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※前回の補足を含みます、偏差値急上昇ネタからの、カンニングネタ…から微妙にずれてきてる気がしますが…いつもながら寛大な読者さまに支えられております!
フック!
カンニング治療法、書き始めたら多種多様すぎて…書きすぎると選びきれなくてかえって困る方もいらっしゃるだろう、ということで割愛しました。コアなファンの方にはご理解頂けてるのですが、変に例を挙げないほうがいい気がしてきましてね。ちょっと今日は禅を紹介しながら参りますよ。鶏寒上樹 鴨寒下水(とりさむくしてきにのぼり かもさむくしてみずにくだる)一つの答えや方法にとらわれず、もっと多様なものと心得ましょうぞ。
「親は無能。飽くまでも試行中」と伝えながらお子さんの凸凹ハートにフックするものを探します。
トークでは親子の関係性がわかるので、個別にご提案させていただければ選択肢3-4つの中でキマります。当所は凸凹っ子にサクッと刺さる特殊な仕掛けを集めまくっており、今までのご利用者全員から感謝のメールを頂いております。
塾が「成績に一喜一憂しないで」と繰り返し言うのは、
・もしカンニングによる成績だったらマズイから
・わりとよくあることだし、そこそこ黙認・見逃ししちゃってるから
という裏事情もあるようです。…っつってもカンニングしてるとは限らないんだし、点が良ければ喜びたいし、悪けりゃどーにかしたくてモヤモヤしますよね。
「カンニングしてる前提で、常に省エネモードで子供に接しとけ〜」というのはかんたんですが、親の立場としては寂しいです。親御さんだって、推しキッズと一喜一憂したい!喜びを共有したい!というお気持ち、あるはず。お子さんと心を1つに一喜一憂し、子育ての楽しみも満喫しつつ誤学習させない手法は、また別に書きます。ご期待ください。
やってない!を言わせない
さしあたり
「カンニングしたの?」
と聞くのやめませんか?
罪悪感や警戒心を刺激し心拍数上げる以上の意味、あるのでしょうか。やってない、と言わせる必要ありますかね。
それなりの確信を持ってカンニングしてないか聞いて「やってない」「疑う気?」と返ってきたら、どうしますか?あなたは、そこから建設的な話を腹オチさせカンニング撃退させられるほど有能な取調官なんですか?
「やってない!」と言い張るとき、親子の心はダメージ受けます。
不正をしてなければお子さんは不愉快の極み。してても被害妄想や自己憐憫が出てきたり、逆に罪悪感に押しつぶされそーになったりします。お子さんの心にも親御さんの心にも、晴れないモヤモヤが残ります。
濡衣を着せられる練習も、犯した罪を責められる練習も、凸凹っ子には絶対必要ですよ、けどね、重たい疑惑の渦中では、練習と言えど克服不能な、過剰な負荷となるんですよ。また「きつい状況に追い込んだ他者への憎しみ」「追及を逃れた瞬間の快感」は、濡れ衣の上手な脱ぎ方よりも強く印象に残ってしまうものです。
ましてや、意識を介さない、反射的な言動の習慣を消去できていないADHD風味っ子の「やってない」を論証で覆そうとしても、お互い消せない怨恨と不信感が残るだけ。
普遍的な盲点
「ゼッタイダメ」「やった人が悪い、やられたあなたは絶対正しい」というような社会通念上の白黒だけを押し付けるのも禁忌です。自分がされたときやクラスに発生したとき、被害意識や怒りが高くなりすぎてしまうんです。ここ、現代社会のヤミというか…盲点になりがちなので何度も書きます。
正しさへのこだわりが強くなると、他者がやらかしてるときにその影響で、止められない人々への怒りと失望でメンタルボロボロ、となりかねません。ツイッターで「怒りで震えが止まらない」とか言ってる人たちは、ただしさへのこだわりが適応を妨げてる状態か。ネタか言葉のアヤでしょう。
これは、自分がいじめられてるわけでもないのに学校行かなくなった凸凹っ子の心で観測される反応と、とても良く似ています。
いじめやカンニングなどの問題行動を絶対悪、いじめからかばうことやフェアであること、悪の反対を絶対善だと認識しすぎていることによる、不適応リスク、二次障害リスクはものすごく高いです。これもっと知られてほしい。
「汚れた環境に住めなくなった」というタイプの不登校はこれ。増えてますけど、予防できます!
