浮きこぼれの哀しみは、落ちこぼれの悲しみと似ている。
私は学ぶことが好きだ。
先取り学習も進んでやってきたし、
いつも授業に熱心に参加してきた。
なにか、新しいことを知りたくて。
へえ!!!そうなんだ!!!と言いたくて。
だのに、今年はなにかが違う。
先生の言葉が、自分の脇を通りすぎていく。
先生のまなざしが、自分を通りすぎていく。
先生と「はじめて」をしない子に
先生の焦点は合わないのだろうか
どうやら私は、知りすぎていたようだ。
学んできたことが誇りだったのに、
学んできたことが私を苦しめてる。
私は透明になりそうだった。
透明になりたくなくて、手を挙げる。
あててもらえないから、意見は透明になった。
私もどんどん透明になっていく気がした。
「わかった」「わからない」
その清々しさやもやもやを共有できる人が、同じ教室にいてくれたら……学校へ行きたくないなんて思ったりしなかったのに。