誰だって、自由に、あるいは自堕落に過ごせる日々から、急に謎ルールに満ちた謎管理の日々に戻ることは億劫です。
それでも、多数派は、「そうは言っても、行くのがふつう」という社会通念を自分の中に育て、同調圧力という名の波に乗るのが上手です。
たとえ、学校に行かないとどうなるのかという想像はできなくても、「よくわからないけどどうやらまずいことになるらしい」というように、曖昧な情報で自分を説得することも上手です。
一方で、その多数派の作る社会通念、同調圧力に対してどうしても違和感を持ち続けてしまうお子さんたちがいます。
彼らは、ただでさえ集団の混沌が苦手です。
休み明けの登校を大きな苦痛としています。
大きな理由として、
・休みが楽すぎた
・変化が苦手
・登校日を予見して休みを過ごすことをしなかった
というものがあります。
部活や補習などで夏休み中も登校していた子は、意外にすんなり行けることがあるようです。
夏休み中に学校に行ってみませんか?
発達凸凹のサバイバル法のひとつに、夏休みの間に職員室に親子で顔を出す、という手法があります。
先生とお子さんの関係が良好であれば、お子さんの学校嫌いが深刻なものとなる前にやってみてもよろしいかと思います。
夏休みのお土産を渡しながらですと、対話のきっかけにもなります。
多数派の価値観と違う価値観を持ったもしかして…な子との話題選びというのは、集団指導を行う教員にとって、とても難しいものです。
しかし、先生に挨拶をし、お土産を渡し、お土産から、行き先を聞かれ、何に乗って行ったか聞かれ、美味しいもの食べた?そう、美味しそうだねぇ先生もおなかがすいてきたよ朝御飯コーヒー牛乳だけだから、えっ先生朝御飯コーヒー牛乳だけなの、なんて他愛のない会話をするだけでも、
集団からはぐれやすいお子さんにとっては有益な人生経験になることが多々あります。
なぜ担任と話すぐらいで?と思われるかもしれません。
実は、トラブル以外で子どもが1対1で、学校の先生と関わる機会というのは、実はものすごく少ないのです。
頻繁にトラブルに巻き込まれるお子さんですと、1対1で話しているのに、先生が怒っていないなんて!こんなこともあるんだ!と驚きます。
これは「人にはいろんな面があり、自分からわかる、見えているのはごく一部であることを知る」という、SSTにつなげる機会になります。
「自分に見えないことは、起きていない」と思い込んでしまっているお子さんの場合、先生が夏休み中も学校に来ているということさえも、大きな学びになります。
休み明けの登校を、事前に、自然に認識するのは大変困難なことです。
このようなひと手間で、学校や担任の先生、同級生との心理的な距離を適度に縮めてあげるだけでも、不要な不登校を防ぐことができます。
※必要な不登校もあります。
これは、精神的に休養が必要な状態で発動する、自己防衛機能です。
当研究所では、発達凸凹があれば学校嫌いが当たり前と考えています。
お子さんと保護者の方、力を合わせて、サバイバルのための知恵袋を作っていきましょう。