど冷却装置が必要ですよね。
脳だけ例外ということはないでしょう。

鼻呼吸で脳の真下に風を通り抜けさせることと、口呼吸で体内の熱と水分と二酸化炭素を大量に逃がすのと、横隔膜による頭蓋内の老廃物バキューム機能を活用して、老廃物がこもりがちな頭蓋内をクリーンに保ってほしいと思います。

梅雨、夏の体調不良

梅雨や夏にだるくなる。
集中できない。
イライラ、不安定になる。
頭痛、腹痛、不快感。
眠れない、起きられない。
こうした現象は、気圧のせいと言われることが増えています。

気圧の高低で、脳のスポンジが縮こまったり膨れて頭蓋内側から押されたりといったことで、本能的調節が不安定になって悪さをするかのようです。呼吸で空気中に逃がせる熱、二酸化炭素量も、変化しそうですよね。

実際には、気圧だけでなく、気温、湿度、紫外線(光)、摂取水分量、及びこれらのギャップによる揺さぶりなども自律神経のバランスに関わっているようで多様ですが、その人の自律神経が乱れているカギはだいたい決まっています。そこを見極めると、解決策が一気にシンプルになります。

許可いただいたので、小話を。新米不登校の方とおばちゃんトークをして一発解決に至った件。
雑談をするうちに、悪天候時の人混み、つまり満員電車や教室が最悪なのではないかと思い至りました。
人がいて閉め切っている空間では、二酸化炭素比率、温度、水分量がどんどん上がり、呼吸による脳のリフレッシュ効率がどんどん下がってしまいます。

呼吸効率が下がったら呼吸を自動で回数増やす…この機能、脳デカ族にはデフォルトでは入っていないことがあるようです。自力でプラグインせねばなりません。

脳デカ族も多様ですが、空気の組成にとても敏感で、しかも自覚できていない子がいます。
この子たちは起立性調節障害や適応障害と診断されることが多いです。診断されたからといってあまり効果的な治療は行われていません。

特に思春期の脳デカ族は、ほぼ炭鉱のカナリヤです。
持ち前の大排気量の大脳新皮質と、脳の二次性徴でむくむく立ち上がる大脳辺縁系の二大勢力が真っ向からぶつかり高葛藤を起こしており、ホッカホカにあったまってる脳が、空気の淀みとのダブルパンチでノックアウトを食らうと、その空間ごと恐れるようになることもあります。

しかも、この場合、体育祭が終わって体育の授業が減ったこと、雨で車送迎を増やしてもらっていたこと、雨の日は水を飲みたくならないこと、体育祭の前からブラジャーをつけ始めたことなどが重なって、【呼吸不足】酸素不足拒否型不登校となったと仮説を立て、その子に合った呼吸を補っていただき、ブラジャーの付け方のコツを身につけていただいたところ、元気いっぱいに復帰し、受験も経験して進学、プライベートも充実しているとのことです。


新学年、新学期、楽しくのんきに学校に通っていたのに、気候が崩れると共に行き渋り…
新学年は行けるはずと思っていたら力尽き…
なんてご相談が多い時期です。

行き渋りも不登校も多様ですが、脳デカ族ならば、特有の本能のちぐはぐさを踏まえた対応をおすすめします。
おそらくですが、生物としては、やがて健全さを取り戻す方が大多数と思います。脳デカ族の場合は、逆方向のアプローチによって加速度的に不適応の度合いが高まる可能性があるので、対応難度が全く異なります。


おまけ、寝室と呼吸

日本家屋では、すきま風や土間、畳、珪藻土の塗り壁のおかげで、お布団を畳に敷いても問題なかったのでしょう。
気密性の高い現代の家の、広くない寝室で、床にお布団を敷いて寝ていらっしゃる方は、ぜひ就寝中の換気を工夫なさってください。二酸化炭素や、湿度の高い空気は重いみたいです。
寝室の温度、湿度、二酸化炭素比率は、睡眠の質を左右すると言われています。

脳デカ族の呼吸戦略

私が実践しているのは、鼻呼吸と口呼吸の使い分けです。
普段は鼻呼吸が基本。
鼻歌やハミングを混ぜる。
心を落ち着けたいときは、ゆっくり長く吐く。

そして、
「頭が熱い」
「考えすぎている」
「なんだか詰まっている」
そんな感覚があるときは、なるべくため息になる前に、大きく息を吐きます。そして止めます。
大きく息を吸って、そして止めます。こうすると、横隔膜のストレッチを兼ねることができますので、深呼吸に依らない無意識な呼吸についても、効率が高まります。

