2022.1.26一部改訂しました!
※合わせてポッドキャストもご利用くださいね!→*1
前回までの3回シリーズで小学生に方程式を教えない理由を述べさせて頂いたところ。
「算数めっちゃ得意な子であれば方程式を教えても別に問題ないですよね?」
というご質問頂いたので、お返事を書きます。
まず、おたくのお子さんのことはわからんぜよ。
ただのおばちゃんだが、情報オタクのアナライザーの端くれだ。情報ないとなんも言えん。相談予約して、家族歴も生育歴もめっちゃ聞かせろください。
…けどおせっかいだから書かずにおれん。
小学校1年生のとき、やらかすか、クサクサモヤモヤするか、過剰適応か、していましたか?
そして中学受験塾入って算数難問始めてとたんに明るくなった…みたいなかんじありますか?
もしもそうなら、方程式を教えたらするすると飲み込んで消化して使いこなすであろう。
しかしだ、方程式=答えを出すための道具、数学=答えが出ればええんやろ、という固定観念を持ってしまうのも、このタイプあるある。
【中学受験算数で困ったことがないが、中学で落ちこぼれる怪奇現象】
は、こういう子を襲うことが多いっぽい。
ざっくり言うと、中学の学習、って、英語も数学も単に高度になるだけではないのよ。
大人になったときに持ち越す前提なんですよね。
たくさんの正しさや、たくさんのはっきりしない学びが、併存している中で、表面上だけ横並びでやってくハメになるんですよ。
ちょーど、小学校1年生の教室みたいにね。
*2。
算数大好きっ子を待ち受ける、運命の別れ道やいかに?
算数苦手っ子にとっては希望の光かも…?
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作業しながらもよし、下記レジュメや、関連記事をご覧くださるもよし!
ガチ文系おばちゃんクラスの神アナライジング(=個人的見解)
方程式を例に取り話していきます。
中学からの方程式は、中学受験の方程式とは異なる側面を持ちます。このこと、しっかり叩き込んであげたほうがいい(自分で気付ける子はほっときゃいいです)。
ガチ文系おばちゃんには語れないのだけど、一口に数学と呼ばれるアレの中には、宗派というか、文化というか、解像度というのか、いろいろあるみたい。
超テキトーだけど…格式?の高い順に、
レベル???
・フィールズ賞とかの話ししてる人たちの数学
レベルSSS
・数学博士号クラスの数学
〜すごい壁〜
レベルSS
・大学院で院生として数学を研究するための数学/(統計など理系実務のための数学)/物理学工学その他の学問のための数学
レベルS
・高専受験のための数学、難関理系の大学受験のための数学
〜壁〜
・(統計など文系実務のための数学)
・難関文系の大学受験のための数学
・高校卒業のための数学
※算数大好き小学生が触れて楽しめる数学は色々なので欄外とする
などなど。どうでしょう、ありそうじゃない?
*3
でねでね、壁の手前勢にとっては、方程式含む代数やら証明含む幾何やらは、所詮は得点するためのツールでいいみたいなのよ。
でも難関理系大学受験の「先」を意識した学習では、そーはいかない。
解法ツール得点ツールであると同時に、理系アカデミアのお作法の初歩を学ぶための教材が提供されるってわけよ。
茶道の極みが、美味しければいいじゃない、お客さん喜べばいいじゃない、みたいな世界観では絶対にたどり着けない境地にあるように、数学もね、違うんだよ。数道だから…知らんけど。
車もさ、動いて目的地に着ければいいっていうものから、美の極みとか、スピードの極みとかいろいろあるのと同じ。
算数好き小学生が触れる数学の世界も、多様。レベル???まで到達する数学ギフテッドクラスの子もいる。
けど、アカデミアに言わせれば飽くまでもエキシビション(ごめんめっちゃてきとーに言ってるよ!)。
どういうことかって?
