サピックスじじもんスクラム、ご存知ですか？
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今日は、サピックスにおいて長年「柱」、守護神を務めていらっしゃる、岡本茂雄先生のじじもんスクラムのお話です。
良いですよ…一般論から申し上げまして、新聞記事を、どう読めばいいかわからない、どう学習に活かせばいいのかわからない、そんな方にも、新聞大好きで読みまくり、ってお子さんにも。
このためだけに読売新聞とろうかなと思うぐらい。なんで読売なんだろ、まぁよい。
入試の社会科の点数を上げる目的で使うことももちろんできます。ほとんどの方は、その目的でしょう。特に入試の時事問題は夏までに作られるという都市伝説があるので、今は勉強し時かも…？？
が、たぶんこのじじもんスクラム、真の意図は、そこじゃないとおばちゃんは思います。
もっと、ずっと、深い。
真の教育者目線がそこにあります。
サピックスの隠し玉、使用上の禁忌
狭い価値観の中に生きるお子さんが、自分のポジションから見える見方、ありきたりの見方、斜に構えた見方を強めていくだけなら、じじもんスクラム利用はおすすめしません。
そもそもスクラム、おそらく「力を合わせて物事に取り組むこと」という意味で命名されてると思うんです。読売新聞とサピックス？それもそーかも。でも大事なのは、親御さんとお子さん。だと思います。
単一・独自のポジションに固まりやすい凸凹っ子、個人プレイヤー、繊細すぎる子は、自分目線で社会を知れば、社会=理不尽にしか見えなくなり、生きづらさにおぼれてしまいます。
そうならないためのチーム力を！というメッセージが込められてる…気がするのよ。
学んでほしいこと
じじもんスクラムから学んでほしいのは、社会の知識というより、物事のとらえ方です。
・人それぞれ立場、ポジションがあり、それぞれの考え方、利害得失あること
・異なる立場の者たちが折り合いをつけることの難しさ、面白さ、大切さ
人の営みには普遍性はあるようだ…が…絶対的正解はないのかもしれない…ポジショントークから離れるのは難しい…多くの人が、兄弟姉妹や友達との関わりや、恋愛、仕事していくうちに失う正しさへのこだわり…よく言えばバランス感覚は、お子さんにはなかなか理解しにくいものです。
正しさにこだわりがちなお子さんならば、親御さんとお子さんという立場の違う者同士で、視点を補い合い、バランス感覚を養う、という目的で使ってみるのをおばちゃんはおすすめします。
*1
他者視点の持ち方をデモンストレーション！
他者視点を持たない、と言われがちな発達障害当事者ですが、実は、全然そんなことないです。適切な訓練により、他者視点マニア、視点提供のプロにもなります。
記憶力や思考力には、精神的毒性があることは、しばしばお伝えしていますよね。荒ぶる思考力記憶力は、社会適応を妨げることも多いですが、他者軸と自分軸とのバランス感覚獲得に用いれば、かえって難なく、笑顔で適応します。
相手の気持ちを考えろ！という教え方ですと、どうもうまく行かないんだけどね。「相手の気持ち」だと、1つに絞らなきゃいけない感じがしちゃうんかもね。それに、身近すぎる相手の気持ちは変数だらけ。考えれば考えるほど定まらず、納得感が少ないですし、対自分、で考えてしまうため、利害が相反しやすいからうまく行かないのかもしんないね。
じじもんスクラムを利用して、任意の存在Aの立場からだとどういう世界が見え得るのだろうか、と「想定」するクセをインストールしてあげてください。
想定というクリエイティブな遊び
「想定」の楽しさをマンツーマンで教わった凸凹っ子は、「想定」のクリエイティブな魅力に取り憑かれます。持て余しがちな思考力記憶力を用いて、無限に他者視点、他者の価値観をコレクションし、他者視点での思考も愉しむようになります。
特にASDみがありますと、本人の日常から切り離された題材を用いて他者視点の取り方を学んだほうが、あっさりと視座を高め、日常においてもほのぼの境地に至ります。
そして、思いもよらない様々な、しかし整合性のある視点を提供される経験によって