大量の酸素交換が必要なら、一時的に口呼吸も使います。


世の中には、鼻呼吸100%こそ正義という信仰もあります。

でも脳デカ族については、そんな単純な話ではない気がしています。だって鼻炎率高すぎるだろ。

ため息も、あくびも、深呼吸も。
全部、人間が進化の過程で手に入れた調整システムです。学校や職場などで遠慮なく使うには、世間体が悪いですが…。

なだめよ!脳デカ族の森

脳デカ族の脳は、普通に生きているだけでも過熱しやすく、呼吸不足になりやすいと言えます。
だからこそ、呼吸を少し意識してみてください。1日5分が難しければ、15秒からでもないよりまし。
最終的には無意識でも過不足ない呼吸ができるように、体と脳をしつけていきましょう。

梅雨も夏も、完璧に乗り切れなくていい。
今日はちょっとマシかも…くらいを目指して、脳というコンピュータのラジエーターを回してみませんか。


※この記事には筆者個人の観察や仮説が含まれます。医学的な診断や治療に代わるものではありません。呼吸器疾患や睡眠時無呼吸症候群などが疑われる場合は、医療機関への相談をおすすめします。


参考
副鼻腔の一酸化窒素(NO)急増に関する論文
​ハミングが鼻腔・副鼻腔に与える影響として最も引用されるのが、カロリンスカ研究所の研究者らによる以下の論文です。
​論文名: Humming Greatly Increases Nasal Nitric Oxide (2002)
​著者: Eddie Weitzberg & Jon O. N. Lundberg
​掲載誌: American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
​【概要とメカニズム】
副鼻腔(特に constitutive iNOS が高発現している領域)は、内因性NOの巨大なリザーバー(貯蔵庫)となっています。この論文では、静かな呼吸時と比較して、ハミング(はなうた)を行うことで鼻腔内のNO濃度が約15倍に跳ね上がることが実証されました。
​ハミングによる音響的振動(オシレーション)が副鼻腔の自然口(ostium)の換気を劇的に促し、滞留していた高濃度のNOを一気に鼻腔へと送り出します。このNOを肺へと吸入することで、以下のような機序が期待されます。
​広範な血管拡張作用: 吸入されたNOが肺血管、さらには全身の血管平滑筋を弛緩させ、効率的な酸素取り込みと血流改善を促します(これが脳血流の安定や微小循環の改善を支持する背景となります)。
​抗菌・抗ウイルス作用: 局所的なNO濃度の上昇が、気道防御機構として働きます。

​2. ハミングと自律神経・脳の共鳴(迷走神経刺激)に関する研究
​もう一つ、精神的安定や「脳のクールダウン」に関わるアプローチとして、ハミングが自律神経系(特にも副交感神経を司る迷走神経)を刺激するという研究があります。
​論文名: Neurohemodynamic correlates of ‘OM’ chanting: A pilot functional magnetic resonance imaging study (2011)
​著者: Kalyani B.G. et al.
​掲載誌: International Journal of Yoga (fMRIを用いた脳神経画像研究)
​【概要とメカニズム】
こちらはヨガのマントラ発声、いわゆる「ウー」という低音の持続的なハミング発声を対象としたfMRI(機能的磁気共鳴画像法)研究です。
持続的なハミング様の発声を行っている最中、大脳辺縁系(アミグダラ/扁桃体、海馬など)の過剰な活動が有意に抑制(deactivation)されることが確認されました。
​この現象は、ハミングの振動が迷走神経の耳介枝(Arnold's nerve)や咽頭枝を物理的に刺激し、副交感神経を有意にすることで、脳のストレス反応(情動の暴走)を鎮めるためと考えられています。

*1:サウナは、熱さと冷たさで血行を促進したり、暑さで思考を弱めさせて思考の多動にブレーキをかけさせたりなどの効果があります。脳デカ族は異常に熱くしないと思考を弱めるまでいかないため、やたらサウナの熱波にこだわっていたりします笑。

*2:神経質な脳デカ族は、やたらため息付いてます。ため息は、呼気しっかり吐く必要があるから起きているのだと知ってください。できればまわりにも、気遣わせてごめん!とお詫びしつつ、知らせておきましょう。


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