ただしさというのはかなりの猛毒です。学生時代は正義と信じる側にいつもいられたとしても、悪を野放しにする環境そのものを受け入れられなくなります。
あるいは、正義と正義の軋轢ジレンマ。中間管理職や3-4人兄弟ともなれば必ず経験することになるんですが、子供時代が論理的or受容的な環境すぎると、経験値が圧倒的に不足するんです。
学級会やSNS マスコミなどでポリティカル・コレクトネスを振りかざせばどんなに攻撃的になってもよい、というのを見て、正義感ってかなりの数の人を殺しているのでは、とうっすら気付いて葛藤していらっしゃる、慧眼な方も、当ブログ読者様には多いはずです。
カンニング対応は、冤罪リスクと、善悪へのこだわり強化リスクがありますから、勧善懲悪は非現実的。私設裁判所なんておこがましいと思わんかね。ここまでは、納得、という方も多いです。ここからではどうすればいいんですか、という話になります。
もちろん、お子さんに合った対処法はネット検索しても出てきません。正解はないです。「これでだめなら諦めもつく」という境地はあります。お悩み自己解決目指す方は、その境地を目指して参りましょう。
ちなみに、弁護士、検察官、警察、医師、理系専門職、教師、公認会計士ならただしさにこだわり抜く子に向く仕事、という誤解も、お仕事図鑑などの影響で蔓延してますが甘すぎ。
自分の信じる正しさだけでやってけるほど甘くないです。SNSなどで発言権を持ちただしさを主張する者が増えて、私達親世代のときよりもただしさが多様化・複雑化し、デフォルトで矛盾しています。ただしさにこだわれば必ずジレンマトリレンマに心を引き裂かれます。
子供がただしさへのこだわりを見せたとき、ほぐさずほめてしまうのは危険です。親の身勝手かもしれないと自覚し、すぐに解毒を行うべきです。
要注意ケースがほとんどです
繊細な子向けの対応が必要なケースと、一時の気の迷いであるケースがあるようです。ただ、見分けが一般の先生や親御さんには付きにくいです。一時の気の迷いか、要即応、要対処、後に雪崩となる誤学習かの判定は個別に行います。ブログでここが境目!とは申し上げることは避けます。
・社会通念に盲目的に従うタイプ
・誤学習が薄いタイプ
・点取りに飽きそうなタイプ
・自分への甘さが「結局そんなに成績もいらないや」という方向に切り替わるタイプ
この4タイプはカンニングについてはそれなりに自動的に収まって小さくまとまっていくので見逃されがちですが、別の不適応を招く特性を(面倒くさがりとか飽きっぽいとか)併発してることもあるのでそこは鋭意お気をつけ下さい。
立て直す=復元、元の列車に追いつくことではない
丁寧に立て直し、腹落ちさせましょう。事実確認や原因などを取り調べするのが再発防止になるとは思わないでね。当所でも、真実を明らかにしたがる親御さんに、その行動の期待値の低さを腹オチしていただくとこから始めることが多いです。*1
立て直す…と申しましたが、その中身はいろいろです。
研鑽技術を身に付けさせ、偏差値を急上昇前よりも高く安定させるという対応もできますが、同時にどんな立ち位置も受け入れられるよう、こだわりをほぐします。バランス取ること自体を楽しめるように仕向けていきます。
凸凹っ子にもよりますが、親がブーストかけて子の退路を絶っていいのはスーパースーパースーパーエリートのみです。
知能の高い人の鬱を真剣に考えますと、目標の下方修正も、立て直しの1技術として、お子さん時代から学ばせておいてあげるべきです。
治療法より大事なこと
カンニングの治療法ひとつひとつの手立てよりも大切なことがあります。
それは、親の意図と言動選択の過程と選択結果を明確にして伝えることです。
たとえば
・【意図】カンニングは損だと理解させて辞めさせたい。
・【言動選択の過程】なので痛い目に遭わせることも視野に入れているが、恨みが残るのは良くない
・【選択結果】これ以上聞かないことにする
みたいにね。
もちろん秘密裏にやったほうがいい場合もありますよ?けどね、基本的に親御さん皆さんね、手の内隠しすぎ。
親は女優になれという一般論がありますが、向いていない親子いますって。その場合の親子はチームメイトか同じ目的を持つ同志。少なくとも騙し合いのライバルではないはず。どうか恐れないで、戦略を共有していただきたい。
