発達障害の性格が歪む理由は
ASDアスペルガーは人の気持ちがわからない、性格が悪い等とよく言われますよね。
確かに、ガイダンスもなく、郷に入っては郷に従えの意味もわからず異文化圏に放り込まれているようなもの。
全面承認受けて当たり前と信じたまま、異文化圏である典型発達社会に蹴り込まれたら、どうなるかおわかりですね。
他者から異質とされ、嫌われ、排除され、性格が悪いととらえられます。
当然の帰結です。
これ、育成側の認識ミスも関係あるのです。
あっ、あっ、親のせい、と責めるつもりは全くないですよ、
偏りが偏りを呼ぶということを意識せず、
バランス調整なし、
バランシングの概念なしでただ巨大化させたら、なんだって歪みます。
右手ばかり使っていたら左が不器用になる、それぐらいのことです。
幸い、人生長いので、まだまだ進路変更も両刀遣いへ転向も可能です。
無理な負荷をかけたり、負荷をかけなさすぎたり。ほめ方叱り方がずれていて歪みを招いていたり。
「スタンダード」な手法をアレンジせずに使用し、
育ててしまったり。
本人の生まれつきだけでなく、様々な事情が絡み合って、性格の難しさを強めていきます
その事態は、親御さんにとっても、お子さんにとっても、
「ひどい、苦しい、辛い」としか思えないものです
(私もそうでした)
もし
僻み根性、被害意識で固まってしまうことを避けたいのならば
苦しく辛い期間は、バランシング機能の必要性を知るイベントとして扱いましょう
バランシングの必要性を痛感することは、とても大切な経験ですから是非していただきたいと思います
ただし、
他者の無理解や環境を憎み嘆く時間と労力は、恐らく明確に無駄です
無理解を嘆く労力と時間や犯人探しの思考力を
バランシング機能のインストールに注げば
あっという間に…、というほどではないですが
ほぼ確実に事態は好転していきます。
遊び人は賢者に転職できます
私見ですが、多様発達・発達グレーのお子さんは、とてもひねくれやすい一方で、仙人のような人格者にも育つ余地があります。
人格者となるのに必要な、素質と環境に、いわゆる定型児よりもずっとずっと恵まれているからです。
素質と環境を活かせば、誰からも嫌われず、たくさんの人から愛される、謙虚な人格者になります。
・厄介者扱いをされ、自己否定をする経験
・人格上の挫折経験(自己否定)から、立ち直る経験を思春期前までに完了
このプランを経させやすい発達傾向のある子は、人格者へのジョブチェンジができます。
エジソンになれるポテンシャルの有無は幼児期にはわかる、がほぼゼロパーセント
発達障害というと、エジソンを引き合いに出すのがお約束のようになっています…
エジソンレベルに振り切れた人を目指していいのは世界の人口からして、世界中の各学年数人から数十人だとする当研究所では、超大物を目指すコースは基本的におすすめしていません。
大それた偉人のほとんどは、嫌われ者要素が満載だからです。
超大物を目指してしまうということは、ほぼ確実に達成できないドリームのために、バーターとして、たくさんの犠牲を払うことになります。
特に、人との関わりの点で。
人間からの承認を糧とする限り、この損失は、軽視できません。
嫌われない、愛される人格者を目指した方が、大科学者や発明家を目指すより、幸福期待値が断然高いです。
※会った瞬間稲妻打ち出してくるようなすんごい逸材は除きます
異なる価値観を真に尊重し得る者
この、見習うべき人格者とは、どのような人でしょうか。
飽くまでも私のイメージですよ。
価値観のかけ離れた存在に対しても、最大の敬意をもって尊重するのが見習うべき人格者だと考えています。
我々の研究所では、価値観のかけ離れた存在に対しても最大の敬意を払える人格者をたくさん観察しております。
ほとんどは、発達障害(多様発達)寄り、あるいはそのものズバリの傾向を持っている、ということに気付きました。
また、私が関わらせて頂いてきたお子さんたちも、宇宙人と揶揄される状態から、穏やかな笑顔でまわりを幸せにするピュアでしなやかな性質を身に付けてくれました。
「元、宇宙人」たちは、人格者になる可能性を秘めている!!
まだ仮定の段階で勘に過ぎませんが、ほぼ間違いないだろうと思っています。
毎日が異文化交流
発達障害者・多様発達者寄りの者は、大多数を占める典型発達が醸成する仮想の共通価値感からだいぶ離れた価値観を持っていることが多いです。
だからこそ、悩み、考え抜き、傷付きます。
経験を元に「ではどうしたら平和に暮らせるのか」を模索し続ける機会に恵まれているわけです。
ここで、うっかり放置しておくと多くは迷子になります。
しかし、
「価値観はオセロではない。価値観は理論上いくらでも併存可能だ」ということをインストールすれば、多様な価値観のせめぎ合いを、一歩引いた場所から俯瞰しながら暮らせるようになります。
そして「他者の価値観は、理解できないこともある。だからこそ尊重しよう」という境地に思い至ることができるようなのです。
定型は異文化交流しなくても生きられてしまう
典型発達として生まれ、典型発達に囲まれて育った者にも人格者はいます。
だいたい、異なる価値観を持つ存在を身近な教材となさった方ではないでしょうか。
典型圏内であれば、他者の価値感をわかったつもりでさえいれば、モヤモヤムカムカしながらも自分は絶対正しい、あいつの意見は聞く価値無し、と思い込むことで、やっていけてしまいます。
価値観の多様性多層性不可侵性に気付きにくい環境に生きる典型発達者(感情至上主義)にとって、「理解できないからこそ尊重する」というのは、滅多なことでは到達し得ない領域です。
誤学習を防ぎながら自らの徳を高め、社会適応を実現した賢者は、総数が少なく、また、特殊な職業等限られた社会的ゾーンに偏在している傾向があります。
誰もがいつでも巡り会えるとは限りません。
残念ながら、多様な価値観を認めない人と、認めはするが関わり方に慣れていない人が、今のところ社会の多数派のようです。
親御さんが職場などでもし元発達グレー児の人格者を見つけたら、是非お子さんを連れて会いに行って、接点を持ってみてください。
その人は、発達グレーの幸せを喜び、発達グレーの悲しみを悲しめる人です。
お子さんが精神的にこじらせる前であればきっといいお手本になってくれますし、なんらかの癒しや導きをもたらしてくれるでしょう。
※こじらせたあとであれば、高学歴やスポーツ選手などお子さんの価値観の中で優れすぎている方に会うことで、劣等感を強めさせてしまうことがあります。
参考リンク
noudeka.com
一般的なアドラー心理学を実用的にアレンジ。
不安定な人に対しては嫌われる勇気を持ち、寛容でバランス感覚のある人と引き寄せあっていくための手法を考えます。