心のモヤモヤを晴らすコツ
もしかして、…な人たちの心のモヤモヤは、そうでない人のモヤモヤよりも、払拭にコツが必要です。その代わり、ピンポイントで的確におさえれば、ピコーン!と反応してくれます。
日頃モヤモヤしているからこその、ストレートな反応が期待できます。
後天的に植え付けられる「謎の価値観:社会通念」「ありがちなスローガン」に、わかりやすい注釈をつけて汎化を促すことは、おばちゃんはとてもお得な関わりだと思っています。
*1
社会通念に疑問を抱く子は、集団生活において、常にモヤモヤして、実力を発揮できなくなりがちです。
納得できないことに目をつぶることができなかったり、
人を蹴落とすなどのダークな方法で一時的にストレスを発散するなどのサバイバルスキルに疎かったりするだけでなく、
その反動で自暴自棄になることさえあります。
モヤモヤに理屈が提供されることにより、モヤモヤは緩和されます。
そして、ブロックされていた脳の余力が解放され、ボトルネック(律速)のせいで動かなくなっていた歯車が動き出すということにつながるのです。
社会通念と穴の例
社会通念:「人を傷付けてはいけない」
【穴】精神防衛力向上のための自助努力を否定してしまっている
↑
傷ついたぁ!って自己申告を全面的に認めろということ…?
社会通念:「人が嫌だと思うことは、決してしてはならない」
【穴】少数派の感覚の否定してしまっている
↑
社会通念の押し付けが嫌等、自分の感覚は無視されているけど…?
or相手が嫌だと思わなければ何をしてもいい…?
社会通念:「ほめて育てよう」
【穴】承認欲求が肥大し暴走するリスクをマネジメントできていない
↑
成長に伴い、誰も誉めてくれなくなって絶望…
※ほめは、叱責同様に侵襲的な関わりです。
小さい子にとって親は神に近く、ほめてくれるなら何でも喜ぶわけですが、心の深化に従って、ほめの精度や質にこだわりが出てきます。ほめてほしくないところまでほめられたり、尊敬でき人からほめられたりして、ごくごく一部の珠玉のほめか、莫大な数のいいね以外、不快な作為と感じるようになります。これでは人間不信、人生絶望、一直線です。
また、良かれと思ってやったことを否定されたときに必要な力は、ほめ育児では伸びません。
ほめられない事はしなくなってしまう、ほめてくれない人から学べなくなるなど、ほめ依存は体罰依存と同じぐらい悪性度が高い穴です。
社会通念:「正義」
【穴】正義の反対は悪。悪は駆逐されるべき。という百ゼロ思考を全肯定してしまっている
↑
正義感が強くなりすぎたり、反対に、自分を悪だとして自己否定に走ったりしてしまう
※これも悪性度が高いので必ずパッチすべきです。私の正義とあなたの正義は一致しないはず、だからこそ共有、共感できたら嬉しいのだという感覚を、社会通念と併存させましょう。
社会通念:「頑張ることが大切」
【穴】頑張らないことを全否定してしまう
↑
命よりも頑張ることを優先してしまう
or頑張れない自分を自己否定……
思考力や記憶力は自家中毒のような作用があり、強いと、社会通念によって心身が破壊されることがあります。
命の恐怖をもたらすような強烈な支配者によって社会通念がもたらされるならば、生存本能により穴を補正します。
ところが、子供の権利を重視して育てられた、知能の高い子は、一見すると子供の為を考えている大人たちの言う社会通念に一生懸命従おうとします。
そして、そこに隠された、暗くて深い落とし穴にはまるのです。
どうか、この穴の存在を指摘し、
親子で意見を出し合って、共有してみてください。
正義感から同級生を注意して、みんなから返り討ちに合い悲しむお子さんを
ひどいね、間違ってるのはあっちだよね、と迎合してみせるぐらいならまぁ許容範囲ですが、できれば機嫌がいいときに
「そういえばさ、正義の反対は、悪じゃなくて、別の正義なのかもしれないって話聞いたことある?」
「あなたにとっての正義ってなんだろう。美徳?ルール?数?力?論理性?(たぶん多少は揺らいでいる)」
「立場が違えば正義は変わる、絶対的な正義ってのはないとする説が無難」
などという話をしていただきたいのです。
すると、もしかして発達障害寄り、のお子さんの心のモヤモヤが薄らいでいきます。
百ゼロ思考白黒思考が緩和されると、裏切られても深刻に傷つくことにならなくて済みます。
程よい信頼関係を築く足掛かりともなります。
メリットが大きいお得な関わりです。
蛇足ですが、
社会通念の穴を補ってみることは、
難関中学受験の国語論説文や、読書感想文、
推薦入試の小論文などでもものすごく役に立ちます。
1円もかからずお得なので、
是非やってみてほしいなと思います。
読んで下さりありがとうございました!
もしかして発達グレー研究所でした!
*1:様々な事情ひとつひとつ全てに対してピコーン!を狙って関わるべきかというとNo.終わりがないです。「解釈つけてもらうの待ち」「理由がないと動けないまま」になりかねません。全ての事情を教えて腹落ちさせるのは非現実的。「ひょっとして、自分には知り得ない事情があるのかな」「わからないけど何らかの事情があるんだろう」ぐらいの認識で保留なり忘れるなりできるぐらいでOK。支援全般、夜道に明かりを灯す方法は教えますが、大人が先回りして全部明るくしてやるのはNG