誰か！誰か！
夫やまわりに問題があってほしい。
そう願う気持ちが、
ドロリ、と紙の上に漏れ出てくる。
胸がきゅっと痛む。
アンチ中学受験の夫のせいで
準備が遅れたから
いけなかったんじゃない…？
中学受験賛成派で、
妻に仕事辞めてくれと
言ってくれる夫ならよかったのに…！
子供のために仕事をやめた人達や
職場のバリキャリ女性たちの
「辞めたくなるけど辞めたら負けよ〜」
というアドバイスは
同情やマウント、
あるいは呪いだったんじゃ？
…ああ、ひどい。
私が？
No!
ひどいのは、
背負いきれない責任！
諦めて投げ出すか、
誰かのせいにしないと
心が保てないだけ。
私のせいじゃない。
ごめん、
心の中でぐらい、
何かのせいにさせて！
誰かのせいにさせて！
迷い込んだ森の中で
綺麗事言っても
しょうがないから。
醜くても純粋で
私がぐちゃぐちゃになってたのは、
もしおの未来を
諦められなかったからなんだろうな。
キャパオーバーで、
責任感こじらせて、
しんどくなって、
せめて責任転嫁先を見つけようと
脳フル稼働で空ふかし。
心はいつも真っ黒で、
自己嫌悪でいっぱいだった。
でも、書き出して、
因数分解したら、
一つ一つの気持ちは、
意外にシンプルで、
純粋で。
自己嫌悪スパイラルに
入るほどのことでは、
ないような気も、する。
まだまだ、膿は、出しきれないけど。
避けたい未来
中学受験親になりたくなかった、
恐らく最大の理由は、
書きなぐった紙の
すみっこで見つかった。
職場の噂話で
母親としての能力まで
語られるようになること。
たまったもんじゃないわ！
必死で上がってきたのに、
子供の出来でバカにされるなんて。
まっぴらごめんだわ。
でも、
うちの職場じゃ、我が子の進学先は
隠し通せないこともわかってる。
強気でガンガンねじ伏せるタイプの私は
敵も多い。
母親としてポンコツなことが
露見してしまうことは
なんとしても避けたかった。
バラバラになる私
また自分にがっかりだ。
結局。
自分のため。
世間体、とも微妙に違う。
私、勝ち続けてきたから。
見下されることに慣れてない。
勝たないと、見下される。
それが怖いから、
一生、高みにいなくちゃならない。
一生、勝ち続けなきゃならない。
高みへの飢餓感、
現状への危機感、
焦燥感、
恐怖感が私の原動力だったから。
見下されるかもしれないこと
できるわけがなかった。
紙の上に気持ちを吐き出すうちに
私という概念が
バラバラにされてゆく。
痛い。苦しい。
でも、気持ちいい。
続きます！
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