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もしかして発達グレー研究所~凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

なじめない、生きにくい。そんな子達の青い鳥ドコー?志村!後ろ後ろ!

2月の連戦、3日目の朝。2020年2月3日朝豊島岡

【とっちらかり受験20】
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『二月の勝者-絶対合格の教室-』7巻の1コマ,高瀬志帆先生Twitterより。小学館より2月12日発売です!
2月3日朝。受かる気がしない。

起きられなかった。

お布団が

私に「危ないから行くな」って言ってるみたい。


受験生は最後の最後まで伸びるから

寸暇を惜しんで勉強すべき、って言うけど

まともに勉強積み重ねてこなかった私は、

何をすべきかわからない。


ぬりえみたいなノートを辞めて、

中身のあるノートを取り始めたの、最近だし。

「コアプラ貸して、問題出すよ」

って母親が言った。

この人の勘はよく当たる。


でも、反射的に、

「コアプラとかのは全部解けるの、

豊島の問題は、そういうのじゃないの」

と言った。

6割は強がりで、

7割は本気でそう思ってた。


君の場合は

短期記憶が異常に強いだけで

長期記憶になってない

自分で繰り返しを作って身に付けろって、

パパはしつこかった。


「サピックス」の

「大規模校」の

「桜蔭コース」の

「例年受かる席」に漕ぎ着けたのに

なんでそんなこと言われなくちゃいけないの。

ってずっと思ってた。


落ちて、

フラれて、

ぼんやり感じてるのは、

知識が足りてないらしいってこと。


定着のための、

穴埋めのための繰り返しをしてこなかったからだ。


目の当たりにしたくない。

せめて試験が始まるまでは、

圧倒的努力不足、

積み上げ不足、という現実から目を背けておかなきゃ。



現実が怖すぎるから。


それに、

間違いチェックもついてない、

ほぼまっさら新品なコアプラスなんて

カッコ悪くて開けない。


パパが言ってた

「こうやって、一冊に書き込みまくれ、

短期記憶タイプが知識をモノにするためには

それしかない」

って言ってたのを思い出す。


パパは全部知ってたんだ。

私は、パパと私は違うから。

って、聞き流しちゃってた。

パパは、私のこと全部知ってて、

あんなに言ってくれてたんだ。

自分の勉強の本を示して

こんな風に書き込んでごらんよって、

見せてくれてもいた。



今さら気付いても、遅いよね。


現実と向き合うのが

6年の冬では遅すぎる。


まして、

2月3日。

今向き合ったら、私の心は壊れてしまう。

……

激励の列が見えてきた。

ああ、何度目だろう、

3回目、いや、5回目だ、

8割は嬉しくて、

7割は申し訳ない気持ちで握手をする。

……なにもかも計算合わないな。



校舎から来てくれた激励の先生に会えて、

握手しながら

「朝御飯何食べた?」

と聞かれた。なんだっけ。


教室に入ると、

有名な、超優秀な子がいた。

女子校全制覇に来たのだろう。


マウンティングや嫉妬の馬鹿馬鹿しさを

私に教えてくれた、女神のおひとり。

憧れのお方だ。



待って。

意味がわからない。


なぜ?

なぜ、2月3日まで

負け続けてる私と同じ受験をするの?



考えがまとまる前に、

友達同士なのだろう、

隣の子と話している声が聞こえてきた。

「あれっなんでここにいるの?JGは?

そうなんだ、私も落ちたんだよ。補欠候補。

1回目の豊島はダブル出願で……」




ざわめきにかき消された。


やだ。



なにそれ。


やだやだやだやだやだやだ。



常勝、と言えばあの子、って言われてる子が

ここにいるなんて。







まわりが全部、

「そのレベルの子」に見えてきた。






まさか、まさかそんなはずはない、

何かの間違いだ、

振り切ろうとするけれど。

猛烈な怖さが襲う。




空気中に、一酸化炭素が増えたみたいだ。


苦しい。


待って、そんな恐ろしいことしてるの?私。

あの子でも、まだ受からないなんて、

そんな恐ろしい領域で戦ってるの?



家庭学習ろくにせず、

先生のショー楽しんで、

最後の2ヶ月弱でなぜか伸びてきて

チャレンジ権ゲットした私なんて。




無理無理無理無理。





あの子だって落ちてるんだから、 無理。

あの子みたいな子が

豊島岡のたった40しかない枠を

取りに来てるんだから、無理。



無理の根拠ばかりが、増えていく。




第2回の問題セットは、

私にとってそれほどハズレじゃなかった。


でも、無理だと思った。

勝ち目がない。


あんなすごい子たちが本気で準備して、

本気で受けて落ちているのに、

私なんかが受かるわけない、

もし受かったら、

そんなのおかしい。


ご都合主義のファンタジー小説と変わらない。

そんな現実、下らなすぎる。


あっ、これって、

サピックスの国語の教材にあった……

桔梗が丘の話だ……



桔梗が丘は、芦屋とか横浜山手とか

田園調布とかみたいな街。


主人公はその街で、

プライドたっぷり選民思想バリバリで

過ごしていたけれど、

家が落ちぶれ、

引っ越しを余儀なくされ、

桔梗が丘とは縁遠い暮らしを送るようになった。


なんとか這い上がり、

十何年後かに、再訪。

桔梗が丘は

優しく受け入れてくれた。


だけど

そんな桔梗が丘なんて

自分の好きだった、

あの誇り高き桔梗が丘じゃない、

もう二度と来ない、

みたいな話……


あれって、

あの桔梗が丘って、

もしかして、

私にとっての豊島岡のことかもしれない。



こんなダメな私を受け入れてしまうとしたら、

そんな豊島岡なんて、

全然素敵じゃない。

全然好きじゃない。


豊島岡は、私の初恋の学校だった。

さようなら、豊島岡。



2月3日月曜日、11時40分、

第2回入試終了のチャイムが鳴った。


お化け屋敷から逃げ出すように、豊島岡を出た。

人混みに母を見つけると、ほっとした。

やっと、たっぷりの酸素を吸った。


もう1回出願してるけど、

受かる気がしない。

ここにもう一度来るなんて無理かも。


2月3日 12時10分。

                                          • -

続きます。

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