【とっちらかり受験26】
「すぽっ」
という間抜けな通知音と共に降りてきたメッセージ。
「父:○○で頑張ってもらいましょう。」
そこに書かれた校名は、
豊島じゃなかった。
強めにまばたきした。
ダメだった、って、こと、ね。はい。
平静を装う。
今まで塾のテストの度に、そうしてきたように。
私、成績に興味ありませんから。
って顔なら、
誰よりも得意だという歪んだ自負がある。
どーん、と胸に重いものが乗っかった感覚はあるけど、
思っていたより、動揺していない。
あ、意外に、傷付かないもんだな。
母が私の横顔を見ている。
どんな顔してるのかな。
すごく気になる。
でも、首が固くて、母のほうを向けない。
目を見られたら、
なにかを見透かされてしまう気もした。
今日、試験前に、廊下で
豊島岡の先生たちが話していたシーンがフラッシュバックした。
「なんで昨日も
あんなに早く採点が終わったのでしょうね」
雑な採点してるってことでしょ、国語を。
って、ちらっと疑ったんだった。
……番号がないという現実と、
手応えよかったという現実と、
豊島岡の先生たちの会話という現実が、
みるみるリンクしていった。
急激に喉が渇いた。
でも、
まだ、自分で確かめたわけじゃないから……
まだ、可能性はゼロじゃない、って思った。
まだ。
ほどなくして、こちらもネット発表に繋がった。
私の番号は、あっさり、無かった。
ふぅん、そうなんだ。
へぇ。残念。
いけたと思ったけど。しょーがないね。
………………無理。
なにかが押し寄せてくる。
涙を出さなきゃ壊れる。
声を出さなきゃ壊れる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
続きます。
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読んでくださりありがとうございます。
もしかして発達グレー研究所でした。
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