「どんな意図でどんな働きかけがなされたか&結果、この子のこのフェイズの場合」これ、凸凹っ子にとってかけがえのない学びがあります。
隠しておくのはクソもったいないです。
どれぐらいもったいないかというと、バリ高いカテキョ個別付けて「勉強内容」だけ教える中学受験準備。もしくはインドアでしか運動・体験させない小学校受験準備ぐらい。うわ、もったいないね。もったいないおばちゃんが出るぞ。
特に凸凹っ子にとって、自分が受けた教育手法と意図の種明かしは、超貴重なお宝情報です。
変わり者の他者、似た者同士の次世代や配偶者あるいは自分を育成するとき、参考にできる可能性が高い、貴重なデータなんです。しくじり例であってもね。
一般的な教育手法や心理学の本や論文には「多数派に効くこと」はたくさん載っています。でも、少数派にガツンと/じわじわと効く(かもしれない)教育や心理療法は、統計上は誤差扱いされています。
中でも凸凹っ子の問題行動対策については、大した学術的データありません。せいぜいASD ADHD LDのくくりごとに少しずつのデータがあるものの、そもそもそのくくりが妥当だったのか、バックグラウンドはどうだったのかなどもよくわからなくなってしまって「ただの数」。
アメリカ人がアメリカ社会でどうか、なんて知っても別に…。それより卑近ななまなましい大量の生情報、大事です。その子にとってかどうかは、その子のクローンをたくさん育て実験しないと誰にもわかりませんが
「似たタイプの生まれ育ちとバックグラウンドを持つ先達のしくじりとフックした手法」
というのは最高のヒントです。
自分に対してとられた教育手法を本人が知っておくと、どうなるかって?
自分には効かなかったぞ/効いたぞ、などと考えます。あ、全員じゃないよ。ASD風味やADHD風味で「なぜかな?」「試したい」と思うタイプなら、どうアレンジしたらより良くなるかな、みたいに、レパートリーを深めたり試したりする経験を自然に増やしながら成長していきます。
もちろん、相手、時代、TPOによるアレンジが原則で、成功体験に引っ張られてもいけませんね。そこは釘を刺す必要もありますよ。それでも、手探りで教育してきた親御さんから生データをもらい、手探りのコツを習ったほうが、お子さんが自分でゼロから知見を積み上げるより、適応にずっと有利です。
教育力という資産
教育資源という言葉が流行りましたが、よく言われる教育資源は遣ったら終わり、1代限りです。
多様な教育手法や教育力を持つことはどうでしょう。学歴や年収を直接的に上げるかどうかはわかりません。しかし半径5mの日常、ひいては人生をぽっかぽかにすることにつながります。
教育力は、誰かから奪って成り立つゼロサムゲーム的なものではありません。感謝、敬意、笑顔、健全なユーモアセンスや人柄もそうです。誰にも損をさせずに、利益を生み出します。
あなたが、子育て経験の手の内をお子さんに明かすことは、埋没資源、金脈の見つけ方を教えるようなものです。
「受け取り方って要素もけっこー強い気がするから、うまくいったとしたらあなた自身のお手柄という部分が9割あるかもね〜」
というような、謙虚さ?ゆるさ?を示しつつ、親の洗脳の責任と、お子さんの受け取り方の責任、どちらもあることを、折に触れて伝えてください。
・自分はひとりで生きてきたわけではない。人は良くも悪くも影響し合いながら命(遺伝子)を守っている、という共生感覚
・自分が人生の舵を握っているという充足感と責任感(時にはほどよい諦念)
人生経験を積むことでバランスが崩れていきやすい凸凹っ子だからこそ、人生経験をたくさん積む前や積んで崩れたとき、この微妙にズレた2つの感覚をバランスよく持つことの心地よさを体感させればハマってくれます。
他人のカンニングで疲弊するような几帳面な親御さんと繊細なお子さんの組み合わせですと、人に関わり影響を与えてしまうことが怖くなって不登校、ということもよくあります。そうなる前に「それなりに考えての言動であれば、あとは受け取り方の自由とも言えるんだなぁ」という感覚を持たせておけば、心のひらりマントになります。
