「昔はみんな、普通に成長した」と言われます。
育ちというものは、研究で明らかにできる性質のものではありません。ですから、想像にすぎないことをお詫びしつつ、今回は6つめの
・景気が上向きだと信じることができた
にフォーカスします。
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こちらの続きです。
景気がいいと、社会は優しい
景気が上向きの時は、社会全体のストレスが弱まっています。よって、社会の寛容さも期待できます。
右肩上がりの好景気は、青年期以降の自己肯定感に最大最高の影響を与える事象を後押ししていました。
青年期以降の人生満足度に最大のエネルギーを与えるのは、
「親を超える」
「異性にモテる」
ということです。年功序列の終身雇用制度、お見合いなど、時代背景や景気が若者たちの明るい未来展望を支えてくれていたのです。
もちろん時代の恩恵に預かれない人たちもいました。それでも社会全体が高揚感に包まれていた時代は、仕事をするにしても子育てをするにしても、ささやかな夢や希望を持てたのです。
現代の日本では
景気は再現できません。しかし、頑張っても無駄、という誤学習をしにくい環境を用意することはできます。それにより現代日本にも
「頑張ればチャンスをつかめる」
に近い環境を再現できます。
また、親を超えるイベントは今も子どもたちの心を支えています。
完璧な親は尊敬されますが、自己肯定感を得にくい子どもを育てるにあたっては、必ずしもプラスになるとは言えないのです。
親にはとてもとてもかなわない、と思い込んだ青年期以降のアスペルガー傾向ありの子は、ずっと庇護される、という選択肢を消極的に選びがちです。
誤学習を繰り返す中で、また、高い生活レベルに慣れてしまったがために、親の庇護を蹴って出ていくのに不可欠な反発力、実現力、モチベーションが失われているのです。
親御さんは、お子さんに対して、超えられそうな超えどころを残しておいてあげてほしいなぁと切に願います。
完璧なお子さんを育てようと思うのでなければ、親は完璧でなくていい、むしろ完璧であってはいけないとさえ思います。
親御さん自身、ダメなところがあって、それを認めて、あれこれ工夫をしながら折り合いつけて暮らしている、ということを早期から刷り込んでいくと良いでしょう。
(※親を見て学ぶタイプで、かつ、完璧ポテンシャルを持ったバランスよいお子さんであれば、是非、こうあるべきという完璧な姿を見せてあげてください)
続きます。
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