いよいよ○年生だね!などという定型用語は、しばしば発達凸凹っ子は煽られたり、不安を強めたりします。
最初に張り切りすぎてずっこけたことがある
「今度何年生?うわーお姉さん/お兄さんだね!!!」「○年生になったら、忙しくなるね!!頑張ってね」など、あちこちで言われます。
不安の多い子や、よく叱られている子にとっては、煽りとなってしまいます。
低年齢ですと、煽りを真に受けて精神的ストレスとしてしまいがち。
年齢が上がると、チッ、学年上がるからってそれがなんだよ…どうせ自分は…大人はなにもわかってない…系モヤモヤが生まれ、これまた精神的ストレスとなります。
いずれにしても、人に会えば会うほど定型文による煽りを受け、「新学期、極端にハイorダウナーな仕上がり具合になってしまう」という状態に陥りがちです。
そんないっぱいいっぱいの精神状態で、さまざまな変化に対応できるわけないです~。
何かしらやらかしますね。
または、(やらかさないようにやらかさないように)という呪縛で頭一杯。
さらに記憶力が無駄に良かったりした日には大変です。
「年度始め=嫌い、怖い」と学習して、忘れません。
もう年○さんなのだから、とか、いよいよ○年生、という1年分一気に進むかのなようなコメントとしてとらえ、恐怖や不安から、拒絶反応を起こすようになります。
幼児期の新学期にがっつり暴れ、受け止めてもらった感を得ている子は、
SOSの出し方を教えなくては!と親御さんが取り組むせいか、
それともごね得していたことに気付かないせいか、意外に落ち着いていきます。
一見なんの問題も無いように見える子のなかに、静かに焦りと不安を強めている子がいます。長い目で見て心配です。
ヘルプを出す間合いがわからず、いつか鬱などを悪化させてしまうかもしれません。
とある言語凸にはこんな説明
「行いが良いから、晴れた」「いよいよ最高学年」「新学年の決意」「期待に胸を膨らませる」「○○の伝統を守っていこう」「心をひとつに」「今年度もよろしく」などのお花畑定型文を浴びることを想定しましょう。
聞き流せる定型文を増やせば、必要な情報を聞き漏らす確率が下がります。
浴びせられるであろう定型文を事前に想定し、
モヤモヤの処理方法を身に付けておくと役立ちます。
えっ行い、悪すぎて今朝も叱られたけど?
個人個人の行いと天候関係ないし。
最高学年って言っても昨年度の人達だってろくなもんじゃなかったし。
新学年の決意しては破棄しては破棄だよな。
どーせ先生も決意を反故にするじゃん。
期待で胸が膨らむんなら豊胸手術いらなくね?
伝統って何?伝統作るって言葉変じゃない?
心って何?ゾルなのかゲルなのか?ひとつになるとは、融解なのか、混合なのか?
今年度もよろしくって言うけど、昨年度全然よろしくしてねーし!!
大人は聞き流せる定型文が、実はかなりテキトーな煽り文句だということがお分かりだと思います。
感受性が極まる環境下ですので、モヤモヤモヤッとする子がたくさんいます。
ではなぜ、このようなテキトーな定型文が使い回されているのでしょうか?
それは、恐らく定型文が
・短く、繰り返し言いやすく
・クレームとなりにくい
つまり「語る側の責任を問われずに済む、便利な言葉」だからでしょう。
このような事情を教えておくことで、定型文的な綺麗事による混乱を緩和できます。
学校では先生の穏やかな気持ちを引き出し、やりがいをもたらすのが得策であるとすれば、
・能あるなしに関わらず、4月は鷹として爪を隠すぐらいがちょうどいい
・新学年だからといって一気に成長出来るわけない
・学年らしくって言うのは理想論
等の声かけのほうが、お子さんのストレス負荷を下げることができるかもしれません。
※その子の性格や同級生の個性により、選択するアプローチは異なります。
定型文は、飽くまでも理想。努力目標。お作法。あるいは、文字数合わせ、惰性で言ってるだけ。
こんなかんじで、過剰な高揚感、期待感、焦燥感や絶望感を緩和してあげてください。
おば「もうx年生なのだから、と言われるの、嫌じゃない?」
子「嫌。(どんより)」
おば「だよね!私もそうだったんだー。」
子「えっほんとに?(訝しげ)」
おば「そうだよー好きでx年生になった訳じゃないし、同じx年生にもいろいろいるし、そもそも今x+1年生がx年生の終わりだったときなんて大暴れだったのに、x年生らしく、とか意味不明!ってモヤモヤしてたりしない?」
子「する!!なんでわかるの!!(目が輝く)」
おば「私、そうだったから。他の子たちが、x年生らしく、って言葉でなぜ姿勢を正すのかわからなくて混乱してた。前のx年生なんてぐだぐだだったじゃん、なんて思って。」
子「うんうん!!(きらきら)」
