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もしかして発達グレー研究所~凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

なじめない、生きにくい。そんな子達の青い鳥ドコー?志村!後ろ後ろ!

【質問箱21-2】高IQ発達障害の健全育成〜環境調整と将来の選択肢【ギフテッド?2E?情緒級?浮きこぼれ?】

前回はこちら!noudeka.com

引き続き、現行の支援手法に一部懐疑的なBBAの与太話です。

既に支援を受けている方の支援を否定する意図はありません!

園や学校などでの支援の有無、優劣に関わらず、高IQやギフテッドや2E 発達障害などの傾向持つ子を育てる段階で一番肝心なのは【その子の受け取り方に関するバランス調整】です。これ、ご利用者さんは皆さんご理解下さってるけど、読者さんにどれぐらい伝わってるかな…。

で、近年、支援至上主義が増えすぎてるから、草の根で警鐘鳴らしますが、それはあなたのお子さんの受けてる支援を否定してるわけではありません。
補うべき思考や経験はあると思っています。

※支援アンチな方はバランス悪くなるから読むなら薄目でね!

評判のいい支援級という罠

ご質問者さんの検討なさっている情緒支援級はどんなところなのでしょう。

そもそもお子さんはどれぐらい理解して、どうとらえているのでしょう(子供の意見を鵜呑みにしろとは言ってないよ!)。


学級は小規模コミュニティ。意外に簡単に雰囲気変わります。インパクトと巻き込み力のある子供や先生によって、どんでん返しが起きます。

支援級ならなおさらです。
「上の子のときはいいなと思っていたのと全然違う」
ということもあります。先生のご異動はもちろん、何らかの内的外的理由で方針が変わることもあります。

事前に
「当該児童が入ると、この級はどうなるか」
の見立てができる方はそう多くないです。

せいぜいあとで小さく
「やっぱりね…」
とつぶやくらいで、入級前に、そのあとのことを予想するのはギャンブルです。

好きなことさせて応援する系の級だと、少なくとも短期的にはゴキゲンになる可能性はあります。

ですけど、支援級というのは難しいもので、依存傾向がある子の場合はあまり気に入りすぎてもいけないのです。次から、もっと大きく雑多なコミュニティに移ってやっていけるぐらい、依存度合いを下げていかなければなりませんから。


…ところで、情緒級に、何を期待していらっしゃるのでしょうか。

落ち着いている、いいところを見てほめてくれる…
「教育熱心な高学歴保護者が、行かせてもいいかな」
と思える級と仮定してお答えします。


落ち着いた環境なら、ガチャガチャした環境が無理な子は勉強捗りがち。これはご存知の通り(あ、刺激がないとダメな子はこの限りでないです。こういう子は大きな借金したほうがしゃきっと働けたりする説がある)。

また、少人数で、いいところを見てほめてくれる環境は、親御さんもお子さんも嬉しくなり、学校へ向かう足取りが軽くなることがあります。


問題は、そこで何をどういう形で学ぶか、です。


落ち着いていて、個別にカスタマイズされたやり方でわかりやすく指導してもらえて、良さを認めてもらえる環境は、高知能の発達障害傾向のある子が、答えが1つしかない問題を解く能力を伸ばすには、大変適しています。

しかし、重大な欠点があります。

誤学習や依存が、ものすごく捗ってしまい、その環境でなければ生きられないと思い込む可能性がかなりあるのです(誤学習や依存のすべてが悪というのではないんだけどね。二度と戻らない幸福な時間に恋い焦がれて生きることはけっこうキツイことなんだよ)。

学びやすい環境は、一歩間違えば偏った思考や偏ったふるまいの培養器となります。ありがちな集団授業や曖昧な指示にますます意味興味を感じられないといった展開と背中合わせなのです。

普通級にいれば偏らない、集団授業に入れときゃ慣れる、とは決して思わないですが、支援至上主義の親御さんには、いい環境の副作用もばかにならないよと申し上げねばなりますまい。


正しさにこだわったり、承認をほしがりすぎたり、ずっと自分の興味関心をそそってもらえないとなるやそっぽをむいたり、環境に左右されすぎたり…自分軸が強すぎる状態の子どもたちが、ありのままで温かく迎えられ、認められる立場でいられる。コストをかけて、手厚く扱われる立場として学ぶ。
…誰もが求める理想の教育のようですよね。
でも、おばちゃんは高知能で記憶と思考が強い子に関しては、
「あ、依存傾向持ってる子が好みの環境に溺れると危ないよ、気をつけてね」
と言わざるを得ません。



「子供は手厚く扱って、自信を持たせるべき」
という声もあります。

確かに、ほどよいフェイズにほどよい支援が受けられる幸運なケースも多々あります。また、普通級で不当な扱いを受けて自傷、あるいはまわりに暴力暴言ふるいまくってるとか、大切な存在(ペット含む)が亡くなったり病気になったりした、登校渋りが心配な状態などなどなどなどの中には、転級が奏功するケースももちろんあると思います。すぐにご相談ください。


