校風ってどんなふうにできるのだと思いますか?
開成を例に、校風のでき方を勘ぐってみましょう。
開成と言えば、東大合格者数?いいえ、チームワークです。
チーム無理…同調圧力無理…って子も、開成に入って、委員会や部活を一生懸命楽しんでいると、
「チームって大事だな、補い合うっていいな、優秀な人だけでなくて、みんなにそれぞれ役割があるんだなー」
って洗脳され、卒業することになるみたい。
開成って決して均質エリート集団ではないです。単体でパーフェクトヒューマンみたいな方ももちろんいらっしゃいますが、どことなく危なっかしい、なんか心配、みたいな子たちが仲間と育ち合う場所なんです。
教員室も動物園…じゃなかった、多様性に満ち溢れてて…性格おかしすぎでどう考えても人付き合いとか無理だろみたいな先生にもなんだかんだ友達がいて楽しそうに働いていらっしゃるという不思議な世界。
知られざる開成
開成、今でこそ、塾では伝統校名門校のくくりだけど。
もとをただせば、官僚になるための下町の寄宿制予備校。(関東大震災で今の西日暮里に移る前は神田淡路町にありました。都心じゃん、って思いがちだけど、震災前当時はあのへんは下町って認識でいいよね。違ってたら教えてください)
開成は、支配者階級のものでは、そもそもないのよ。
旧華族とか財閥風味のエスタブリッシュメントがわんさかいる学習院とか、貿易商として名を馳せた一族の御曹司どっさりみたいな都心の名門校とは、成り立ちが違います。
*1
1868年明治維新。
1871年開校。旧名・共立学校(きょうりゅうがっこうと読むらしい。時期によりきょうりつらしいけどよくわからないすまぬ)。
共立学校は、学者、あるいは官僚として立身出世するための寄宿制予備校。
明治維新直後から、全国津々浦々の勉学を志す若者が集まったわけですね。学費要らない兵学校比で、闘志弱め。学習院比で東京での地盤なし。…って子が比率的に多いのは必然。
勉学志す貧弱な田舎者…とは限らないけど、海軍陸軍の兵学校に向いてない、闘志薄めのほのぼのおぼっちゃんの比率、高かったろーね。
徴兵猶予があった時期もありますしね。
開成が、腹から声を出すよう指導するのも、棒倒しに向けてトレーニングするのも、入学時点では地方から来たインテリお坊ちゃんが多くて、弱々しかったという歴史的背景があるんだろうと邪推。
イカツイのは海軍陸軍の兵学校に向かったろうもん。
全国から集まってる。だからこそ、母校ベース、開成ベースで、東京での人脈を作り、頼るほかなかったのでござろうな…邪推だけど。
華族の出ではない、学問を志す孤独な子たちの寄り合い所帯だったわけですたぶんね。
「OB同士、初対面のときに必ず なに(色、組)だった?役職なんだった?と聞く」
と言われ、内輪ウケだのなんだの気持ち悪がられがちな開成卒。(でも閉鎖的ではないと思うぞ)
あれは別に開成卒の誇りがどうこうってんではない。
雑談が苦手であるがゆえに編み出された苦肉の策のフリートーク術とおばちゃんは思ってるよ。
内輪で固まるとも言われますね。それは
(時に小学校時代に比して)開成時代が楽しすぎて、そして特殊な箱庭であることを自覚していて、開成以外の人に自分の話が通じる自信がないってのもある気がするyo.
開成ならではの仲間感覚、内輪ウケ、には歴史的背景と、入学者の傾向(地元小、地元中で盛大に浮きこぼれてた子が多い、言葉の通じる人に可愛がられるとすごくよくなつく)が合わさって、今日に至るまで綿々と受け継がれているもの…と私は分析しています。
根拠はナイ。ごめんね。
親族も我が子も知人友人もクライアントさんもいるので開成ネタは尽きないんだけど、コアすぎて身バレするので書けないものが多いのが残念…。
開成と言えば、ぎん太くんのまんが!とってもリアルで大好き!
