母親の学歴と子どもの学力に相関がある、と統計的に裏付けたとする研究が話題になっています。
私は個を見る立場の者ですので、このような、自己申告や本人証言等により過去を追う形の研究(主に人文系)は他を知るための参考にはしますが、個に落とし込んで論じようとは思いません。
親の学歴にも子の学力にもそれぞれに複雑すぎるほど複雑な背景があり、何万人もまとめて一概に論じることにあまり意味を感じないのです。
まして、
このブログをご覧の親御さんとお子さんの場合は、そもそも「統計で示せない親子」あるいは「多数派向けの世の中で異端な者」。
「統計的裏付け」に一喜一憂するべきとは到底思えません。
統計的に相関関係が見られることと、あなたの家の問題とは別です。
各自、親と子の特性に目を向けること、発達障害サイドの考え方と社会通念の間の相互アクセス方法を知ること、子どもから子どもの考え方を教えてもらうこと。
親にとっては、このほうが、施政者の視線で語られる子育てを知ることよりもずっと大切だと思いませんか。
「母親が高学歴だから心配ない」「母親が低学歴だから心配」、個を見守る者から言わせればナンセンスです。
そういうプロトタイプで論じることができないから、私たちがいるのです。
マクロな視点を持たねばならない立場の者、何百人ものマスに関わる立場の者は、統計的裏付けを活用する必要がありますが、
我々はマンボウではないので、我が子は何万人もいません。
公費に頼らず、ひとりひとりを一人の人間として育てようとする親が、統計に目眩ましされていてはいけません。
そういう研究がされたのねー、ぐらいで止めておきましょう。