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もしかして発達グレー研究所~凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

なじめない、生きにくい。そんな子達の青い鳥ドコー?志村!後ろ後ろ!

【質問箱21-1】情緒級支援級or普通級?浮きこぼれ高IQ発達障害の公立高校受験、進学とキャリアの選択肢を踏まえたベストな環境調整とは【ギフテッド?2E?】

【質問箱】

小学低学年で普通級に通っていますが、情緒の支援級へ転校しようか悩んでいます。 知的には高IQなのですが、仮に中学でも支援級だと公立高校受験の選択肢が狭まったりと、 先々のキャリアの選択肢が減ることを懸念しています。 場合によっては中学受験も視野に入れるかもしれません。
今支援が必要ならその環境は整えたいのですが、支援や福祉の先の進路について、 どうおもわれますか?

【お答えの前に】

ご質問ありがとうございます!

でも念の為、最初に本質的クソ回答ブチかまします。


ケースバイケースです(笑)。


当所は一般の育児手法が通用しないお子さん専門。
質問相手選びの目、間違いないと思います。
既存の支援の方針は、一般向けで、記憶力思考力荒ぶる子の特性を踏まえていません。

おそらくご自身のお考えも練れてて、すでに頭の中に妥当なプランがありそう。おばちゃんが余計なこと書かないほうがいいかも…。


って思いつつ、不親切はおばちゃん魂がすたる。勝手に想定を加えながら、思うところを書き散らかしてみます。

【勉強はできる、納得できないことには興味ない、興味ないことはやらない、試行錯誤力なし、調整力なし。】

あなたのお子さんのことではないかもね?でも、とりあえずいってみよー!

普通級にいられない高IQな子どもたちと、支援級という別ルートの現実味

知的に高水準なIQ。だけど、情緒級や支援級にいたほうがいいかも、普通級だと不登校になるかも、と親御さんを心配させるほど適応に難がある子、増えていると言われます。

支援が拡大傾向にある自治体もありますし、2023年度からギフテッドや2Eへの情報提供をはじめとする支援を行うと文部科学省が発表したのも記憶に新しい*1。皆さん期待してるよね。でもね立ち消え、ってのは教育の常なんだわ。

そう、これがひとつ目の壁。
地域ガチャの壁。高IQには支援が適用されない地域である可能性。

こちらのご質問のケースでは「情緒級」とあるので可能性は十分ありますが、自治体や地域の「支援の現場の空き」に依存しており、変動性があります。
空きがあるとか評判になるとかで、引っ越してくる方々いらっしゃるし、そもそも普通級ですら教員が集まらないんだぜ?

さんざん思い悩んで
「情緒級/支援級/特別級でお願いします!」
と思ったら
「サーセン、枠がないです」
ってなることあり。学校側からオファーがあった場合でもだよ(先生たちもよくわかってないからな)。

特に高IQの支援級利用は基本的に優先順位低い。だって言うほどうまく行ってないんだもん。まあしょうがない。


2つ目の壁。
判定ガチャの壁。発達障害によるトラブル度合いがどんなにキツくても、判定から外れることもある。

学年かクラスで一番ぶっ飛んでる子に支援判定を施すってのが基本の運用。その子の障害レベルや困り感とかじゃないし、わかりやすい判定基準があるわけでもないです。

去年と今年でも違います、同じ年でも、同級生保護者クレームがどうなってるかとか、親御さんがどう対処しているのかとか、担任などのプッシュとかでも変わります。主観にも客観にもよらない。ご縁みたいなとこある。

「そこにいる中で一番厄介なやつ」
「こいつさえいなければなぁと先生が思う子」
ならば、こちらの返事1つですぐに支援が降ってくることもあって、それだと成長して、もう支援要らないやってなっても押し売りされる(言い方悪くてすまぬ)。


第3の壁。
運営ガチャ。
曜日や時間帯、送迎の壁。引っ越しや転校を考えることもあるだろうけど、失うものがありすぎたら、得られるものが多少あってもがっかり感半端ない。

ご質問のあった情緒級は週何時限なのかな。
情緒の支援級への転校をしようか考えているとあるから、転校先に設置されてるってことなのかな。転校のコストはどれぐらいなのかな?

ひょっとしたら転校ではなく転級のことかもしれないね。他校の通級なら、送迎の問題は大丈夫かな?


そういったことは、ご質問のあった
「その先の進路」
とは無関係に見えます。

しかし、支援級に通わせるための手間暇をかければかけるほど、支援級の短期的な効果が気になり、余計な期待をしてしまい、余計ながっかり感を招きやすくなるものです。

子供の課題と親の課題と支援級の課題

高IQのお子さんは、不満を持ったり落ち込んだりすることとそれを乗り越える経験を子供の頃に経験しておく必要があることはおわかりでしょう。

しかし、高い代償を支払った親御さんは、支援級において、日々を楽しく過ごさせてもらうことを至上命題にしてしまいかねません。

また、支援の先生は、保護者と子供の希望に迎合したほうが、いいキャリアを築けます。

よって、通ってくれさえすれば後は野となれ山となれというスタンスのほうが、短期的にはスムーズにやれます。
親御さんにも級運営をする先生にもお子さんにも
「下手を踏みたくない」
という思いがあるがゆえに、公的支援はぬるま湯。