しかし、普通級が悪い、普通級でなければうまくいく…みたいなのはそこそこ幻想。


何度も言うけど、取り出し状態で、何を学ばせるか。そこが大事。

ただでさえ高IQというマイノリティ。さらに情緒支援級という超マイノリティ。(ちなみに、その子の自己イメージはあとから操作できなくもないですが、支援者との相性に影響されるのでギャンブル)

小学校普通級または中学支援級に完全合流させる過程を複数パターン想定しましょう。


短期目線の支援によって落ち着く子は多いんです、短期的には。短期目線の支援=負荷が少ないから。


自己肯定感〜自分のことが好きでいられる〜自分の能力に自信がある状態〜ってみんな憧れすぎな。
幼児性万能感や優越感に支えられた自負は、長期間膨らませすぎないほうが無難かも…。


「自分は人より優れている」
というのを心の支えにできるのは、ずーーーっと同じ環境同じメンバーで誰も成長しない場合だけ。

幼児性万能感や優越感依存は高IQやギフテッド風味なら一度は持つものです。いつ、どんな人と、どう依存から抜けるかで長期予後が全然違います。



学びやすい環境は、思考の培養器。無菌環境でもあります。
元々おっとりしてると、性格が良くなりすぎて、良くも悪くも浮世離れした人になります。
暴力暴言、悪意や裏切りに対する免疫や耐性が全くないまま、小中を卒業。やがて性成熟を迎え、恋愛バトルロワイヤル、配偶者ガチャ子供ガチャに突入してしまう、なんてこともあります。



「学びやすい環境」
では、一歩間違えばアンバランス化に拍車がかかります。
性格が先鋭化しすぎて許せない範囲が広くなりすぎてしまったり、いわゆるお花畑育ちになったり。

こうなると、どこに身を置いても
アンバランスなままでいさせてくれた時代の心地よさをもう一度、と渇望する人生になります。


子供は、大人になる過程で、立場も、要求されることも、変わります。
子供は国の宝ですが、そのまま
「あなたは悪くない」
なんつってチヤホヤされて、あるいは距離を取られて、ぬくぬくスルー対象にされていたら?他責がひどくて態度の悪い無職中年になります。


一貫性への依存

対応に一貫性を求めがちな高IQの子が、一貫性のある扱いを学校でも受け続ける…これ本当に危険です。

人との関わりに一貫性を求めたら、不幸ばかりになるのは自明です。人には機嫌の波もあるし、バイオリズムもありる、つまり「人はゆらぎの存在」。

一貫性に依存してしまった子たちは、揺らがないものを希求します。学ぶことが好きなのかと、揺らがないもが好きなのは、はっきり分けて考えなくてはなりません。かなりの比率で
「勉強は好きではないけど、一つの決まった答えがある問題に依存しているのでテストが好き」
という状態は、お勉強できてもわりと危ういでしょう。


記憶力が悪ければ過去を忘れて
「ずっとひどい目にあってきた」
「社会が悪い」
と言い散らかしてバーチャルな友達が見つかるでしょうが、高知能でASDもあると人を責めても罪悪感によりスッキリできません。

ますます態度悪く他責傾向強くなり、苦しみのスパイラルに陥ります。


この現象は支援級のみによるものとは限りません。

「いい家庭」「いい学校」にも弊害があります。

「いい環境」とされるところで、優れたお宝として過ごしたら、それなりの後遺症を覚悟しなければなりません。



まわりに承認をされればされるほど、自分好みの承認が先鋭化し、かつ、大量に欲するようになっていき、それを得られなくなったとき盛大にバグります。

それを防ぐために親御さんがすべきことはその子によって異なりますが、大枠は
・自身の、他者を承認する力を高め
・感謝することにドハマリさせる

だとおばちゃんは思います。

支援級が落ち着いているとして、それができるでしょうか。


ありがちな支援で課題は先送りに?

ヘタな支援は、その場しのぎの悪手になりかねないとは常々思います。

それでも今をしのがないとどうにもならないとき、一時的に防空壕として利用する、これはありでしょうな。
ま、防空壕のつもりで入ったら袋叩きにあうこともあります。過度な期待は禁物です。

おばちゃんとこのもしかして発達グレー研究所のご利用者さんには、未診断未相談もいらっしゃるし、色んなところに相談して、療育や支援を受けていろいろ親御さんはがんばってきた、それでどうしてこうなった?!!!!!(泣)というご相談が集まる駆け込み寺。


たぶんご質問くださった親御さんも頭いいんだろうと思う。でもね、だからこそドツボにはまる。


はっきり言って、情報を集めれば事前に正解がわかる、という煩悩を捨てたほうがいいと思うよ。


多動があるならまだいいんだけど、思考思索を深めすぎてしまうタイプ、記憶に縛られるタイプ、正しさにこだわるタイプなら、情緒級の「ただしい、わかりやすい」
関わりでかえってこじらせる可能性もあると思います。

過ぎたるは及ばざるがごとし!確かな正解は

我が子のため、我が子の未来を考えるのは大切なこととされていますよね。
でもねぇ、過ぎたるは及ばざるが如し。

そして、頭のいい、中学受験させるお金もある保護者が我が子のことを考えすぎると、ついつい
「確かな正解」
を手に取りたくなります。物理的にも経済的にも手が届く感じがしてしまうんでね。

裕福であるからこそ、絶対の正解をを求めて代償を支払い続けてしまう。それでは柔軟性が失われていくの当然です。
考え抜いた選択の結果が想定外であったとき、受け入れられなくなります。そこから立ち直れますか?

