お子さんは、聞き取りメモを作り上げる共同作業によって、いつも四方八方からぎゅうぎゅう押し付けられているかのような精神状態から解放されます。
負荷が下がると、脳のさまざまな回路が復旧します。
客観視や理性による自己コントロールをしやすくなったり、「自分の言動も、周囲に影響を与える」ということを認識しやすくなったりします。
社会性訓練としてのめあては、
・教える立場の経験
・わかってもらうための話し方を工夫する
・自分の思いを、伝わりやすい言葉にしてもらい、それを文として読む経験
です。
自己を客観視することが難しい自閉傾向のお子さんでも、こういった関わりをきっかけとして、人にも気持ちがある、それぞれ違う気持ちを持っている、ということに気付いていくことができ、モヤモヤが晴れるのだそうです(ご本人談)。
また、親子で余裕がありましたら、親御さんは、敢えて悪い態度の例をやってみせたりしてみてください。
先生の立場から見た、良い教わり方や悪い教わり方とはどんなものか、お子さんに体感させる機会となります。
「態度が悪い!」といつも言われて、その度にたいど、タイド、胎動…???となってしまうようなお子さんは、教わる態度がなっていないあなたを見て、
「教える気がなくなる」か、「別に普通」と思うかでしょう。
教える気がなくなったんじゃない?と声かけしたときに「なんでわかったの?!」という返事があれば、「やっぱり!これ、教える気を無くさせて、どうでもいいやと思わせることがある、いわゆる悪い態度なんだよ。うっかり私もやってしまうことがあるけど、気をつけてやめた方が良さそうね。」などと種明かしをするとよいでしょう。
別に普通、と思うお子さんの感覚はかなり自閉寄りである可能性がありますので、特にしっかり社会性をプログラムを積み込んでいきましょう。
続きます。