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もしかして発達グレー研究所~凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

なじめない、生きにくい。そんな子達の青い鳥ドコー?志村!後ろ後ろ!

アンパンマンを怖がる、という相談

アンパンマンファンでなければ幼児にあらず

という言葉がまことしやかにささやかれる昨今。


私にお付き合いくださったお子さんのなかには、アンパンマンを好きでない幼児さんがけっこういらっしゃいます。

好きではない、嫌い、と言うマイルドな感じではなく、「アンパンマンを恐れている状態」で出会うこともよくあります。


アンパンマンに限らず、ルパンレンジャー、パトレンジャー、ポケモン、仮面ライダー、ウルトラマン、プリキュア等々大人気のヒーローを、

恐怖の対象

としか見ていないケース。

これ、大人は「好みっていろいろよね♥」とか「子供だましに引っ掛からなくて知的♥」と喜んでしまうことが多いです。

確かに、単なる好みの問題であることも多いと思います。


が、私は、「好みの問題」として済ませてしまう前に、「怖がる理由」に近付きたくなります。

怖がる理由がわからないと、「慣れさせる」「放っておく」「排除する」という荒療治になりがちです。

荒療治でOKな子は荒療治でいいのですが、合わない子は、不安の和らげ方を知らないまま大きくなり、追い詰められてしまうことがあるからです。


☆当事者は語るアンパンマンの恐ろしさ

ずっと、なぜなんだろうと思ってきました。

幼児期はしゃべらなかった、今、言語表現にこだわる子と会う機会があったので、相談してみました。


あなたは、ももいろ組さんのとき、アンパンマンに特別な感情を抱いていたようだったけれど、おばちゃんには、理由がわからなかった。
もしその時の気持ちを覚えているなら教えてほしい。

と。


すると、

あー!覚えてますよ!
アンパンマンは怖かったし、腹が立ちました。

でも、きいろぐみのときには怖がらなくなったと思いますよ?

とのこと。

怖くなくなった理由、想像できる?と聞きますと


たぶんですけど、おばちゃんといるとき、親がアンパンマンの絵本読んでくれてて。
私が「かわいそう」って言ったかどうかは思えてないんですけど、気持ちを拾ってくれて。

おばちゃんが「そっか、ばいきんまんかわいそう、って気持ちがあるのかー。」って。
感心?してくれたんです。
ばいきんまんがアンパンマンに殴られたからかな?それとも他の理由かな?理由っぽいこと思い付くかな?」みたいなこと聞かれたんですよ、

「一緒に遊びたいだけ」みたいなこと、そんなにうまくは言えなかったと思うんですけど、呟いたら、親は、えっ?て顔して。
おばちゃんは大喜び?で、

あー!ばいきんまんがいたずらするのは、一緒に遊びたいからって考えね!
ばいきんまんの気持ちを考えたのね!
私はあなたの考え方大好き!多様な価値観を見渡す素質があるよ!素敵な感受性だと思うわー!私は!みたいなこと言って言って言いまくって抱き締めてくれたの覚えています。

と話してくれました。


☆有無を言わさずぶん殴るのが正義なんですよ

その言葉を受けて、私も、はっとしました。


怖がっているお子さんたち本人は、まだ、語彙も表現力も少なく、自分の感情を分析できないため、モヤモヤしてるだけに見えます。

でも、きっとそれぞれ理由があるはずだと。

そこで、現役怖がり中の幼児さんに、さらっと聞いてみました。

アンパンマンの、暴力でも正義ならやっていい、っていうのが怖いのかなー

と。
すると、目を見開き、今まで一度も私の目を見て話すことのなかった子が、私の目を見つめ、すごい勢いで頷くのでした。

イエスノークエスチョンや、選択肢を提示することで、思考を教えてもらっていきますと、以下のようなことが浮かんできました。


誰からも良い評価をもらえないばいきんまん。
ばいきんまんの退屈さ。
寂しさ。
ろくでもないドキンちゃんしか友達いなくて、ドキンちゃんを失いたくないから理性を失っていること。

大抵の悪さは、友達を失う不安と混乱とこじれた承認欲求が原因なんですよね。

トラブルでもいいから人と関わりたい、っていう歪みこじれた承認欲求…。

ばいきんまんのいたずらや問題行動は、悲痛な叫びなのです。
すごい科学者であり、素晴らしい技術でロボット開発を毎週のようにしてるんです。
でも、「悪」と決めつけられて、排除され、罰せられてばかり。


それに、アンパンマンは、園の先生がやらかしっ子に言うことと、同じ事を言うんです。
「何をするんだ!」
「やめろ!」
「みんなが困っているじゃないか!」
って。
だから、やらかしっ子は特に自分をばいきんまんに投影しやすい、というのがあるかもしれません。


やらかしっ子や、多数派と違う感じ方をする子にしてみれば、自分と属性の近い存在が徹底的に排除されているんですよ…

そのアニメに、周囲が熱狂してるわけですから、メンタルそがれますよ。


そして、実生活では、自分がばいきんまんの気分になるでしょうね。
自分は排除されるべき存在なんだ、って卑屈になったり、
あんなもの正義の味方でもなんでもないのに有り難がって愚かな奴らだ、憎い、となったりしても、不思議はありません。


お分かりでしょうか。
ある価値観からすれば、
アンパンマンは、異質排除の象徴なのです。


☆怖さを分析してみるという試み

怖がる子には「幽霊の正体見たり、枯れ尾花」の作戦が効きます。
正義、ってなんだろう、仲良くってなんだろう、
膝に乗りたがる子は乗せ、アンパンマン、見てみてください。

膝に乗せるたり腕を組んだりしていると、もやっとしたときの体のこわばりがよくわかります。


うわー、殴る殴る。モヤモヤっ!
ばいきんまんのいたずらの理由を分析することもなく。
疎外しまくる。モヤモヤっ!


一緒に遊ぼうとか、そういう関わりは一切なし。
ばいきんまんは完全超悪。
アンパンマンは勧善懲悪。

アンパンマン側が大多数派であって、ばいきんまん自身やばいきんまんサイドの弁解とか、ないのよね…

ばいきんまんは孤独なのです。
ドキンちゃんやかびるんるんはいるけれど、尊重はしてくれませんからね…


続きます。
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