公立中学校の支援級からのキャリアの選択肢

前回も書いた気がするけど、そもそも高IQは門前払いが基本。もし中学で支援級入れるぐらいの障害レベルなら、不登校傾向なり持病なりがあるということになる。

だとすれば、妊娠時に思い描いていたお子さんとは違ったんかもしれん。未来を真っ白なキャンバスに戻して、修正したキャリアプランを想定していくぐらいの覚悟をしても、バチは当たらないと思うわよ。


将来の選択肢はなんのために必要なんですか?

人として幸せに生きてほしいから、ですよね。そのために大切なのはなんでしょう。
子供時代がイージーモードなら幸せになれるでしょうか。キャリアの選択肢があれば幸せなのでしょうか。

わかんないっしょ。少なくとも思考力ある子には、一般論は通用しないよ。

自分軸をしっかり持つこと!わかりませんが言えて、SOSを出せること!合わない場所からは逃げていい!ありのままの自分を大切に!とよく言われますよね。発達支援でも重点ポイントみたいになってます。
が、この界隈ではたいてい自分軸ガッチリ持ち過ぎか持たなさすぎ、逃げすぎ逃げなさすぎ、SOS出しすぎ出さなさすぎという、極端な問題に直面するんです。

自分軸は保ちつつ適宜柔軟にするテクニック、つまり内心の自由は確保しつつ表面上当たり障りのないようにふるまうあざとさを身につけなきゃいけない。
過剰適応以外なら。

だけど、「支援級の丁寧な指導」によって、あまりにも高確率で逆にいくんだよ。

ADHDみが強いと
「考える前に行動せよ!」
ASDみが強いと
「自分は自分!合わせる必要ない」
「ルール大事!正しくないやつは悪」
みたいな、もともとの自分に馴染む言葉だけ導入しがち。

極端な方向に突っ走っちゃう。これ考慮して受け取らないと、極端になるよ。覚えておいてほしいなぁ。

柔軟性と調整力と受け取り方の養成ノウハウがある支援者は稀なので、どんなに公的なコストかけても無駄な時間になっちゃう。


受け取り方、調整力、柔軟性

多様な環境下において
・郷に入っては郷に従う
・調整力、柔軟性を発揮して受け取り方を健全化する
という経験をさせ、そのメリットを感じさせる必要があります。

発達障害傾向を持ち、高知能でもあるお子さんにとって、心の柔軟性ともいうべきレジリエンスを高め、しなやかに生きるためには、アメとムチ的な対応や、過酷な環境サバイバルが役立ちます。
なんなら地獄の底で一筋の光明を見つける、ビクトリアの滝で滝行して九死に一生を得るぐらいの舞台装置があれば最高。

しかし、ほめる支援のほうがその場がラクですしクレームも来ないので、支援業界にいる先生は、よっぽどドSでない限りは褒め上手になります。

褒められたい子は、かゆいところに手が届くようなジャストフィットの褒め方をしてくれる支援の先生のことを大好きになってしまいます。

先生にほめられたくて、正しさへのこだわりを強めます。

すると、どんな場所でもどんな状況でも、お気に入りの先生の規定した「ただしさの基準」に従おうとしてしまいます。

ところが、正しさというのは子供が思っているよりケースバイケース。

「ただしさの基準」と少しでも異なるルール運用がなされている場では、理不尽だと思う気持ちが強くなってしまうのです。
それだけではありません。
大好きな先生の規定する「ただしさ」から自分が逸脱してしまったと感じたときに、絶望します。盛大にね。そのショックは、先生を敬愛していた度合いに比例するようです。

大好きな支援の先生や親友と呼べる支援級仲間に出会うことを期待する親子さんが多いです。確かに、そういった方々からはたくさんのことを吸収します。

同時に、誤学習も捗りますし、いい先生いい友達の基準が高くなり、以降、いい先生だと思える同級生や先生を見つけにくくなることもあります。

「合わない、合わない」
と苦しみ続けるご家庭は、現在の学校環境をお嘆きになります。
これを、幼少期の環境に恵まれすぎた弊害であり
「合う」
の判定基準が厳しくなりすぎてしまったせいだと考える方は稀ですが、稀だから違うとは言い切れませんよね。だって、レア系人類なのですから。



小学校における心理的負荷は、あまりにもきつくて理不尽に見えますが、理不尽ではあっても、受け取り方調整をかければ、役立て方があるのです。

支援がどんなにナイスに見えても、お子さんの受け取り方と記憶と思考の荒ぶり方によっては、中長期的には弊害が強く出ます。

どうか、お子さん側の受け取り方の調整を、ご家庭でなさってください。


続きます。
noudeka.com


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