諦めが承認欲求をなだめる
いい意味で諦め上手の脳であれば、こじれにくいと言えそうです。
の続きです
比較承認に対する欲求を手離すプログラム
挫折や達成感を経験しつつ、ある程度の精神年齢になると、無意識に、比較による承認欲求を手放そうというプログラムを発動させます。
「自分なりの達成感を意識する」
「達成できなくても、がんばった自分にごほうびをあげる」
という行動を始めます。
承認欲求をこじらせないように、自分で自分をほめ、なだめるのです。
このシステムは、自己否定の感情を排泄するためにとても大切です。
自分へごほうびをあげる行為は、インスタ映えのためだけではないのです。
こだわりが承認欲求をこじれさせる
承認欲求をなだめるプログラムが発動しにくい脳のタイプがあります。
諦めが悪かったり、こだわりが強かったりする脳です。
その持ち主は、大抵人生のどこかの段階で大きな壁にぶち当たります。
メジャーリーガー級の凸特性の持ち主であっても
他者、あるいは自分の全盛期と、衰えた自分を比較をする限りは、
メジャーリーガー級の凸特性を持つ者であっても、心の平安はありません。
能力下降期や引退に向けて、若い頃から、そのときそのときの自分を愛する、ありのままを尊重する、というメンタルトレーニングを行う人もいます。
ですが、最大能力を引き上げるにあたっては、足を引っ張る考え方でもあるので、なかなか踏み切れないものでもあるようです。
比較による承認を完全に手放すことができない限り、
凸特性によって人生全体を支えきることは、意外にも困難です。
現在の療育現場では凸伸ばしの大切さが強調されて語られていますが、当方は、必ずしも凸伸ばしが幸せをもたらすとは限らないと考え、慎重に行っています。
発達でこぼこの人生は、凹だけに支配されてはいけませんし、凸だけでも語れません。
凸特性と、典型が多数派である社会への適応性(いわゆる社会性、コミュニケーション能力)凹のバランス調整によってこそ、穏やかになることを鑑みる必要があると考えています。