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【16】
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やっぱりある？仕上がりの違い
海城 城北 芝 あたりから早稲田、
という社員たちの顔が浮かぶ。
要領がよく、安心感がある。
バランスがとれていて、
どことなく髪型とか見た目もすっきりしていて
寝癖なんて見たこと一度もない。
チームスポーツもできる風である。
逆に、難関中高一貫から
東大という社員には、
難ありが高確率で交ざる。
もちろん優秀なのもいるのだが、
なんたってダメな東大卒というのは
物凄く目立つのだ、
あれはかわいそうだとさえ思う。
空気読めない漢字読めない書けない、
自己主張はするが
絶対に譲歩しない者もいる。
…東大など
英語の代わりに中国語韓国語を使う入試では
ほかの大学が全落ちでも受かったという
黒い噂も聞くから
からくりがあるのかもしれない。
東大生はダメなのか？
東大生はダメなのか？
いやいや、それは違う。
中にいたから、知っている。
ややもすると、
自分の主観だけで
学校を評価してしまうから気をつけないとな。
ぼくよ、落ち着け。
ピッカピカの準御三家早稲田卒も
無能な御三家東大卒も
学校全体を体現する者ではない。
今のぼくから見える人々は、
入社試験によって切り取られた人々だ。
会社には、
詰めがきっちりだからここを仕留めた者と、
詰めが甘いからここにいる者が
混在しているのだ。
前者は、
運動系部活で鍛えた気力体力調整力、
持ち前のフットワークの軽さ、
語学力など、
個体の日々の積み重ねと
自己コントロール力により
入社試験もうまく突破した。
後者はさしずめ
ゲームばっかりしていたのだろう。
完全なる自由の代償
東大と言えば筑駒だが、
今や筑駒の学級崩壊ぶりは
中学受験アンチのぼくの耳にさえ届く。
授業中、ほぼ全員ゲーム、というクラスさえあると聞く。
副校長先生が
「6年間の完全なる自由を保証します」と宣言するから
先生は大変そうだ。
ぼくは元々は国立は推していたのだが、
それを聞いて吃驚した。
完全なる自由なんてろくなもんじゃない！
…自由なんてろくなもんじゃない？？
おや？ぼくは、
もしおには自由に育ってほしいと
ずっと願って育ててきたのだが？？
自由に最も価値を見出だしていたのだが？？
自由なんてろくなもんじゃないな、って
今、ぼくは確かに思ったぞ？？
バイアス、切り取り
また混乱してきた、
今は社員の話だ！
前者も後者も、
うちより上位の会社は不合格だったから
うちの会社にいる。
このバイアスがあることを忘れると、
学校評価を誤る。
ぼくの先輩社員で最も優秀だったのは、
板橋区立北野高校卒のお姉さまだった。
あれは学校教育の賜物ということではなく、
外れ値だと見なすのが自然だ。
ぼくが見てきた◯◯卒のイメージは
切り取られたものだったんだろう。
詰めの甘い者たちの楽園
旧帝大好き、難関高校大好きなわが社は、
ついつい学歴で下駄をはかせてしまう。
あるいは学歴フィルターを通す。
今時うちを本命にする東大卒なんて
所詮上位企業のおこぼれなのに、
知ってか知らずか、
吟味せず
うっかり採用してしまうフシがある。
本当に有能な者は、
うちより合格ラインや評価の高い、
将来性もある絶好調の業界に受かっていて
入社式に現れることはない。
彼らにとっては、
今わが社は滑り止め、
抑え校扱いなのである。
付け加えれば、
「詰めが甘い者しか
滑り止めを使わない」のである。
目的設定が的確で、
目的達成能力が十分に高ければ、
滑り止めを使う日は来ない。
私立中高一貫卒の能力のばらつき
御三家卒をはじめとする東京の私立有名校卒は、
潜在的なポテンシャルや、
事務処理能力の最大値は
おしなべて物凄く高い。
これはぼくから見て、 間違いない。
しかし、
態度ややる気、
クリエイティビティや
メンタリティは恐ろしくバラバラだ。
最大値と、
実際のパフォーマンスとは
必ずしも結び付かないようだ。
私立中高一貫に限った話ではなく
大学や会社でも同じだと思う。
「一定のボーダーラインを超えた者」
