塾は学校よりも、集団の学習効率がよい傾向にあります。
集団の学習効率を上げている要素は何なのでしょうか。
サピックスの手法を例に、おばちゃんの独断と偏見で5ヶ条挙げております。
今回は5つめ、おばちゃん いきまーす!
※弊害については、進学塾と模試13までちょいちょい書いています
「家庭の教育力を引き出すから集団の学習効率が上がる」です。
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家庭の教育力を引き出す…
ぴんと来た方はいらっしゃると思います。
☆注意☆
情報を得ようとするとき、基本的に、どの情報源もポジショントークをしている部分があると思っておいてください。
たとえば素晴らしい個人塾に通っている子の親は、自分達だけ得しようという利己的な理由でも、
「入れないかもしれない塾をおすすめするのはマナー違反」という優しさからでも、
「個人塾、悪くないけど、すごーく不安」というように、ネガティブな部分を強調して伝えます。
そして広まります。
当方のブログも、真に受けないでね!
ひとつの色眼鏡ビジョンを知るぐらいの感覚でお読み頂ければ幸いです。
体育会系早稲アカを面白おかしく、アカデミックなSAPIXを神聖化して書きますが、ご家庭とお子さんにとって違和感が少ない方を選ぶのが良いでしょう。
営業嫌いセールス嫌いの学者家庭は、短期的にはサピックスが居心地いいです。
が、早稲アカに居れば、講師が営業もしてますから、身近になり、将来、合わない営業の仕事をさせられても「こーゆーもんだよな」と思えて、心折れず頑張れるかもしれません。
さて、いってみましょう
噂
サピックス小学部について、巷では
・高い
・親が大変
・クール、冷たい、自己責任
・頻繁なコース変動で子供のメンタルおかしくなる
・宿題がすごいらしい
などと囁かれています。
こういった風評のおかげもあって、かえって高学歴親のサポート力を自然に引き出される、その仕組みを見ていきましょう。
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「高い」第一関門を突破する親
サピックスの授業は、低学年がお高くて、高学年がお安いです。
低学年は実験とかがあるからかな。
月4-5週ありますが4週とします。
少数第二位四捨五入で計算しますと……
1年生
国算週90分 月360分 17000円
(1時間あたり2833.3円)←ややお高めの習い事ぐらい
2年生
国算週100分 月400分 18000円
(1時間あたり2700円)
3年生
国算理社週120分 月480分 20000円
(1時間あたり2500円)普通~やや高めの習い事ぐらい
4年生
国算理社週360分 月1440分 37500円
(1時間あたり1562.5円)←いきなり安くなる!
5年生 国算理社週540分 月2160分 47500円
(1時間あたり1319.4円)
6年生 国算理社計 週480分+300分 月3120分 54000円(1時間あたり1038.5円)←え?私計算間違えたかな。安!!!
※授業前に行われている、基礎力定着テスト30分は、授業時間に含まれません。他塾がどうカウントしているかはわかりません、どなたか教えてください。
ちなみにSS特訓と呼ばれる、6年生9月からの日曜日の講習は、全日程で246000円。
あ、これ別にセールスされません。
あちこちに記載されている「サピックスの年間費用」にデフォルトで含まれていて、行きたくなければ電話一本でお断りすればよろしい。
特訓1回9時間45分程度、585分が14回ですから8190分。
4回ある合格力判定テストは1回210分、 5500円×4回 ですから840分で22000円。
246000-22000 224000
テストを除くと1641.1円/時。
テストを入れると246000円÷(8190分+840分)×60=1634.6円/時。
日曜日の出勤手当て、SS特訓で使う志望校別の特殊な教材開発費などもあるのに、良心的な価格。
どうでしょ、時間あたりにすると、音楽系運動系等ほかの習い事にくらべてべらぼうに高いというわけではなさそうです、っていうかむしろ高学年のサピックスって、時間単価、意外にお安くないですか?
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ところが、他大手塾のほとんどは、初期費用+基本料金がサピックスよりもお安いです。
これは早稲アカなどでも激しくアピールしてくださるようです。
そもそも入室テスト代も、サピックス以外は無料では?