「自分目線では絶対悪に見えている存在にも、なんらかのやむを得ない事情があるのかもね〜」
って受け取り方ができるようになります。
また、彼らは、相手の言い分に整合性があると感じられたら、認める 許す 受け入れる、ということを無闇に嫌がらない傾向を隠し持っているようです。
自分の許容範囲の狭さによってしんどい思いをしていた子は、柔軟になり、精神的ストレスが激減します。精神的ストレスが弱まると、各種の過敏性は緩和され、いろんなこわばりがほぐれていきます。
こうして、発達障害2次障害と呼ばれる不具合は断然起きにくくなります。マジだよ。
「うちの子、ちょっと口出すだけでキレるんですが？そんなのできるわけ無いじゃん！」って？
もちろん、いろんなお子さんがいらして、その子によって役立て方は違います。ご不安な方はご相談ください。
正直、自分の視座にこだわりすぎてトラブル起こしまくってる子クラスなら、サピックステキストなんかより先に、この「正しさは無限にある」と刷り込む関わりにコストを割いてもいい。
中学受験だけのこと考えたら正しさにこだわらせまくるのが正解なのですがね。「正しさは無限にある」という思考のクセをつけた方が、中学受験後の生活も、仕事や結婚、子育ても、ひいては人生も、満足度上がります。
ものの見方と考え方を柔軟にする作業。これがんばれば、中学受験後の生活が驚くほど充実しますから。
毎日やれ、なんて絶対言わないけど、やるときは、
・自分のポジションを知った上で、他者視点からも思考する
・見えない事情への敬意
・折り合い付けることの難しさ面白さ大切さ
意識させてください。大事な勉強です。今やってる勉強に追加したら反発されるでしょうから、大幅にノルマ削減してでもやってほしいぐらい…。
視座が上がる途中の葛藤
もちろん、視座が上がるがゆえの葛藤も生まれます。それも、先を生きてきた大人のガイドがあれば克服できます。
アホはなんでも
「国のせい」
「国が金払え」
と言ってガス抜きできますが、高額な税金払ってる家の、思考力高い子は、そういった言説に馴染めず、都度モヤモヤしてしまいます。
それでも、もう一段、二段と視座が上がればほのぼのやっていけるようになります。 折り合いつけるために思考力を駆使すると、憎しみや怒りからなんだかんだ距離を置きやすくなります。
真の教育者がもたらす「視点教育」
サピックス社会科の守護神とも申し上げるべき岡本先生。成績松コースから梅コースにまで伝わるようさぴあの言葉も研ぎ澄まされてます。あ、抽象的でわかりにくいこともあるんだけど、敢えて各自考えさせられるようになってて。
じじもんスクラムにおいて、中学入試作問者が避けがちな内容でも、かなり積極的に取り上げています。
また、授業を受けた子たちからは、個人プレイで競い合いさせず、チームで補い合い励まし合い慰め合う関係づくりを促している、という話がよく聞かれます。
おそらく、小学生時代こそが、親御さん経由で、立場や国、世代、様々な見方があることを体得できる千載一遇のチャンスであり、人格形成上ものすごく大切なフェイズ、というお考えが反映されているプロジェクト、それがじじもんスクラムなんじゃないかな…とおばちゃんは邪推しとりますです。
自走自走と、自分で勉強と取り組むことの大切さが昨今もてはやされてます。確かに、それも学力向上には大事よ。
ですが、物事の見方が偏りすぎないよう、それでいて自分の核は見失わないようにするバランス感覚や力加減こそが心と体を守る命綱になります。確実に身につけさせてあげたいですよね。
自走原理主義ですと、手持ちのバランス感覚が少しでもないと、バランス感覚、身につかないです。自走させていい勉強と、自走でこだわり強めさせたらあかん勉強、という感覚は、中学受験ではあんまり語られませんが、人格形成上は、必要だと思います。
視野の狭い大人も幸せかもしれないけど、君たちは視野が広くて幸せな大人になってほしい、そんなメッセージを感じずにいられないよ。
だからこその中学受験であり、じじもんスクラム、なんだとおばちゃんは思うよ。
読んでくださりありがとうございました！
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