と言えど、
実際のパフォーマンスはバラバラなのだ。
事務処理能力を測るSPIテストでは
超高得点を叩き出すくせに
お湯が沸くまでずっと
電気ポットを見守っている
心配性のおじいちゃんみたいな奴もいる。
全国の交通網をアップデートし続けていて
Google以上に
的確な乗り換え経路を
弾き出す開成卒もいれば
通勤電車の乗り間違い
乗り過ごしを繰り返しまくり
自転車通勤にしました！
という開成卒もいる。
記憶する対象、
要不用の判別基準は、
学校で教わるものではないようだ。
学歴差より、
個人差のほうが、ずいぶん大きいように思う。
つまらない仕事でも、
無駄だと思っても、
誰からも見張られていなくても、
着実にこなすかどうか。
これも、
卒業した学校名とは
さほど関係ない気がする。
たどり着いた頂上は誰かの滑り止め
ぼくの学部は東大文学部。
会社も、過去の栄光にすがっていて、
特にこれと言った強みも将来性もない。
言ってみれば、
超一流と一流の間ぐらいか、それよりちょっと下かも。
ぼくががむしゃらにがんばって
たどり着いたところは、
筑駒開成麻布などにおける
真に強い個体にとっては
滑り止めなのだ。
ぼくはトップ私立中高一貫卒の
トップ層との接点は意外にないっぽい、と
今気づいた。
武蔵 雙葉は人数が少ないのもあるのか、
エントリーシートさえも
あまり見かけない。
それで校風をわかった気になって、
グレーパーカーゲーマーズだとか
土下座だとかピーターパンだとか
ヤギだとか土地持ちだとか……
なんて不遜なことを。
ぼくの視野という小さな枠によって切り取られ
ぼくの色眼鏡によって色付けられたものしか
ぼくには見えていないことを
改めて自覚し、恥じ入る。
ぼくは、
東京を不自然な街だと思い、
東京人の子育てを怪訝に思ってきた。
反対の立場になってみたら
ぼくのほうこそ
東京の秩序を脅かす異分子なのかもしれない。
我が子もしおは、
ぼくとは生まれも育ちも違う。
東京生まれの東京育ちなのだ。
皆が、精一杯の下駄、
否、シークレットブーツを履いて
自由を求めてさ迷う
不自然な街、東京。
郷に入っては郷に従えとは思うが、
愛する息子に下駄でもなんでも、
全力で履かせてやろうじゃないか！
なんてぼくは思わない。
親が履かせた学歴下駄を履いて、
実力より高い位置に到達してしまうのは
本人にとってもまわりにとっても
不幸なのでは？と思ってしまう。
下駄でもブーストでもなんでもいい、
就職成功した者勝ち、という
考えはわかる。恐らく妻はこの意見だろう。
確かにどんなに使えない奴でも
それなりの給料と
福利厚生が約束されるのだから
「親のカネで学歴ブーストかけて大会社の窓際族」は
強い。
うまくいけば実力以上の暮らしができる、
ひとつの生存戦略ではある。
しかし、ぼくは馴染めない。
さんざん、
学歴ブースト組の尻拭いをさせられてきたから。
我が子が給料泥棒になってしまったら
嫌だという気持ちしかなかったが、
そうさせてやりたいという気持ちの存在にも気づき。
ぼくはもっと混乱してきた。
中学受験だって…
親の財力でブーストかけて
合格させ、
入学させて下駄はかせて、
大丈夫なのか？
東京はみんながその状態だから、
大丈夫なのか…？
田舎者のぼくには、子供の自由を奪い、
足の付かない深い海に
投げ込むようなものに思える。
あんなに子供思いな、いや、
過保護な親たちが、そんなことをするだろうか？
獅子千尋の思いで
私立に行かせている者もいるにはいるだろうが、
ぼくは
中学受験保護者の気持ちを知りたい。
続きます。
【18】
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読んでくださりありがとうございます💕
もしかして発達グレー研究所です🍀
↓好評連載中💕中学受験絶対反対！？公立から東大卒パパの切な～いお話
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教育、子育てに関して一切の綺麗事抜き、
シビアな話ばかり書いています。
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