神様、仏様、お天道様などなど、畏怖すべき、人知を超えた存在が見ているという考え方がキッチリ身に付いていればよいのですが、目に見えないものを認めるのが難しいお子さんの場合、承認欲求のぶつけ先が親、先生、クラスメイトに集中してしまいます。もちろんいつもいつも承認してもらえるわけもなく、しばしば「承認欲求不満」を起こし、「傷付く」のです。
欲求の満たし過ぎには気をつけつつ
とにかく見ていてほしい、ほめてほしい、つまり常に承認に飢えているお子さんには、自分で自分の承認欲求をなだめる方法を教えることがあります。
小さな子であれば、まず誤学習について気を付けさせつつ、「自分で自分をほめて!成長を感じて!そして育てて/励まして/勇気づけて!」などと言い添えるだけでも効果があります。
ただ、幼児期には単純な刷り込みによって習慣として身に付いても、思春期には習慣を洗脳だとして、刷り込んだ親ごと全否定に走ってしまうことがあります。
いわゆる反発、反動です。熱心に何か(宗教や思想、学歴主義等)を信奉している親御さんのお子さんを思い浮かべると、よくわかると思います。
いろいろな考え方があってあれこれ試してみた結果、お父さん/お母さん/おじいちゃん/おばあちゃんはこの考え方がいいなと思ったんだよ、あなたはあなたの考えでいいんだけどね。
といった柔軟さを保ちつつ、接するのがお互いのためでしょう。
まだ危険視されていないですが、ほめは脳にとっての麻薬です
自信を持てない、踏み出せないお子さんのことを、現在までに主流となった療育的な支援者は、ついついほめすぎてしまいます。
一般に、満たされた欲求は消える、だからひたすら愛せ(=承認せよ)とされていますが、そこは発達凸凹、その限りではありません。
他者による承認による快感の、中毒になります。一時的に(ほめてもらえる存在である間、つまり小学生程度まで)ぐっと伸びます。
ただ、長い目で見ますと、他者からほめられなくなる日に備えておくことが大切です。
自分で自分をほめたりなだめたりする手法も、精神年齢が小学生のうちに教えてあげたいです。
・自分で自分をほめると、他者承認比で数割程度の嬉しさが感じられること
・お願いする手間不要
・ほめてもらえないときの失望も不要
・回数制限なし!
他者にほめられることの20パーセントしか嬉しくないにしても、5回自分でほめればよいのですから、実は、お得なのです。
表情が暗く、自己肯定感がいかにも低い、例えば引っ込み思案であったり優柔不断であったりするおとなしいお子さんには、このようなメリットを強調し、自分で自分を承認する癖、励ます癖をつけさせることを推奨します。
※客観的な視点を心掛けないと独りよがりになる可能性もあるという注意点も、忘れず示してあげてくださいね!
険のある表情の子、目の回りの隈が消えない子、自我の強い、自己肯定感の低さを激しく尊大な言動で守ろうとするタイプに自分をほめることを教えたらどこまでも独り善がりになりそうだと思われるかもしれません。
激しく尊大な子も、自信のなさをこじらせた状態と思われるケースが多いので、ほぼ同じ対応でよいことが多いようです。
もちろん例外(サイコパスなど)はあると思いますが。
大切なのはほめどころ
ほめるときは
「お手柄」「出来たら学校で誉められること」
にこだわらないでください。
今日も生きたということ
鏡に笑顔を見せられたこと
気まぐれに首のストレッチをしたこと
笑顔で会釈したこと
お水をこぼしたけど全部ではなかったこと
傘を持って出て、持ち帰ったこと
といったことも、自分で心の中でほめて、励ますことができます。
続きます。
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