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の続きです。
発達障害傾向のある子は、幼児期か、ことによるとそれ以前から、
「自分を支えるモノ(命や価値観)が崩壊する恐怖(不快感)」
と孤独な戦いをしていることがあるので、気を付けてみてほしいというお話です。
- 語りつくせぬ思いを解凍してあげよう
- ☆子どもの感受性から学ぶ
- ☆正義と暴力がセットな子ども向け番組
- アンパンマンは怖いです、正義と暴力で畳みかけてくるもん
- ☆感性はSOSを出している
- ☆では、受け止めればいいのか
- ☆何が不快なのか?
- ☆誤解から深まる疎外感
語りつくせぬ思いを解凍してあげよう
怖さ、嫌、キライ、不快を、言い分けず、なにかひとつで表現する子がいますよね。
さらに、多くの基本単語同様、「怖い」には、いろいろな構成要素があります。
怖いに代表される不快感にも多様性があり、その分析方法にも、多様性があります。
お子さんの怖い、嫌い、嫌…不快感は、「人」「物」「場所」「言葉」等の実物・事象が原因だと、とらえる方が多いと思います。
その捉え方も、意味があります。
しかし、その捉え方だけですと、恐怖対象を取り除くこと、恐怖対象から逃げることぐらいしか、教えることができません。
☆子どもの感受性から学ぶ
私の膝で、アンパンマンを見た、アスペルガーの幼児の言葉を紹介したいと思います。
「せいぎのみかた…ばいきんまんぶつ…いじわるかな?」
これです。
めったに喋らない2歳半。
深い…深いです。
ちょっとやそっとの理論で、このタイプの子に対応しちゃいけないなと思わされますね。
少なくとも、それぞれの立場を想定する必要性を強調しなければ、知的虐待となりかねません。
☆正義と暴力がセットな子ども向け番組
アンパンマンだけではありません。
ショッカーその他から地球を守る仮面ライダー、侵略を目論む宇宙人から地球を守るウルトラマン、
正義の味方という存在があるとすれば、圧倒的な武力・戦闘力を持たねばなり得ない、
この悲しい現実を示唆した作品群です。
アンパンマンは怖いです、正義と暴力で畳みかけてくるもん
前回「アンパンマンを怖がるという相談」でご紹介させていただいた発言の主は小学生、寡黙だった3歳児時代の思い出話です。
(当時、親御さんは、発語の少なさと極度の引っ込み思案を心配していました)
親御さんに伝えたくて使っていた「感受性」「価値観」などという熟語を、文脈と共に認識して感心しました。
ほかにも、
あと、おばちゃんと、○くんと3人がいて、トミカで遊んでいるとき、おばちゃんが「正義もたくさんあるんだよねーだから信号に従ったり、目視確認したりしないとぶつかるみたい」
と呟いていたのも、あっ、そっか、そういうことか、と思ってほっとしましたよ。
とも語ってくれました。
その時のリアルタイムを記憶していたのか、フィードバックを受けた親御さんが繰り返して伝えてくださったのかはわかりません。
もしかして発達グレーのお子さんのなかには、赤ちゃんのときに記憶した音(周波)や画像を、何年かしてから言語情報として認識し直すことができるお子さんが、相当数いらっしゃるので、そういったケースかもしれませんね。
☆感性はSOSを出している
いずれにしても、
もしあなたの身近にアンパンマンや正義のヒーローに対して、嫌悪感を見せるお子さんがいらしたら、ちょっと、気に止めてあげてほしいと思います。
アンパンマンを怖がることに限った話ではないです。
様々なことに対して否定的なお子さんは、わがままと評価されがちです。
しかし、ただの気まぐれなわがままではなく、強すぎる信念をもっていたり、恐怖におののいていたりする可能性を、ちらっと考えてみてあげてください。
自分の正義や価値観と違う正義や価値観に直面するたびに、混乱して、その強いモヤモヤ感情を「すごく嫌」「怖い」「不快」と認識して、言動で表現している可能性はありませんか。
そんなお子さんは、不快だ!という感情を全面的に押し出すのではなく、効果的に戦略的に表現する手法を、長期間かけて身に付けていく必要があります。
「ワガママ言わないの」等と断定されてしまうと、朗らかさが失われて、倹のある顔つきになったり、言語表現を諦めたりしていきます。
☆では、受け止めればいいのか
不快だ!という感情を「そうよね、わかるわかる、不快よね、嫌よね、ひどいのは相手よね、あなたは悪くない、決して悪くない」に終始する形で受け入れられすぎてしまうと、年がら年中傷付いた!傷付いた!と他者を呪う繊細ヤクザになってしまいます。
介入には、バランスと戦略が不可欠です。
☆何が不快なのか?
いろいろあり、直接お会いしないとなかなか分析できませんが、
正義やかわいいなどという価値が、あたかも自分以外の集団全員で完全統一・共有されているかのように感じ、疎外感に打ちのめされている可能性は!そこそこ高いと思われます。
否定されることで、しなやかなたくましさが身に付く子もいます、そういう子はお好きに育ててくださいね!
疎外感に打ちのめされることから学べる子ならば、心置きなくほうっておけばいいのです、親がどんなに毒でも、どんなに素晴らしくても、たぶんお子さんの仕上がりはあまり変わりませんよ。
しかし、なにかと不器用で割り切る力の弱い子には、介入したほうがいいと私は思っています。
☆誤解から深まる疎外感
「他の人たちがモヤっとしてないのが意味不明」「自分以外の全員がグルのよう」などという疎外感は、「正しい価値観、正しい価値基準はひとつなはずなのに」という、大きな大きな誤解からくるものだという考え方をインストールしてあげるのです。
絶対的な価値、つまり、どの立場から見ても正義だと断言できる正義や、どんな人から見てもカワイイと断言できるかわいさというものは、存在しないと思わせた方がいいです。
そう思わせておかないと、意見の違いは意見の否定、意見の否定は価値観と人格の否定として認識してしまい、人と関われば関わるほど歪みが強くなります。
こうなると、人生はものすごくキツくなります。
これから歩こうと言う道に、わざわざ毒蛇やサソリをばらまく人はいませんよね?
人生の難しさは、発達障害に限ったことではありません。
他者の価値観は自分の価値観と違うはずです。
他者の価値観に触れることは異文化交流です。
ちょっとした旅行や冒険みたいなもので、楽しむ余地があります。
価値観ごとの利害が相反するときは試行錯誤して折り合いをつける必要があるけれど、相手を折れさせるために相手や相手の価値観を否定するのは非効率的です。
このようにとらえない限り、人生は不満だらけになるでしょう。
特に発達傾向が少数派である人々にとっては、このような、一般に言う「柔軟な考え方」を取り入れたかどうかで、生きやすさが激変するといっても過言ではないでしょう。
(発達寄りや、低年齢の外国語話者等ですと、柔軟とは、固いものに屈するというイメージを持ちやすいので、複数の考え方をそれぞれ多層的なスペクトラム、レイヤード、グラデーションのまま保管できる、と表現した方が分かりやすいかもしれません)
価値を共有し承認し合える存在だけで周りを固められるスーパーエリート層や、承認を求める本能から完全に解き放たれた仙人のような存在ならば、柔軟でなくてもOKかもしれませんが…。
集団がふんわりと共有したことにしている、正義やかわいい等の価値観を、まるでまわりから無理矢理押し付けられるかのように感じてしまう子がいたら、
絶対的な価値観へのこだわりを和らげてあげていいと思います。
そうして、病むリスクを減らしてあげてほしいと思います。
ふんわり続きます
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