親御さん他人が手を焼くような、自分に似た育てにくい子の教育、部下・上司や配偶者の適応度up、自分の育成にも、効果大です。半径5mの幸福度を上げていけるようになります。
何年かすると教育のセンスのようなものが身につき「私は自力で頑張った」という人よりも「打率」も再現性も高い、広義の教育ができるようになるでしょう。
カンニングの有無に関わらず、偏差値はゼロサムゲーム。自分が高ければ誰かが低いという性質に近いものです(茂木健一郎氏がよく提言する偏差値からの脱却というのはちょっと外国かぶれというか共産主義っぽいっていうか…おばちゃんのとはちょっと違うんだ。おばちゃんは、偏差値というものさしがいいとか悪いとかの話はしてないつもり。長所短所知って便利に使おうねー、ぐらいに思っとるよ)。
勝ちたい、目立ちたい、高い偏差値を取りたい、承認されたい、という気持ちがあまりにも強い子がいたとします。親から心が離れてからどうなるでしょうか。
それはおばちゃんにもわかりません。偏差値というゼロサムゲームを親が応援し勝たせ続けさせることは、本当にその 親子にとってプラスなのか。知ったよーな口きいてますがおばちゃんだって予言者じゃないんで、子供の未来ははっきりとはわかりません。
禅の言葉をお借りすれば、風従花裏過来香(かぜかりよりすぎきたってかんばし)もともと香りのない風が、花に出会って香りを運ぶように、何かに影響を受けたことが人生を形づくるんです。一樹春風有両般 南枝向暖北枝寒 (いちじゅのしゅんぷうりょうはんあり なんしはだんにむかいほくしはかん)一本の樹に春風が吹いたのに、南の枝は暖かく感じるが、北の枝には届かないということから、予想外の結果が起きるものということ。
良くも悪くもコントロールし得ないことがあるのです。だからこそ当所は、勝ち負けマインドの代わりに、リスクヘッジとしても効果絶大な幸福感受性強化法に言及し続けます。
お願い
カンニングトラブルを踏まえて、親子のダメージを軽減する方法を長々お伝えしてきました。
1つ目は、親御さんが、偏差値や順位を重く受け取りすぎないこと(一喜一憂しない)。
2つ目は、カンニングは良くない、けど、わりとよくあること、という心構えを持つこと。
まとめるとなぁんだそんなことかーってかんじですが、おばちゃんの熱い気持ち受け取って下さった方も多いはず。どうもありがとうございます!
カンニングなんて技術的には可能。やるときゃやるもの。衝動性/こだわりってそーいうもん。
実際、仕事していく上で、アリとナシのギリギリラインを見極めに行くぐらいのことはせにゃならんこともありますよね。「ダメなものはダメ」で終わらせていいのかなぁと葛藤して、どう心の折り合いをつけたのかを「正しいやり方」としてではなく「初心者のチャレンジ行為」としてお子さんにも知らせてあげておいてほしい、などなど勝手なお願いをお伝えしてまいりました。
割り切れと言われても割り切れるってもんじゃないですから、おばちゃんの意見に反対でもかまいません。
ただ、カンニングされる側はじめ、被害者に心を寄せすぎると中学受験どころでなくなります。ただしい心の副作用ダメージで心を殺されないためにも「ただしい、悪い」というような概念をカチカチに固め過ぎず、こと、固まっちゃったらほぐし方を教えてあげてください!これはおばちゃん、譲れないポイントです。
親御さんがピンとこなくても、お子さんに
「そう言ってる人がいるらしい」
ぐらいなゆるさでかまわないので振っておいていただけたらと思います。
カンニングに限らず、いじめ、性犯罪などなどから心身を守るには、禅に近い考え方が不可欠と考えています。「悪いのは社会/相手だから自衛ではなく相手/社会を良くすべきだ、それが大人の責任だ」というお考えの方を、書き言葉ですぐに腹落ちさせられるとは思ってません。ただ漠然とした使命感から、何度でもお伝えせねばと思っています。
読んで下さりありがとうございました!
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*1:取り調べで激詰めを受ける経験をさせる、という目的で問い詰めるのは止めません。ま、そういった目的なら、まずは疑いがない平時にロールプレイで練習してからがおすすめですよ。