湯冷めしてこじらせた高知能のお子さんに関するご相談、たくさん頂いている状況です。
(たまに地獄の釜みたいな支援級もある。むしろあれのほうがバーチャル地獄体験ができて、お子さんもピリッとする。もちろん入れっぱなしではなく、親子関係は良好に保つ戦略が必要です)


高IQのわが子を人柱にできますか

このように、情緒級のモデルもないし、情緒級の子、というモデルも居ません。
その子その子、ご家庭ご家庭で、育成難度もポテンシャルも全く違います。
情緒級や支援級だと進路の選択肢がどうこうと一概には言えません。

それでも必要だと普通級の先生も親御さんもお子さんも思われるなら、必要な措置とみなして漕ぎ出してそのルートに不足するものを補い、トゥーマッチなものを割愛していけば良いでしょう。外野がこうして語るのは本来ナンセンスなんです。

かと言って黙っておれない。
なぜなら多くの親御さんも、支援者も、高IQっ子の育成を誤解してるからだよ。


地域の現状と展望

…ちなみにさ、そちらの地域の4-7年後はどうなりそう?

中学の特別級って、小学校に比べて極端に枠が狭まるんよ。小学校のそれとは存在意義が変わってくる。

小学生は発達途上と見なされてる。だから短時間の情緒級など一時避難的なニーズにも一部対応。


けど、中学校の支援級は、特別支援学校高校部とかへの準備期間みたいな位置づけのところがほとんどじゃないかね。
基本的に、高IQの子の身の置き場は、中学の支援級には無いと思ったほうが無難よ。

ASD等の二次障害を理由に、【評判のいい(好きなことをさせてくれる)】高学年情緒支援級や中学支援級にねじ込んで、難関高校受験合格しました、っていうのはあるっちゃある。
公立校に在籍しつつも異文化の荒波に揉まれず、好きな灘や開成の問題を解きまくって、お勉強つよつよになったよっていうのね、まぁまぁあるっちゃある(バカにしてきたやつを見返してやるみたいなモチベーションも持ちやすいようだ…)


これ、どうなんだろうねぇ…もちろん、なにかの拍子に劇的な成長を遂げる子もいるから一概には言えない。
でも、好きなことしかしないのを当然の権利と認識させたらいかんと思うよ。後の人生が一か八かのギャンブルになる。

「やりたくないことしない」
傾向は、どうしても出てきます。

そしてなにがヤバいって
「やりたくない」
の度合いがヤバい。嫌悪通り越して憎悪レベル通り越して視野に入らないぐらいに、やるべきことから除外してしまうんだ。

放っておいたら、基本的にどんどん極化していくと思って鋭意警戒してほしい。


好きなことは得意になりやすいんです。捗るんです。ドパミンだか脳汁だかなんだかしらんが脳がフィーバーするんだろうね。

一方、興味ないことは標準以下だし忘れっぽい。やる気など出るわけもない。捗らない、進歩がない、開店休業状態。だから嫌いになる。


好きなことを際限なくさせてくれる環境では、こうして、当人の中での得意と不得意のギャップが大きくなっていきます。苦手なことをやる意味を見出だせるのは、界隈の子どもたちでは過剰適応型と偏差値オタクぐらいかもね…。
*2


高IQと起業、自衛

上に書いたようなタイプの高IQのお子さんをお持ちですと、将来起業をと考える方もいらっしゃると思う。

けどね、自営にだって、やりたくない仕事や苦手な仕事も混ざってくるよ。

絶対の信頼をおける番頭さんや、経営手腕をふるえるパワーママがいれば現行の支援級育ちもいいかもしれない。

けど、苦手なことは避けるというマインドで起業して、親世代と同じレベルの生活を維持するのは、よっぽどのバックグラウンドか運か多動力がないと難しい。


そもそも高IQへの支援とは

高IQへの支援は、あまりに誤解されていると思う。

ほめる支援、みとめる支援、ルールを教える支援、助けの求め方を教える支援、得意を伸ばす支援などは、一般ウケはすこぶる良い。*3


しかし、高IQの子どもたちはこういった受容的な支援を通して、大きな勘違いを背負いかねません。


彼らは学習能力が高いんです。

規範がわかりやすく、リーダーに人徳がある集団では、完全に適応してみせてくれることがあります。

この状態はいかにも好ましいので、まわりは支援が成功していると思い込みます。

本人は実力を高いものと思い込みます。


しかしだ。

今提供されている支援は、忘れる機能を持ったお子さま向け。

学習能力が高い子には、併せて誤学習しやすい特性を把握させ、逆回転や反力をかけるなどして誤学習の被害を防ぐ必要があります。

中学の支援級は被支援者のエリートコース

中学の支援級では、生活力を養わせようという動きがあります。

髪の乾かし方やお化粧の仕方、お金の管理の仕方など、役に立つことを教わると聞いた方も多いでしょう。

生活に必要なことは、高IQの子にも学んでほしいことですよね。


でも、中学支援級のターゲットはそもそも、高IQやギフテッド的な子じゃないんです。

中卒でグループホームに入るとか、支援学校高等部(※高卒資格は基本取れない)障害者施設等で働くとか、そういう道の子のために設定されたもの。


仮に、中学支援級に入れたとしてみましょう。

思春期の高IQの子が、そこで過ごすことを前向きに受け入れられるでしょうか。


「助けてが言えるように」
「大人を信じるように」
とかの支援の理念は、確かに一理あるんです。けど
「困ったら善良な大人に助けてもらえる」
という環境が前提にない高IQの進路において、絵空事をあたかも権利のように教えても、ろくなことにならないような気がします。