なぜ他塾の入り口はそんなに安いのか
初期費用が安い大手塾は、割賦払いみたいなものです。
ごく一部の特待ホルダー以外、のちほどしっかりお支払いすることになります。
なんなら、営業インセンティブのある塾、つまりあれ買え これ取れの営業がやたら来ると思っておくと安心です。
成績トップゾーンの子と、アンケートに細かく書きそうな親=問い合わせの電話をする親は、営業対象外、という裏話あるとかないとか。
有能な講師、事務方、本部の給料、教材の質を支えるのは皆様のお財布。
これはどこの塾も同じですね。
安く済ませられたら助かる、と思うご家庭は、まず真っ先にサピックスを避けます。
なぜならサピックスは、奇しくも「高い」というイメージがつきまとうからです。
入室テスト代3240円と入室料30000円という支払いイベントを最初の入り口に設けていることと、優待特待キャンペーン無し、ポッキリ明朗会計なだけなんですけど、そんなことは忙しい保護者の多くは、ご存じないので……。
「教育のためならイチイチ細かいこと言わない、または情報強者」そんなご家庭を振り分けるさりげない関門となってます。
「親が大変」第一関門を抜けたらそこは
大手中学受験塾の、本科としては、サピックスは拘束時間が異様に短いです。
お弁当を基準にしてみましょう。
サピックス、5年生でお弁当が必要な日はないですね。
6年生でも、ゴールデンウィーク3日、夏休み0日、9月以降日曜日と冬休みに25回くらいかな(2019 9/19訂正 SS授業14日、正月特訓4日で、6年生でわずか21回。あとは模試を午前午後受ける模試好きだと1-4回位増えるかも)。
その程度。
とある塾の子は普段から持ってます。夏休みだけでお弁当何回あったかね。2つ必要な日もあるとか。
通塾スタイルが多様な塾の場合は、一概には言えませんが。
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さて、
塾のない時間が長ければ長いほど、その過ごし方は、各家庭の工夫のしどころとなります。
サピックスは、中学受験の天王山と言われる6年生の夏休み、午後しか授業がありません。午前、ガラ空き。
しかも、授業ない日が約2週間、バカンスだって行けちゃいます。
朝起きてご飯食べて塾、という仕組みですと、朝お弁当渡したら親の責任終わり、みたいになりがち。
しかしサピックス生は、午前の予定がら空き。隙だらけ。
塾のない時間をどうやって有意義に過ごさせるのか、きちんと考えてあげないといけないな、サポートしよう。と生真面目な親に思わせ、奮い立たせる仕組みとなっています。
ある家庭は母親が仕事セーブして勉強に寄り添い(裕福だからできる)、
ある家庭は親の力で家庭教師を付け、
ある家庭は親の力で個別指導プリバートやTOMASなどに行かせ、
ある家庭は祖父母宅や学習学童近くの校舎に行かせ、
もちろん野放しにする家もありますけれども、(うちです…)
基本的には、塾のない時間が長いからこそ、親の力で「その子にとって必要ななにか」を提供できる、そして、提供したくなるようになっています。
もちろん、最初の関門にてセレクション済みの保護者だから、できることです。
リソースカツカツの家では、不可能ですからね。
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「親が大変2」片付かないから親の当事者意識高まる
サピックスのテキストは本として購入するものは補助教材のみ。
主教材は、忘れんぼが困らない、改訂が容易、などの理由から、毎回渡される、ホチキス止めの教材。
今の自分のレベルでは手を出すべきでない問題も、今の自分には簡単すぎる問題も、ほとんど渡してくれてます。
これ、迷惑、邪魔と思われる方もいらっしゃるのですが、やらせ方間違えなければ、すごく合理的です。
成績下落時や、やっとスイッチ入った!というとき
には過去教材の基本問題に返れば挽回可能ですし、得意科目を伸ばしたいとき、苦手科目の基礎固めしたいときなどに適した問題が、手元にあるわけですから。
ただ、確かにね、デザートバイキングで取捨選択出来ない子が、問題バイキングで取捨選択できるわけないんです。
「子供に管理しきれないから親が手出しをせざるを得ない」
「親がコミットすれば、ステージアップ可能、なんなら偏差値30からアルファへの下剋上だって可能な教材がデフォルトでもらえている」
親の当事者意識が引き出される仕組み、これこそサピックスの集団の学習効率をあげている大きな
理由なのです。
あ、うちは、振り返ること滅多にないので……素晴らしいテキストが、山、ならぬ、海のようになっています……山でさえないんだ…テキスト作って下さってる先生方ごめんなさいね……
長いので分けます。続きます。
読んで下さりありがとうございます♥️
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