自閉症スペクトラム風味?広汎性発達障害風味?ADHD風味?の
見た目ちょっと怖いリアルくまさんが主人公の、冒険と友情と居場所と役割を得て
ハッピーエンドな物語
何かと心が疲れがちなとき
小学6年生までのこじれていないお子さんと
ソーシャルスキルトレーニングの教材に応用すると
いいかもしれません
(相性は各自でご判断ください)
パディントン2
2018年1月下旬公開され上映中の映画です
くまのパディントンがペルーからロンドンへ移住したのが前作。
今回は続編ですが、前作を見ていない所長も楽しめました
(こちらはクマを見たら人喰いと思え!が座右の銘なので、
ロンドンの街並みを楽しむことに没入)
女子向けかと思われましたが、鉄道要素もしっかりあって鉄分豊富!
男女のきょうだいでもオーケーです
作品本来意図した理念はおそらく移民に対する偏見をなくし
愛し愛されるコミュニティを作ろうというものです
ベースとなる
・偏見をなくそう
・何をやってもダメな奴でもいいところがあるよ
・「親切な人には世間は優しい」
・「人の、いいところを見る」
・「まわりの人を愛そう、そうすればハッピー」
・人を喜ばせると自己肯定感があがる(上がりすぎると厄介なことになる)
これらキーワードをちりばめつつ
「自分と違う人」と互いにうまくやっていこうというものです。
一見子供向けで
何も考えずに見ているとドタバタなスリルと友情のファンタジーにすぎないのですが
実は、社会派映画なのです。
浮きこぼれたりおちこぼれたりしがちなもしかして…な子がしばしば
「宇宙人」「宇宙からの留学生」と表現されますよね
パディントンは近いものがあるなあと思うのでした
!!!!以下ネタバレ(結末)あり!!!!
もしかしてパディントン、ADHD ASD 併発…広汎性発達障害?
愛されず、人間嫌いに育ったら獰猛な熊になったかもしれないみなしごの仔熊は
ペルーに住む療育上手の熊夫妻に拾われてすくすく育ちます
成長して憧れの地ロンドンを訪れ、居候生活しています
仕事は失敗ばかりですが
明るく親切な愛されキャラなので居場所の心配はありません
パディントンは
自分を育ててくれたおばさんの特別な誕生日のために最高のプレゼントをしたいと
ドジをかましながらこつこつ努力します
途中、
目当てのプレゼントが盗まれたせいで
カウボーイ的なアクションあり、刑務所生活、高所スタント、脱獄、
鉄道を利用したシリアスなアクションあり
ハラハラさせられます
(友達のためなら脱獄していいんだ!刑務所楽しそう!毎日ジャムパンがいい!
クマと暮らせないのやだ!自分にはこんなにいい友達はいないから自分は馬鹿なクマ以下だ…などと思いこまないように、鑑賞後、お子さんの認知の癖に応じて適宜解説を入れる必要があります。
映像のチカラはとても強いので、テレビ、アニメ、ドラマ、のみならず、伝記や歴史的名作さえも、変わった子にとっては、すべて誤学習の宝庫となり得ます。
どのようなメディアについても、一人で見せると誤学習のリスクがあることを認識し、警戒すべきです。
極端な話とお思いでしょうが、あるタイプの子は、ひとりで映像や小説に触れさせてはいけないとひそかに思っています。読書感想文が稚拙すぎること、おとなっぽすぎる子です。)
ロンドンで、ダメなりに善行を積んで得た素晴らしい家族や友達の力添えもあり
最後はおばさんに
まさに最高のプレゼントを贈ることに成功するという
ハッピーエンドのお話です
映画内でのパディントンの評価は
「いいやつだけど変、変だけどいいやつ」「排除すべきもの」です
なんだか身に覚えが…(笑)
アスペっぷりADHDっぷりに迷惑する人々もいるのですが
嗅覚と味覚の凸を生かして作ったおいしいマーマレードや
「善い行い」と
上に立とうとしない人柄(熊柄)を通して
たくさんの人を幸せな気持ちにして
たくさんの味方を得ます
偏見で、罵倒してくる人もいるけれど
パディントンの自己肯定感は
家族の愛情を感じていられる間は
盤石なのです
しかし
家族の愛情を見失うと、パニック
理性もなくなるのです
もちろん
ハッピーエンドですが
激しいアクション、
精神的にも結構揺さぶってきます
もしかして…な子を案じる者のひとりとして
他人事と思えず
パディントン、とっても感動しました
(感情移入というよりは、自閉的な特性の一つである同一視に近いのですが)
人気の出る子供向け映画はほぼ必ずアップダウンがありまして
この作品もご多分に漏れず
肝を冷やすようなアクション多数…ですし
ファンタジーにありがちな、「よいこはまねをしないでね」な
誤学習ポイントも気を付けなければなりませんが
一緒にご覧になるならばこのメッセージを翻訳してあげられると思います
(見た感想は「くま怖い」ロンドン行きたい」
「電車かわいそう」「SLの機関士になる」など多様でよいでしょうが、
「刑務所入りたい」では困りますのでね…)
近年、発達障害に必要不可欠な関わり方法として
凸を伸ばすことが強調されています
それは確かにそうなのです
凸を見ながら足元のぐらぐらを踏み固めていくかんじと言いますか
凸を伸ばすことに夢中になりすぎると
凹を整える時間が足りなくなります
コミュニケーションの凹、100ゼロ思考から
人間を嫌い、嫌われる、のマイナススパイラルに
陥らせないために
親子で、特性の操縦方法について学ぶ時間を確保してほしいと思います
凸伸ばし、凹ならし、バランスをとる方法を教えられるのは
接する親御さんです
あまりにも人生に大きく影響しますので
他人に責任をとることはできません
親御さんのせきにんがかるくなるほどの責任専門家集団に預けるととんでもなく高くつきます
ルーシーおばさんがパディントンを育てたように
愛情豊かな愛されキャラに育てれば
変わった子も
居場所と役割を得てほっこり幸せに生きることができる!
そう感じとることのできる映画です
ランキング登録してみました
うれしいことに今日はお二人がぽっちっとしてくださったようです
(もしかしたら自分で押した分かも…さみしい)
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