おば「あれ、実は、接頭辞や枕詞のようなものなんだって!」
子「えっ!!」
おば「あまり深い意味がなく、形式的に、儀式的に、あるいは歴史的な背景があってついている修飾語なんだと考えてみて。前の年度の経験を活かして、より精神的にも肉体的にも成長してほしい」という意味で使われている定型語みたいなの。」
子「(しばらく、思い出し作業) そうかも… ほ、ん、と、だ~~!!」
こんな関わりで、混乱の靄が晴れることがあります。
4月に最大能力を出そうとして、焦りなどから、やらかしてしまう子には、かなり有効です。
算数凸には
算数好きのお子さんに説明するならば、y軸が能力値、x軸が年齢、高下しながらの、モデルとなる右上がり成長グラフを描きます(中年期以降のなだらかな下降線も私は書いて説明します)。
反応により、このグラフはお父さんのイメージ、このグラフはお母さんのイメージ、このグラフはおじいちゃん、このグラフはおばあちゃん、などなど書き入れていきます。
例えとして、「能力は高いけど成長しない人」「まだ能力は低いけど成長率(傾き)の大きい人」のグラフも書いてもよいでしょう。
能力値の成長には、本来は、年度の境目がないと示すのです。
そこに、別の色で、学年ごとの期待値を書き入れます。これは帯状の幅を持たせた階段状に表現することになるかなと思います。
○年生に期待される能力値に寄せていく必要はある、ということをわかってくれるかもしれません。
4月にいきなり、○年生らしくという指標にとらわれてパニックになるのはもったいない。1年弱かけて、あなたに相応しい目標値に寄せていこう。というようなアドバイスによって、新学年の易刺激性が一気に収まる子がいます。
学年よりも、月齢、年齢
学年の切り替わりというステップには混乱を来すことが多いのですが、一方で、月齢や年齢の切り替わりや日齢での目標設定はやってみていただきたいです。
もちろんタイプによりますが、学年や新年を区切りにするよりも、誕生日や月齢を区切りとしたほうが、比較的ストンと納得してくれるようになる子が多いなぁという印象を持っています。
真面目っ子タイプの中には、○年生の○月上旬、といった区切り方がしっくり来る子もいます。身長110cmを超えたら、というような区切りが通じやすい子もいます。
その子によって、「節目」も違うのです。
※たまたまかもしれませんが。
「もう3年生なのだからちゃんとしようね」と言われると、不穏になり怒り出していた子に、
「8歳4ヶ月のハードルは合格だけど、8歳5ヶ月になったから、ハードル上げてるよ」という関わりをした途端、すっとからだのこわばりが収まり、柔らかい表情になり、いきいきとした意欲や素直さが出てくる、というようなケースをたくさん見てきました。
要は、それぞれ響くツボが違うんです。行動機序、思考機序が違うんです。
(※無反応な子もいらっしゃるでしょう。
なお、拗らせつつある子は、まずは一緒に遊んでもらうことから関わりを始めます)
何十人もいるそれぞれの月齢を覚えて、ステップに活かして導くことは、集団の管理者にはできません。
まして、園や小学校の先生は定型の群れのプロです。
アスペルガー傾向持ちというはぐれものの心を理解してもらえるだなんて期待してはいけません。
お子さんの誕生から心を込めて祝ってきた、祖父母やご両親といった保護者の特権なのではないかと思っています。
入学するから、進級するから、ということは、ことさらに強調しないで、
「まわりは進級だなんだと煽ってくるけど、あれ何でだろうね。月齢違うのにね。」ぐらいがいいですよ。
放っておいても、家の外で、必要以上に期待ワードをぶちこまれてきます。
せめてお家では、期待の調整を!と思います。
他のページにも書きましたが、4月は担任の先生は気合いが最高潮です。
子どもたちに、大きすぎる期待をかけてきて、空回りしていることが多いです。
ターゲットと申しますか、「こいつさえ締めればイケる!」の対象となる子は、4月に決まることが多いようです。
ターゲットが決まるまでは特に、親御さんは家庭でお子さんを愛でまくり、学校や学童で承認欲求バトルロワイヤルに参加しなくても満足、お腹いっぱい、という状態にしておきましょう。
ま、それでもやっぱり、承認されたくなって目立とうとしてしまう子も多いと思います。
が、個別に愛でまくっておきますと、モヤモヤ発生時に自分から話してくれるようになりますので、おすすめです。
長文お読みいただきありがとうございました!
お子さま方の穏やかな進級、進学、お祈りしております。
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