☆他者の評価を一切気にしないと四面楚歌になる
アドラーはタイトルにもあるように「嫌われる勇気」を持つことをすすめています。
「あなたの事を嫌う人が周りに誰もいないとすれば、あなたはとても不自由な生き方をしている。
もし、あなたが言いたい事を言ってやりたい事を好き勝手にやっているのならば、周りにはあなたを嫌いになる人がいるはずである。
従って、あなたが人から嫌われるという事は、あなたが”自由”に生きている事の証であり、自由に生きるために必要不可欠な要素と言える」
嫌われるのは自由の代償です。好かれようとしては自由になれません、嫌われるという代償を払ってガッツリ自由になりましょう♪、ということです。
いかがでしょう。
他者の承認が不要になれば、心は自由になり、言動も自由になります。
終始この調子ですから、アドラーの価値観だけに染まっていくと、他者も承認も否定も、ただそこにあるだけ、と感じられるようになります。
怒りも憎しみも基本的になく、悠然と過ごせるようになります。
これは、人間関係のストレスに悩む全ての人にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
☆すごくラクになるのにちっとも広まらないアドラー
メンタル保護によく効くアドラー心理学ですが、しかし、実際には、アドラー心理学的な思考を身に付けている人は、一部のメンタルエリートのみ。ごく一部です。
メンタル庶民には、アドラー教の信者はごくわずかです。
なぜでしょうか。
それは、禅宗が庶民に広まらなかったのと少し似ています。
一般社会で、いきなり新興宗教ルールを持ち出したら、ひどい扱いを受けることを想像するのはたやすいですね。
内面を研ぎ澄ませ自己完結に至るがために、他者承認を必要としなくなってしまう点も、人を巻き込んでの承認ごっこでなんとか自尊心を保っているメンタル庶民には受け入れにくいのです。
また、生真面目にアドラーに従うと、「嫌われる勇気」を身に付けます。もともと嫌われやすい変わった子でもメンタルがいったん安定します。
しかし、「嫌われる勇気」の影響により、ますます嫌われてしまいます。
結果、グループ作業ができない、休んだときの変更事項を教えてもらえない等、集団生活上の不都合が看過できないレベルになります。
また、ストレスが減ることの二次的な影響として、ストレス対処法のアップデートがなされなくなるというリスクもあります。
想定を超えた痛みや事故等、心理コントロールの効かない感情の波に対処する、実践的訓練が不足します。
日頃は安定して過ごせるようになるのですが、取り返しのつかない規模の大パニックを起こしかねません。
心の防波堤が機能しているうちは良いのですが、防波堤が決壊したときにどう対処すべきか、ということについて無知無自覚になりやすいのです。
凶悪事件が起きたとき、「容疑者を知る人」が、「穏やかないい人だったのに、まさかあんなことをするなんて…」と話している姿、放映されますよね。
あのように言われる人たちの背景にあるのは、立派なメンタル防波堤を作ったせいで危機感が薄れてしまって、精神的非常事態への対応経験が不足していた、ということです。
アドラー心理学を導入するときには、このリスクも踏まえて備えておきましょう。
誰もに一目置かれるような特技や容姿があるならばともかく、庶民、ましてや、もしかして発達障害グレーゾーンの方は、誰かの力添えが得られるか得られないかで人生の笑顔の総量が大きく変わります。
これから人生の荒波に立ち向かうお子さんには、「嫌われる勇気と、愛される工夫(嫌われない知恵)」両方持たせてあげましょう。
続きます。
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