壁の向こうでは問われる、途中式や証明の
「格調の高さ」
は、小学生には要求されないのよ。
壁の向こうの数学に触れるには11-12歳は早いの。だから、お作法の精度も、小学生モードで許されてしまうのよ。そのときだけはね。
そのあとに問題が起こるの。
そう、算数、数学を、答え出す道具と思いこんでしまいがちなの。
これ、数道の求道者からしてみると、茶道初心者にやかんとボウルと抹茶ミルクと泡立て器を使わせるみたいな感覚なんじゃないか?
算数や数学のテストの解答がお抹茶だとして、粉っぽくなくて細かい泡立ってりゃいいでしょう的な?
解答だけ書けばいいタイプの大学入試のためなら、それで問題ないかもしれない。
途中式が採点対象となる入試でも、せいぜい採点ミスでバツにされるぐらいしかデメリットないからいいんだろう。
けど、その先を目指す子には、ちゃんとした茶釜とお茶碗とお抹茶と茶筅で教えたいってのが、アカデミア崩れとしては、あるわけ。
その謎のこだわりこそが、名門私立中高一貫校や一部大学付属たる所以というかさぁ。
「うちは私大文系志望なので、理系アカデミア関係ないです」
んー、自学できる?
入試にたどり着くまでに、
「なぜバツにされたのか」
という疑問と向き合わなきゃならないときがありますよ。
その疑問を解消するには、先生に聞きに行くのがいちばん。*4
そのときに数学教師からイヤな顔される確率下げるためには、なるべく秩序正しい途中式や証明を書けたほうがいい*5。
神がかってる人を除けば、どこの分野でも、コミュニケーションが必要なのよ。
ポッドキャストのレジュメ
一部の難関私立国立の数学は【数道、コミュニケーション練習台、プレゼンテーション練習台】
数学は、単なる受験突破ツールをこえていく。
【道】まではいかなくても、共通語というか
【コミュニケーションツール】
みたいな側面を知っておくべき。
数学を用いて、文系理系に限らず
【伝える力〜論理的プレゼンテーション力】 を鍛えることができます。*6
答えを出せばそれでいい、という感覚で数学道に触れたらヤケドするのよ。
☆算数が得意だったのに数学に適応できない子
数学先取り経験の有無や学校の偏差値と、数学への適応力は直接は関係ない。
・学校の先生以外に習うと、お作法の違いを消化できず、バグることがある。
・育成戦略のタイプ(初めにしっかり型を守らせるorはじめはイイヨイイヨーで徐々に規制を入れていく)は、入学前にはわからない
↓
子供側の適応力が重要
中1の数学授業
・宿題やればバカでも解ける基本問題であり単調、または大学院レベルの数学的思考を醸成する目的の問題で、子供や素人さんには、やる意味がわかりにくい
・受験生の時算数難問で得ていたズバビシッていう快感は、いったん消失
・解答はできるけど途中式でひかれる屈辱
→小学校1年生の算数授業に近いものがある
☆中1-2(カリキュラムにより中学・高校範囲)で落ちぶれないのに必要な要素
・柔軟
・従順
・思考力高すぎないor思考力の逃し方がわかってる
・曖昧さを許容する力
↓
多様なお作法の違いをふんわり受け止め、面白くなくてもなんだかんだやる。
☆中1-2での数学不適応を招きかねない要素
・難問好き(っていうかやりたいことしかしない、基本問題を軽視、ケアレスミス多い)
・上位にいる優越感に依存
・答え出す気持ちよさに依存(過程すっとばし)
☆私立中学校特有の事情
・テストで選別された集団
・公立よりも進度が速い、深度が深い
・部活などとの兼ね合い
・まわりもスタートダッシュを狙う
・算数の腕には自信があるからこそ、ケアレスミスで平均点を割る屈辱は耐え難い
・上位にいて優越感を感じられるかは運で、劣等感と紙一重
→ストレスを感じやすい
→お作法の時間などと割り切る心の余裕がない
→承認欲しさに解答を急いだり焦ったりして、過程をますます軽視。
↓
解答してるのに、途中式や証明をすっとばし、失点スパイラルへ。
↓
数学わけわかんねーつまんねーQ.E.D.
