失敗を恐れる、これは当たり前の防衛本能です。
一方、成果、快感といった脳のごほうびを得たいというのも本能です。
後者が勝れば、宝探しのための試行錯誤を始めます。
宝探しをした結果、結局、得られる脳のごほうびがなかった、わかりやすい金銀財宝がそこになかった、ということにより、やる気(試行錯誤する気)を失うのです。
これ、防ぎたいですよね。
結果主義の子には過程に目を向けさせよう
そのためには、園や学校などがもたらす
「尊いのは、成功・勝利・トップ」という洗脳よりもずっと強い洗脳で、
「尊いのは、過程で得た経験や縁、謙虚さ、自分を幸せだと思う心」
等という思考を刷り込む必要があります。
「宝物=チャレンジ経験、失敗経験、力を合わせて探す過程で得た経験や絆」
と、ことあるごとに示してあげてみてください。幼ければ幼いほど効果があります。
この考え方に寄せていけば、うまくいくかわからない一歩であっても、踏み出すことの苦痛、恐怖の軽減が見込めます。
結果だけを見ていると、運やまわりの人の出来など、自分ではどうにもできない乱数に左右されてしまうため、慎重な子はやがて動けなくなります。
過程を大事に、とよく言いますよね。自力では、身に付けにくい考え方なので、殊更に強調する必要があります。
しかしASD風味や百ゼロ思考が見られる子ならば、母親など大大大好きな人に意識的に刷り込まれると、びっくりするほどぴたっと身に付くことがあります。
また、大きくなってからでも、大好きな人に刷り込まれれば、身に付くことがあります。
試行錯誤の段階・過程に価値(快感)を見いだす思考システムは、より平和で明るい人生をもたらします。
「壁にぶつかること」は失敗なのか?
多動のない、おとなしい受動型自閉圏のお子さんは、壁にぶつかった時点で止まりがちです。
これは、壁突破、勝利、トップを成功、壁にぶつかることを失敗というように百ゼロ思考で認識することが進行してしまい、試行錯誤=失敗の連続 ととらえ、やる気を失うためではないかと思います。
百ゼロ思考は、負けず嫌いを努力に繋げる偉人育成には役立ちます。しかし、成長の機会を逃させやすい思考でもあります。
親御さんは、
「頑張っていたのは見て知っているが、目立った成果がない」
こんなときこそ承認し、称賛するとよいと思います。*1
成功したときは、ほめられなくても脳がセルフサービスでごほうびを得ています。わざわざほめなくてもいいと断言する達人もいるぐらいです。
試行錯誤の9割は失敗でできています。
そのものが成果だよねー!などと口走りながら接するなどして、【失敗から始まる試行錯誤】に、是非、よいイメージをつけて、お子さんに渡してあげてくださいね。
*1:2022.6.5追記、精神年齢や心境により、褒めるとかえってひねくれることがあります。そのときは褒めずに、感謝をしてみましょう。「感謝するようなことなにひとつしてくれない」、そうでしょうとも!ぜひこちらお読みください noudeka.com