前回のエントリーでは、自分で自分をほめる方法で承認欲求をなだめることについて書きました。
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承認欲求をなだめる手法
自分で自分をほめる方法以外にも、承認欲求をなだめる手法はあります。
おそらくいちばん長期的に(死の淵まで)使えるのが、感謝です。
感謝されることを喜ぶ機能はほとんどの善良な人がデフォルトで搭載してます。
ここで言いたいのは、感謝「される」ことだけではなく、感謝「する」ことを喜ぶ機能です。
「感謝できる喜びを感じる機能」
は、二次障害予防になります。
加えて
「人の笑顔に幸せを感じる機能」
でしょうかね。
これらの機能を身に付けておくと、一生使えます。
感謝することができる喜びに気付かせましょう。前段階として、感謝されることについても書きます。身につけやすさはその子によりますが、一定のパターンはあります。
感謝できることはありがたい喜び
感謝されることが好きな子は多いです。
一方、感謝する喜びを身に付けさせるのは、発達支援の中でも難度が高いです。
無理に身に付けさせようとしてバランス調整に失敗すると、依存心が強くなりすぎたり、尊大になったり、卑屈になったりする可能性があり、必要性を強く感じている支援者であってもなかなか踏み込めない領域です。
しかし、大人になってからのメンタルの不調の深刻化を防ぐためには、たとえ身に付かなくても、お子さんに接させておきたい考え方です。
親御さんが影響力を多少なりとも持つうちに、チャレンジしておく価値があります。
【感謝は再生可能エネルギー】
【感謝のしどころを見つけることはエネルギー開発】
【感謝することを楽しむ】
もちろん、感謝で何もかもがうまくいくわけではないということも知らせないといけませんが。
感謝される機会はありますか
お子さんの中で、承認欲求をなだめることと感謝することをつなげるために、保護者はまず、お子さんが、他者(親等)から感謝される機会を用意することから始めます。
※クラスの当番をきっちりこなす、配られたプリントをすぐに親御さんに渡す、家で毎日靴を揃える、ゴミをゴミ箱に捨てる、…といった、
「極めて困難な」
役割を与えられて、それをこなしてくれるお子さんであれば、親が感謝しなくてもあちこちで感謝され、承認欲求は適宜きっちり満たされて成長していくでしょうから、衣食住以外基本ほっといたってかまやしません(投げやり)。
やりたいことしかしない子は、そういった役割が一切できないように見えます。
他者の期待する役割を果たさないので、承認されず、承認欲求を持て余していて、自分が!自分が!となっていると、健全な承認探求活動に気持ちが向きません。
持て余した承認欲求のやり場
もて余した承認欲求を、
・リアルな社会で
・良好な人間関係や健康を大切にしながら
・試行錯誤でたくさんの失敗をして学びつつ
・自己研鑽する努力
に向けられれば良い…ですよね。
しかし、承認に飢えた状態にありますと、手っ取り早く承認がほしくなり、ガツガツした状態になります。
モテたいのにモテなくて、ガツガツしている男性をイメージしてみてください。
ガツガツしてる間はモテないですよね。でも、ガツガツエネルギーを上述したような工夫に振り替えできれば、変わることができそうです。
承認に対してガツガツした子どもの意識頼みで、この持て余した承認欲求を、健全な、しかし遠回りに見える方向に進むことはほとんどありません。
(親御さんが自然に導いている場合や、自閉がないお子さんは除きます)
自分の求める形の承認が不足していると、承認欲求を健全利用する代わりに、以下のような不健全な形で承認を得ようとすることがあります。
・見て!見て!聞いて!聞いて!が止まらない
・自慢などの形で友達やまわりの人にぶつけてしまう
・ゲームやネットの世界での承認にすがってしまう。すがろうとするが不足し、課金で承認を補おうとする。
・読書により空想の世界を拡大する
・学歴にすがってしまう。すがろうとするが手に入れられずひねくれる。または、望みの学歴を手に入れたが思った形での承認を受けることができず、憤慨
・理想を掲げて絶望
などなど。
多少であれば問題ありません。でも度が過ぎると、社会的な承認からはぐれていきます。
そうなのです。承認欲求をこじらせると、社会的な承認はかえって得にくくなってしまいます。
承認欲求のこじらせ、防ぎたいですよね。では、何をすればよいのでしょうか。
色々あります。
ご家庭、お子さん、状況によっておばちゃんのアドバイスは変わります。
誰にとっても正解という手法は存在しません。
次回、子どもの自発的な(勝手な)行動を
「こちらが望んでいたこと!やってくれた!ありがとう!」
と後付けで保護者が感謝していくという手法を例示します。
承認欲求を不健全な方向にこじらせさせず、承認欲求の適正利用を促し、承認ガツガツモードから脱するように促す取り組みです。
万能ではありません。信頼関係がないところからですと簡単にはいきませんし、バランスを間違うとかえってこじれます。注意が必要です。
しかし、一つのきっかけにはなるかもしれません。段階によっては、大変有効な関わりの一つです。
続きます。
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