☆コミュニケーション、プレゼンテーションの練習としての数学
・「答えに至った過程を書きましょう」と言われても書けないのは、算数能力を駆使して4段抜かしで思考している可能性
・採点者の属性に合わせた答案作りは、プレゼンテーションスキルの基礎となる
普通のセンセ
難関大卒のセンセ
難関大数学科卒のセンセ
難関大数学科大学院卒のセンセ
採点バイトもいろいろ
採点ミスでバツにされるのはもったいない
↓
どれに当たってもいいようにするには、大は小を兼ねる?美しさ?←答えはない
兼ね合いは美学とか宗教の世界…正解はわからない
↓
ダメ出し=ひょっとしてお役立ち情報かも?と許容するメンタリティを作ろう!
おわりに、不安の話
ポッドキャストの内容はザックリ、こんなかんじ…だった気がする(忘れた…………お粗末な頭ですまん!Fランだもの、みつを)。
結局ね、才能と優越感だけで打ち上げ花火しても、続かないんよ。
石に漱ぎ流れに枕す的な努力をして克服経験をして、
「しんどくてもなんだかんだやると楽しくなってくる」
って実感させておかないとぉ。
そのためには【お作法】って役に立つんだよね。無駄に思えるかもだけど。
…あっお子さんが算数星人だからって、怖がりすぎないでね!もちろん、算数ポンコツ勢もね!
それぞれの席がありますからね!
過去記事もぜひ!読んでくださりありがとうございます!
中学受験を楽しくするコツがいっぱいだよ♪
算数得意な子をわざと弾く学校もあるから気をつけてね!
https://noudeka.com/entry/2021/03/13/130127#%E5%90%88%E6%A0%BC%E7%8E%8780%E3%81%A7%E4%B8%8D%E5%90%88%E6%A0%BC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%A8%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB
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わざわざはじめなくてもいいよ、情報の海に溺れてしまわないでね。情報なんてなきゃないでいいのよ、どうせ全部覚えておけるわけじゃなし…。
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よその子の成績とかインターエデュなんか見てないでいいから…おばちゃんブログ読んで幸せになって(笑)!
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*1:ここをクリックするとラジオ音声が出ます。20分ほどお耳を拝借〜。 作業しながらもよし、下記レジュメや、関連記事をご覧くださるもよし! [:contents]
*2:蛇足ですけど、中学受験後や思春期に、塾ブースト・親ラブブーストが外れたことにより本来の位置に落ちてゆく感覚とは、違うみたい
*3:文系の大学と言っても、東大文IIと阿蘇国際大学法経学部とでは全然違うだろうから、ざっくりだけどね。数学検定のための数学、みたいなのもありそう。 英語で言うと、イギリスのウルトラ上流階級英語(ラテン語教養必須)と、イギリス上流英語、イギリス下流英語/オーストラリア英語/アメリカ英語、TOEFL英語、医療系やIT系の学会英語、TOEIC英語、ECCジュニアでなんか違うよね、みたいなかんじかなぁ…おばちゃんはイクラちゃんみたいにハーイ\(^o^)/しかよう言わんけど。
*4:家庭教師でもいいけれど、どの先生も自分が学んだお作法にこだわってしまうところがあることは、お子さん側がよく知って、柔軟さを持って受け取るようにせねばなりません
*5:と言っても、人によってお作法が微妙に違い、揺らぐので、国語の記述の採点みたいにモヤっとする場面はある。上等な数学を志しながら、揺らぎとモヤモヤを許容できないと、どんどんヤバイ奴になっていくのはこのためではないだろうか…と邪推せずにはいられない。 勝ちへのこだわり、順位へのこだわりと、採点などの揺らぎを許容できない気持ちは、相乗効果で強まって心を蝕むときがある。数学者ガウスやナッシュとかの再来と呼ばれたいとかでなければ、努努強化されませぬよう、気をつけられたし
*6:感情的プレゼンテーション能力はトレードオフになりやすいな…その人の脳のキャパ次第だが…