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もしかして発達グレー研究所~凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

なじめない、生きにくい。そんな子達の青い鳥ドコー?志村!後ろ後ろ!

個人面談の戦略

キーワードはwin-win

「労力を割くメリットがある」と思ってもらえるように保護者がプレゼンするのです。

例えば、お子さんへの指導方法を変えてほしいとき。
療育を頑張ってきた親御さんは、うちの子の個性を大切にしてほしい、だから関わり方、叱り方を変えてほしい、という、子どもファースト、言うなれば自分達本意のスタンスで話してしまいがちです。

逆に、「言っても聞かないので先生!ガツンとお願いします!」と親御さんが言ってしまうケースもあります。


私はどちらもあまりおすすめしていません。
前者はワガママや甘えと受け取られかねませんし、後者は、「親の希望通り、叱って教育してやっている」という認識のせいで、ひとたびエスカレートを始めると歯止めがきかなくなりがちだからです(実際に経験させてしまいました)。

「担任ファースト」という戦略

先生の対応を、個人のためにどうしても変えてほしいときは、先生にとってのメリットをちらつかせながら誘導したほうが、合理的です。

・集団教育の大切さはかねてより重々感じております。←義務教育への理解を示します

・うちの子一人でも厄介なのに、集団の中で扱わなければならない先生の大変さは想像を絶します。←先生の仕事の困難さを斟酌し、先生への敬意を示します

・社会性の発達に遅れの見られる我が子が集団からこぼれることにより、集団が乱れてしまうことを懸念しています。←集団の劣化を懸念している、と強調します

・家族一丸となり、試行錯誤しながら、小集団においては嫌な経験、嬉しい経験などから学ばせており、社会性は向上しつつありますが、学校という大集団への完全合流はまだ時間がかかりそうです。←集団の劣化を招きかねない子に対し、家庭で適切な負荷をかけ、家庭教育を計画的に行っていること、現状の到達レベルを示します


・叱られ方、関わられ方によっては、自他に対して暴力的になったり衝動性が強くなったりして、集団の利益を損なう言動に走ってしまいます。憂慮しております。←学校で担任が負荷をかけすぎると集団に悪影響が出ると示します。


飽くまでも例ですが、こういった「担任ファースト」なスタンスをベースにお願いするとよいです。


「このように扱えば、我が子に集団の利益を害されずに済むのではないか」という提案をすると、「じゃあ、やってみようかな」「考えてみようかな」と思ってもらえやすく、多少の協力が得られる可能性が上がると思います。

担任の心を開かせる言葉

先生によって千差万別ではあります。
一例にすぎませんが、こんな言葉をちりばめるだけで、「学校、教員の立場を斟酌してくれている」と先生に感じていただくことができ、こちらに有利なペースで交渉を進めやすくなることがあるよということで綴ります。


・クラスという集団を乱し、先生にご迷惑をおかけすることを懸念しています。

・親として、教育の責任を感じております。

・保護者として至らぬところが多々ありまして/親自身未熟で(有能だからこそ言える言葉、という雰囲気が出せれば最高)

・家庭や小集団でできることは、本人も親もコツコツ積み重ねているところです。

・学校ではどうか先生のお力をお借りしたいのです。(業務提携の申し出は、下から目線で)

・集団との兼ね合いがあるでしょうが、可能な範囲で○○(具体的に)していただけますと助かります。
※配慮、では、親御さんの気持ちは通じません。求める配慮は多種多様であることを忘れると、明後日の方向に向けた配慮が始まり厄介なことになります。

・人を必要以上に刺激してしまうところを修正中です。ご迷惑お掛けしています。

・こちらで時間をかけて先生のお気持ちを教えるなどにより、ご指導しやすくなると思いますので、先生のお気持ちは保護者に伝えてくださればと。(子どもにぐだぐだ言っても拗れるだけだからヤメテ!なんて言っちゃだめ!)


こういった、いわゆる「下手に出る」ニュアンスで接した方が、中途半端なモンスターペアレントよりも対応してもらいやすいと思います。

ちなみに、一番要望が通りやすいのはめんどくささ偏差値70以上、意味不明の言葉で口角泡を飛ばし怒鳴る親や、徒党を組んだり各所と連携したりして追い詰めてくる親等ですが、子どもごと疎まれる等リスクが大きいので、転校する気がない場合はやめておきましょう。

一番放っておかれるのは、大人しく地味な、つるまない親の子です。
めんどくさい親偏差値55ぐらいを目指しましょう。

(2023.1.1追記 あんまりいい人感を出し過ぎない方がいいです。先生のカウンセラー役をさせられてしまいますので。)

番外編

あるケースでは、パワハラ指導を行う担任に対して
「集団とあの子を同時に相手するなんて、私が先生だったらとっくに芽むしり子撃ちしてると思います、先生の根気強さに感謝しています、ありがとうございます。」
という関わりによって、パワハラ担任から、冷静さを引き出しました。

あるケースでは、
「人前で叱られると、余計に心を閉ざしてしまい、他害などの問題行動が増える傾向があると専門家(親はわがこの専門家なので嘘は言っていない)に指摘されています」
と、方便を用いて、叱り方を変えてもらうという要望が通りました。

これは極端な例ですが、保護者が担任をよく観察し、知恵をうまく使うことで、親子にとって都合のよい関わり方を担任から引き出せることがあります。


責任と利益

子どもに対して責任を負うのは明けても暮れても、親と本人です。
個人の責任は保護者にあることを前提としつつ、集団に対して責任を負う先生、子どもに対して責任を負う保護者、両者の利益が相反しないように調整し、担任の先生との頭脳戦を進めるのがよいと思います。

忘れがちなのは、お子さんに対して、基本的には隠さずに、情報提供を行うことです。
親と、憎き担任が結託していると認識されてしまったら、取り返しのつかないことになりますから、
「私は、わが子のためのスパイとして担任に接しているのだ」ということを伝えておいたほうが良いと思います。

そんな、ずるい、と思われるかもしれません。私もそう思います。
綺麗ごとで育児ができるのであれば、きれいな子育てをすべきです。
が、
そうでなければ、親としての美学にこだわりすぎず、清濁併せ呑む覚悟が必要です。
子育てに正解はありません。
適度なずるさを手段として身に付け、身を守るという柔軟さがあってもいいのではないでしょうか。

次は担任の立場から見た個人面談について触れてみます
noudeka.com


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