https://kspengin.hatenablog.com/entry/2021/10/04/080906
それぞれの学校が、それぞれの経緯を辿って今の校風をまとっています。…って考えると、なんだか楽しくなってきませんか(そんなん中学受験マニアのおばちゃんだけか?)。
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*1:エスタブリッシュメントもいるにはいる、いわゆる公家さんじゃなくて最盛期の武家タイプがね。男たる者、生まれ育ちに甘えてはだめだ!という強い教育信念を持った、真に骨太な保護者が骨太教育してる感があります。
*2:開成人脈はね、任意だけど、わーい!って言って入っていき、責任も果たしながら続けるといい。東京、大企業、あるいは海外赴任先、医局の中に、寄り合い、地盤、家族ができる感じ。しがらみ、鬱陶しいと思うときもあるだろうけど、これがあるから、OB家庭だけでなく、地方出身のエリート家庭からもディープな人気を集めているんだと思ってます。 東大合格実績はまぁおまけ。っていうかね、いちばん開成生にとって寂しくない校風の大学はどこかって言ったら、東大なのよ。開成が大好きで、もっと開成生でいたいなぁと思うと、東大かなぁ、となります。一番身近で、受けやすいし〜、みたいに自然になります。本郷キャンパスは西日暮里と近いし、入試に必要な能力も、思考力系で、似てるから馴染みもある。世の中で語られがちな東大合格者数日本一なんてのは、なんとしても東大で○○学びたい!とか 闘魂は!、みたいな熱い人はともかくとして、東大なら寂しくなさそう、木を隠すならとりあえず森が無難、みたいな子たちによっても支えられてる…気がする。 また、例年運動会文化祭などに遊びに来てくれる、大学生OBの影響ね。これがすごく強い。早稲田はまだしも、慶應文系行った先輩が「大学の友達と話が合わない」とこぼすのを聞いたり、東大行った先輩から駒場の猫の写真を見せてもらったり、五月祭や駒場祭でおごってもらったりするうちに親しみポイントが溜まっていきます。 あ、いずれにしても中高一貫時代、附属時代のコミュニケーションを世間のデフォルトだと思い込まないでね!どこの学校もそうだけど、馴染んだ環境一歩出たらコミュニケーションのスタンダードが変わると思って! 幼児〜小学生で苦労してきた子は 「中高の常識を社会に持ち込むことはできない」 って体得しててわかるんだけど、中高一貫校入学前に苦労してないと大学やサークルに馴染めなくて、開成の子とだけつるむことになる。 開成は、近年は医学部志望も増えてます。進路に関してなんの作為もされず、好きに決めていいのでね。現役で医学部医学科に進学する子はもちろん、親が医師で医学部にしろしろ言われて反発して東大理Iに進学して、統計とかガチってから、ふと最近親が弱ってきたなぁ、うちのクリニックどうすんだろ、後継ごうかなぁという気持ちになって医学部再受験する、なんて話も昔からよく聞きます。 開成は開成会というOB組織がマジで分厚くアクティブです。おじいさんばかりだ、なんて面倒くさがらずに参加するといいよ! 若き頃はわからないけどね、すごい人脈よ…大事よ…。 たとえばクリニック開業するにしても○○科開成会とかの情報があればクソコンサルに騙されることもないのよ。バイトに来てくれる医師も、メール1本でまともなのがみつかる。それも、m3.comとかの医師斡旋だと3割とかかかる仲介マージン取られず、確実にそこそこ以上の子が見つかる。そんなこんなで、医師にならねばならぬ子も開成いいよ。ただし、開成の数学物理化学生物できなくても理系に行って良いのだということは、しつこく教えたほーがいーよ。 開成の理系授業は、しばしば大学受験範囲からはるかに逸脱します。テストも、学者の卵発見問題やマニアのためのサービス問題、先生自身もわからなくて生徒に聞きたい問題などが含まれてることを知らないと、すぐに理系だめかもと思い込み文転しちゃうからね。 予め知っておくと 「難関校に入学したせいで医学部受験/理系進学を諦めてしまった」 なんてことがなくて済む。覚えておいてね。理系もできるハイブリッド文系爆誕することは国益にはなるし、あんまり知られると東大合格者数減りかねないからこんなところでこっそり持論展開しておく…