アドラー心理学と発達障害
アドラー心理学が静かなブームです。「嫌われる勇気」など、一般にも分かりやすい本が出ています。
アドラー心理学の論理は、他の心理学系統とは異なります。
心理学のメインチャネルから見ますと異端と言えるほど明確で、論理的で、合理的です。
他者によるネガティブ評価と、自己の感情を、切り離すことによって、ネガティブな感情に振り回されない鋼のメンタルを培うというものです。
アドラーに従えば、人間関係の影響で歪んでしまった認知そのものを取っ払うことができます。
そこに、合理的な認知と、なんぴとたりとも侵害できない要塞のように安全な精神をインストールできます。
これほど、効果覿面な心理学がほかにあるでしょうか。
アドラーは、認知の癖が苦しみを作っているのだから、認知の悪癖を整えれば、世界が変わるとし、その認知の変化によって行動まで変化させる事ができるとしています。
アドラーを取り入れることができれば、強みになります。
認知行動療法としても機能する部分を中心に、当研究所でもアドラー的な考え方はたくさん組み込んでいます。
ただ、アドラー心理学そのものを忠実にインストールしまうことは、実はリスクにもなり得ます。
50パーセントを超える高確率で、社会通念上、傍若無人 超ワガママなメンタルモンスターと見なされる、鋼鉄メンタルが出来上がるためです。
人の子育てや人生にあーだこーだ言いたくはないですが、
お子さん本人の老後やまわりのひとのことを思えば、傍若無人、鋼鉄メンタルのモンスターを育成するのは、避けたいですよね。
アドラーは気にしない、慰めない
社会通念上は、「あなたに傷付けられた!」と言う人には「ごめんなさい、もうしません」と言うことになっています。
「あの人に傷つけられた!」という人には、「傷付いたんだね」「辛いね、悲しいね」「かわいそう!ひどいね」と慰めることになっています。
この、「傷付いた人への慰め行為」ができないと「人の気持ちを考えない人」というレッテルを貼られることになっています。
アドラーに完全に従えば、慰め行為は意味をなさなくなります。
「へーそうなんだー。」てなもんです。
あるいは「他人の言葉ごときに傷付くのは、あなたの問題点だね。あなたの課題頑張ってね」という態度で接してしまうことになるかもしれません。
アドラー心理学は、HSP HSC(とても繊細な人、とても繊細な子ども)、発達障害や発達障害グレーゾーンの方々とても役に立ちます。
しかし、鵜呑みにしては絶対にいけません。
典型発達の皆さんから圧倒的に嫌われ、強い排斥を受けます。
「嫌われているのに、本人全くどこ吹く風。
そのせいでますます嫌われていく人」、いますよね。
その人たちは、アドラー的な強さ>>>社会通念の作法、のタイプが少なくないです。
多数派の思考回路も知っておけ!
世の中、ビジネスの場以外は、感情原理主義(社会通念原理主義)が多数派です。
感情優先の人たちへの配慮も合わせてマスターしてこそ、アドラー心理学は多様発達(発達障害)にとっての救いとなるでしょう。
本人の価値観、家庭の価値観、学校の価値観、友達それぞれの価値観、たくさんの異なる価値観があり、共存可能であり、互いに折り合いを付ける必要があっても、侵略を行う必要はありません。
このことを学ぶべきなのは典型発達(定型)も同じです。
実際には多くの人は、理解を求め合い、勢い余って自他境界の侵略を試みます。価値観を1階建て/オセロの黒、または白、というような感覚で持ちがちです。
そのひとつの色を持ってオセロかアタック25のパネルのように、他者の価値観を塗り替えようとします。
侵害されないために、侵攻しようとするのです。このメンタリティが争いをより激化させて生きにくい環境を醸成していることを知りません。
アドラーと懐柔策という2本柱
・アドラー心理学の価値観【価値観は本人にしか壊せない】をベースに心の中を整える
・必要な社会通念(お作法、お約束)によって他者をなだめ環境を整える
この2つの技術によって、メンタルの安定と、他者との良好な関係を、両立できるようになります。
懐柔策で穏やかな環境を作り、売り言葉に買い言葉のような当たり一面焼け野原にするような不利益の多いやりとりを回避することを教えましょう。
そうすることで初めて、建設的な交渉のスタート地点につけるのです。
続きます。
次は、2いいとこヤバいとこ です。
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今回も読んでくださりありがとうございました!