精神的に生き残るには
異教徒(強い力を持った担任の信奉者)に囲まれた地雷原で生き残るには、どうしたらよいでしょうか。
多数派と同じことをすれば、基本的に矢面に立たずに済み、再起不能なまでに自己肯定感を損傷するような最悪の事態になりにくいです。
(素朴な自己肯定感は、多数に承認されると大きく上がり、多数に否定されると大きく下がる傾向があるからです。ただし、素朴な自己肯定感は、正しい自己肯定の方法とは違うので、意識して、整えていくべきではあります)
多数派の波長に寄せる機能が付いていない子は、どうなるでしょう。
集団からこぼれ、「自分で考えなさい!」と言われやすく、さらにその度に(例えば宇宙の起源から自分で考えなくてはならない気がして、脳のキャパシティを超え、一見したところ)ボーッとしてしまい、更なる叱責を受けます。
そして叱られている今なにをすべきか、ということに注目しようという脳の働きが妨げられ、ますます混乱します。
リーダー変更、マイナールールの変更は、一体全体何が起こったのかわからないけれどもただ積み上げてきた価値観ががらがらと音を立てて崩れていくような不安を感じることがあります。
当研究所で、価値観についてどう説明するのか、わかってもらうにはどうしたらよいのかを、ここで個々のケースについて具体的にお伝えすることはできませんが、一例を綴ります。
レゴブロックのイメージが通じるお子さんでした。
・ひとりひとりが価値観を積み上げ作り上げるものであるということ
・うまく積む方法は、たくさんの価値観に触れる前はわからないので、経験豊富な保護者と共に過ごせる子ども時代から、価値観のベースを作っておくとよいということ
・崩れることもあるが、なぜ崩れたのか考えて、崩れにくいように、崩されにくいように、また積めばよいこと
・他者に崩されるということもある。それは、積み方、場所、時期などが、最適でなかったという可能性もある。巨大化してから崩壊するよりは、早めに脆弱性を指摘してもらえてよかったと考えることもできること。
・他者の価値観を尊重しますという体で近付くと、価値観の門が開かれることがあり、そうすると考え方を詳しく知るチャンスができること。(仲の良い友達、恋人、親族など)
・本も、筆者の価値観を知ることができるが、同じ筆者や同じような作品に偏ってしまうと、価値感の多様性を感じにくくなってしまうので、バランスに気を付けること。
・社会では、それぞれの価値観は別途保ちつつ、リーダーのもと集まって、協力して、組織の価値観を作ること。そのときはリーダーの設計図に則り、自由表現を控えること。
学校ではその練習をしていること。
このケースでは、このような話を、自分の変わった感覚を尊重してくれる大人と、ゆったりとした気分で話す機会を持ったことで、学校で「価値感を踏みにじられる恐怖」に起因するストレスが軽減し、多動や注意欠陥が収まりました。また、長期的には認知の歪みが緩和されています。
その子、ご家庭によって、どう説明すれば腑に落ちるのか、どう導くことをよしとするのかが異なります。是非、社会比較や「当たり前」にとらわれずに、お子さん本人に過不足ないサポートをしてあげてください。