もういちど考えてみてください!
お子さんが、高IQを匂わせる中年になったら?

コスト割いて助けてくれる人、見つけられそうですか?


高IQである限り、弱者としての免罪符は使えません…残念ながら。

人に助けてもらうには、ギブアンドテイク、win-win関係が求められます。
こういう体感も危機感もないまま、大人になってしまうとしたら?どう思う…?


蛇の道は蛇。高知能の道は高知能。

ガイドラインとかそういうものでどうにかなるものではないす。

高IQの子供は、記憶力思考力などが普通レベルの子とは全く異なる複雑さがあるのです。
しつこいけどね、一般ウケのいい支援を施してると、全力で誤学習を重ねていきかねん。

ギフテッドの子の健全育成方法は、先祖伝来の奥義みたいなところがあり、できる人は限られています。

中長期目線と短期目線のバランスが難しいし、こちらの意図や人柄を見抜こうとしたり演技をしたり、または心ここにあらずだったり。そんじょそこらの先生には、掌握させてくれないです。

外的刺激に対して鈍麻が出ていて、ぼんやりしてて聞く耳持たずも多数。

受け入れ側も、保護者さんも、高IQについては支援の歴史が公的にはないに等しい。はっきりいって高IQの子の健全育成についてズブの初心者。知見があまりにも足りてない。


高IQの子がどんな人生を歩みがちなのか、どこがつまづきどころで、どうやって立ち直り方を身につけさせるのか。

時には、リスクを承知で、荒業的な関わりが必要な場面があります。
*4

【評判がいい(嫌がることさせない)】意識高い学級では「痛み」を悪とされてしまっていて、体験させるべき痛みや危機を経験損ねてしまうこともあるのです。

高IQニーズの急激な拡大

高IQの支援は後回し。これもうしょうがない。
「うちの子のための支援」
を期待しないほうが無難。

先生との連絡ノートのやり取りは大変だし、忖度や好き嫌いもある。その指導はいかがなものか、と思っても議論する時間もない。


清濁併せ呑む覚悟は、大集団であれ、小集団であれ、やっぱり必要です。
連絡ノート見てわかったふりしちゃだめ、支援する人も傾向ありだと連絡ノートは自己弁護のオンパレードよ。


お子さんをみっちり見ているはずの先生の言うこととお子さんの主張が違うとき、あなたはどうしますか?
お子さんがおうちで主張をしない子であれば、どうですか?


少人数で手厚くみてもらったら何かが有利になる、みたいな幻想は捨ててください。

少人数だと、相性の問題がさらに際立つこともあるんです 。
「ふつーの現代っ子」
以上にハードな
「先生が子供だったころレベル」
であることを求められることも多いです。


持って生まれちゃったら、うまい話はないんだよ。


続きます。続く内容は
・評判のいい支援級という罠
・一貫性への依存
・ありがちな支援で課題は先送り?
・過ぎたるは及ばざるがごとし!確かな正解は
・公立中学校の支援級からのキャリアの選択肢
・将来の選択肢はなんのために必要なんですか?
・受け取り方、調整力、柔軟性
noudeka.com

*1:有識者会議は2022年7月、(1)特異な才能のある児童生徒の理解のための周知・研修の促進(2)多様な学習の場の充実(3)特性を把握する際のサポート(4)学校外の機関にアクセスできるようにするための情報集約・提供(5)実証研究を通じた実践事例の蓄積――などを支援策の柱とする提言素案をまとめた、らしい確かに文科省の記録を読むとまぁまぁ真面目にギフテッドや2Eについて考えようとはしているよう

*2:「評判の良い支援級」って、高IQでクソ真面目で慎重とか極端に怖がりなど繊細すぎる子や正しさに依存する子にとっては諸刃の剣なのよ。通ってる間は楽しく過ごせるけど、エデンの園を絶対基準にしてしまい、その後の環境とのギャップに毎日ダメージ受けるからいいことないよ

*3:「小学校で中学受験勉強やらせろ」と担任に凄む保護者さんは、みなさんが思うより多い。車送迎マナー違反して警備員さんに逆ギレしてる保護者と数と同じか少し多いぐらいか(笑)

*4:衝動性等、危険な特性に対して後天的なブレーキ機構をインストールするために、危険な特性が原因となる大怪我や大病と大ショックを経験させたほうがいいことだってあるんです(高学歴理系男子におけるコンセントでのビリビリ歴がある子率高すぎ問題)


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